―中国で頑張る石川人 2005年1月―

神並充さん（丸協運輸貿易有限公司）より一言

私は現在、上海に単身赴任しています。上海駐在は2回目です。1回目はコマツゼノアで6年間駐在、3年間は単身で事務所活動、後半3年間は現地法人を設立し家族帯同で駐在しました。
その後、日本に帰国したのですが、中国の目覚しい発展の中での変化に富んだ仕事に魅了され、会社を大阪本社の丸協運輸に移し再赴任し既に、3年が過ぎました。
決して、上海の小姐（女性）が綺麗だから上海に再赴任したわけではありません。

私の現在勤務する、『丸協運輸貿易有限公司』は上海市近郊の江蘇省張家港保税区に1994年9月、設立後、めまぐるしい発展を続ける中国で全国ネットワークを展開し、2000年には上海丸協運輸を設立し、中国国内物流、中国から諸外国への物流を主業務とする日本独資企業です。（http://www.marukyo-sh.com（外部リンク））現在中国では上海、北京、広州、成都、武漢、張家港に拠点を持ちほぼ中国全土をカバーしています。
石川県企業の方々にも、中国国内物流、中国から諸外国の物流、或いは、中国関連での引越、工場設備移動、また、中国からの部品調達のお手伝いをしています。

中国は貧富の差が大きい事は皆さんご存知のとおりです。上海近郊の田畑では日本のコンバインをよく目にしますが、西のほうへ少し入るとそこには日本のコンバインはありません。更に西へ行くと牛が鋤（すき）をひいています。また更に西へ行くと牛もいなく、人が鋤をひいています。
この貧富の差と同様に個人の能力差の大きさは日本では経験できません。仕事上はもちろんですが、中国でゴルフをしても、スナックでお酒を飲んでいても感じます。
例えば、ゴルフのキャディーさん、”カップの右端を狙え、下りだから気を付けて”と的確なアドバイスを日本語でくれ、かつ、バンカーの修整等をきちっとやるキャディーもいれば、ただゴルフバックを運んでいるだけ、他は何もしない、残り何ヤードと中国語で聞いても首を傾げるだけでどのような声の持ち主かもわからないキャディーもいます。我々はそれを”キャリーさん”と呼んでいます。
我々日本人が中国に赴任して、或いは出張で中国に来て、先ずお世話になる通訳のできる中国人は、日本人同等以上に能力の高い方が多い場合がほとんどです。しかし、中国人の全てがこのよう能力の高い方では有りません。
弊社の保税倉庫は、輸入品保税保管の場合、品番を通関に報告する必要があります。ところが、報告が一日遅れ通関からクレームが付きました。在庫管理担当が忙しく報告が遅れていたのです。品番を書き写すだけの作業、私は誰でもできると思い。倉庫作業者に品番の書き写しを命じるよう指示しました。ところが、在庫管理担当が、それは無理だといいます。何故だと問いただすと、その倉庫作業者はアルファベットを知らないとの事でした。

中国では最前線の情報が当てにならないことが多くあります。新しい情報を元に行動を起こすと、情報が変わり失敗する事があります。これは、おそらく情報を流し、世間の反応を見て実施事項を修正しているためかと思われます。
私も以前、日本の本社から ”嘘つきだ、言う事がころころ変わる” と信用を失いかけました。それは、新しい情報を本社に流し過ぎたためです。但し、新しい情報は必要です。最近は”未確定だが”とし、情報を流すようにしています。
本年（04年）12月から中国国内物流が外資企業に開放となる。との最新情報で、それに向けて準備してきた日系物流会社が既に12月に入っているのに何時物流が開放になるとも知れず困っています。
中国人は往々にして情報では動かず、世間が動き出すのを見て動き出す事が多いように思われます。
商売上でもそれは言えます。売れ出したものはみんながこぞって売ろうとします。例えば扇風機が売れ出すと、いたるところの工場で扇風機の生産がはじまり、技術の無い工場は他とそっくりな物＝偽物を。
品質の良い物、悪いものがどんどんつくられ、バブルとなります。扇風機の売れている販売店の隣もその隣もまたその隣も扇風機の販売店となり、価格競争がはじまり値崩れを起こし、バブルが終わります。
生産量が急激に増えない物では、このメカニズムにはまり込まなく（農作物等）、市場（いちば）が形成される事もありますが、そうでない場合も多く見られます。自転車、エアコン…

昨年（03年10月）、道路交通安全法が改定となりました。改定されても直ぐには実行されません。今年（04年）5月より、中国各地で実行されています。今回の改定は歩行者優先を重視した改定です。
先日、弊社上海で中国スタッフが運転する社用者に自転車が突っ込み、新しい道路交通安全法で100％弊社スタッフが悪くなりました。北京ではあたり屋が増え、保険会社が困っているとのニュースを見ました。
道路交通安全法は、来年（05年） ”未確定だが” 再改定があるとの事です。

変化に富んだ中国上海ですが、生活しやすい良い都市です。県人の皆様がお越しの際は、是非、我々駐在の石川県人にお声をかけて下さい。

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