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更新日:2023年6月20日

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議案説明要旨(令和5年第3回県議会定例会) - 令和5年6月13日 -

目次

内容

本日、ここに、令和五年第三回県議会定例会が開かれるにあたり、最近の県政の状況と提案いたしました一般会計補正予算及び特別会計補正予算並びにその他の諸議案につきまして、その大要をご説明申し上げます。

はじめに

先月五日に珠洲市で震度六強を観測した「令和五年奥能登地震」の発生から、一カ月余りが経過いたしました。この地震により、一名の方がお亡くなりになられたほか、重軽傷者四十名を超える人的被害、九百棟を超える住家被害、道路、河川、港湾、農地など多くの施設に甚大な被害が発生いたしました。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆様方に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。

県では、地震発生と同時に災害対策本部を設置し、発災翌朝には私自身、被災現場を確認いたしました。これまでの間、二市一町への災害救助法の適用、被災箇所の応急復旧、事業者等に対する相談窓口の設置、災害廃棄物の仮置場の運営支援、被災者の健康管理に対する支援などに、国など関係機関と連携し、全力で取り組んでまいりました。

また、県と災害応援協定を締結している関係団体の皆様には、発災後速やかに、物資の輸送や被害状況の現地調査など専門性を活かした様々な取り組みを行っていただいたところです。

災害ボランティアについては、発災当日より、県本部を立ち上げ、被災地の現地本部の運営を支援するとともに、先月二十六日から今月四日までの間はボランティアバスも運行し、これまでに約二千人の方々に活動いただきました。多くの皆様のご尽力に対し、心より感謝申し上げます。

先月十日からは義援金の受け付けを開始し、既に県内外から七千万円を超える義援金が寄せられており、改めて、心より感謝申し上げます。

今後、義援金配分委員会において配分基準を決定し、被害を受けた方々へお届けすることとしております。

先月十五日には、岸田内閣総理大臣のほか、国土交通大臣、農林水産大臣、環境大臣、経済産業大臣、総務大臣など関係大臣に対して、私から直接、復旧・復興への支援を要請いたしました。国は、今月九日、珠洲市の被害を局地激甚災害に指定することを決定し、珠洲市に公共土木施設等の災害復旧事業に係る国庫補助率の嵩上げや、被災中小企業が事業再建に向けた融資を受ける際の別枠保証などの措置が講じられることとなりました。指定は、被災地の復旧・復興の後押しになるものであり、引き続き関係機関と連携し、被災施設の復旧、被災された方々の生活再建、事業再建など、一日も早い復旧・復興に向けて、全庁を挙げて取り組んでまいります。

電気料金をはじめとする物価高騰により幅広い分野で深刻な影響が生じております。こうした中、国は、三月末に追加の物価高騰対策を決定したところであり、県としても国に呼応し、厳しい状況にある生活者、事業者に対する緊急対策を講じることといたしました。

「石川県成長戦略(仮称)」につきましては、「幸福度日本一の石川県の実現」に向け、目指す姿である「住みやすく、働きやすい、活力あふれる石川県」から逆算し、八つの戦略やそれらに係る施策を盛り込むとともに、主要目標及びKPIを設定した素案を作成し、今月一日の第三回「石川県成長戦略会議」でお示ししたところであります。

委員からは、八つの戦略に様々なご意見をいただいたところであり、来月五日まで実施しているパブリックコメントの結果も踏まえ、「石川県成長戦略会議」での議論を深めるとともに、県議会でご議論をいただき、九月議会での提案に向け、鋭意、策定作業を進めてまいります。

一方、文化観光や食文化施策の推進、行政のデジタル化の加速、戦略的広報の推進など、当初予算編成後の情勢の変化を踏まえ、新たな対応が必要なものについては、「石川県成長戦略(仮称)」の策定を待たずに取り組みを進めることといたしました。

以上申し述べたように、今回、通常では補正予算を編成しないこの時期に、喫緊の課題である地震からの復旧・復興、物価高騰対策、さらには、成長戦略を先取りする事業を盛り込んだ補正予算を編成したところであり、以下、主な施策につきまして、その概要をご説明申し上げます。

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令和五年奥能登地震からの早期の復旧・復興

はじめに、令和五年奥能登地震からの早期の復旧・復興についてであります。

県では、これまで、道路、河川、港湾、農地などの被災箇所の応急復旧に取り組んできたところであり、今後は早期の復旧に全力で取り組んでまいります。

被災者に対する応急救助につきましては、地震発生後直ちに二市一町へ災害救助法を適用し、避難所の設置や生活必需品の支給、住宅の応急修理などに取り組んでまいました。

被災者の方々の当面の生活拠点となる応急仮設住宅については、先月十九日から珠洲市内に十六戸の整備を進めており、このうち正院団地跡地の四戸については、明日完成し、残る十二戸についても、今月中に全て完成する見込みであります。

被災者の生活再建支援につきましては、珠洲市における全壊世帯数が国の基準を満たしたことから、先月十二日、珠洲市に被災者生活再建支援制度の適用を決定いたしました。一方、国制度では支給対象とならない半壊世帯が多いことも踏まえ、今般、県独自に、市町と連携し、支給対象を半壊世帯まで拡充する制度を創設し、今回の地震から適用することといたしました。

被災した建物の解体撤去につきましては、珠洲市では、国の補助対象となる全壊建物に加え、補助対象とならない半壊建物についても、倒壊のおそれがあることから解体を進めることとしております。県としては、いまだ地震活動が継続している状況を踏まえ、珠洲市に対して半壊建物の解体費用の一部を支援することといたしました。

事業者の被害は、昨年六月の地震に比べて甚大であり、地域経済や住民生活を支えている事業者の事業継続が危惧される状況にあります。

こうした状況に鑑み、事業の再建に向けた前向きな取り組みに対して、昨年度を上回る最大三百万円を補助する制度を創設いたします。また、当初五年間無利子かつ信用保証料を免除する融資制度も創設することといたしました。さらに、専門家派遣制度の無料派遣回数の上限を撤廃し、いわゆる「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」など国の補助制度の活用促進を図るなど、事業の再建に向けた伴走支援を行ってまいります。

また、今回の地震により、多くのキャンセルや予約控えが発生するなど観光産業にも影響が及んでおります。このため、県内全域を対象とした「いしかわ旅行割」を、閑散期対策として夏休み前の来月二十日まで延長するとともに、観光のハイシーズンである来月二十一日からは、奥能登二市二町に限定した「奥能登応援旅行割」を実施し、秋の奥能登国際芸術祭も最大限に活かした観光需要のさらなる喚起を図ることといたしました。

海外誘客については、能登への入り込みが多い台湾をターゲットに、のと里山空港へのインバウンドチャーター便の誘致を促進するとともに、メディアを活用した情報発信を強化し、能登をはじめとした本県への誘客につなげてまいります。

観光産業と並び奥能登地域の基幹産業である農林水産業につきましては、高齢化が進展する中、度重なる地震により、農林漁業者の就業意欲の低下が懸念されます。このため、首都圏でブランド農林水産物のトップセールスに合わせた奥能登の特産品のPRを行うとともに、県内では特産品のPRに加え、現地の直売所等に足を運んでいただけるようクーポン券を配布するなど、首都圏及び県内において「奥能登応援フェア」を開催いたします。

政府の地震調査委員会によれば、「能登地方における一連の地震活動は当分続くと考えられる」とされております。引き続き、国に対し、頻発する地震の原因究明に向けた調査と結果の早期公表を求め、県としても、県全域の地震被害想定の見直しに向けた調査を加速させるとともに、様々な機会を通じて県民の防災意識の啓発を図ってまいります。

また、今般、県と奥能登二市二町が共同で、「奥能登版デジタルライフライン」の構築に取り組むことといたしました。高齢者など支援が必要な方のデータを地図情報に反映するシステムの導入等により、平時の見守り活動や、災害発生時の効果的な避難支援につなげてまいります。

こうした取り組みを、先般私がメンバーに選出された国の「デジタルライフライン全国総合整備実現会議」の場などを通じ、地域の課題解決に向けたデジタル技術の活用のモデルとして全国に発信してまいります。

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電気料金をはじめとする物価高騰への追加対策

次に、電気料金をはじめとする物価高騰への追加対策についてであります。

生活者に対する支援につきましては、現在、国において、価格高騰の影響を緩和するため、電気料金や都市ガス料金などについて負担軽減措置が講じられております。一方、LPガス料金は国の負担軽減措置の対象外であり、石川県はLPガス利用世帯の割合が全国に比べて高いことも踏まえ、LPガス料金について、国の都市ガスと同水準の負担軽減策を講じることといたしました。

県立学校の給食費については、食材価格の高騰が続いていることから、昨年度に引き続き、食材価格の上昇分を公費負担することにより、保護者負担の抑制を図ることといたしました。

私立学校につきましても、電気料金等の価格の高騰により保護者負担の増加や教育活動への影響が懸念されることから、高騰分の一部を支援することといたしました。

中小企業への支援につきましては、国の負担軽減措置の対象外となっている特別高圧契約で受電する事業者や工業用LPガスを使用する事業者を対象に、使用量に応じた支援を行うことといたしました。さらに、高圧契約で受電している事業者の中でも、繊維産業など売上に占める電気料金の割合が高い事業者を対象に、国の負担軽減措置に加え、最大百万円の支援策を講じるなど、価格高騰の影響を受ける事業者を支援してまいります。

畜産業や漁業につきましては、配合飼料や水産物の鮮度保持に用いる氷の価格が値上がりするなど、経営に多大な影響が生じていることから、高騰分の一部を支援することといたしました。

農業用水を供給するポンプ場などの農業水利施設においても、維持管理に多くの電気を使用していることから、高騰分の一部を支援することといたしました。

収入が公定価格となっており、電気料金等の上昇分を価格転嫁できない医療機関・社会福祉施設等につきましては、全国知事会を通じて、国において公定価格の早急な改定などの対策を講じるよう要請しているところでありますが、改定には時間を要することから、施設の類型に応じた支援金を支給するとともに、昨年度に引き続き、省エネ設備の導入に対する支援を行うことといたしました。

鉄道、バス、タクシー、運転代行といった交通事業者等につきましては、県民生活や経済活動に不可欠な社会インフラであることから、支援を行うことといたしました。

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「石川県成長戦略(仮称)」を先取りする取り組み

次に、「石川県成長戦略(仮称)」を先取りする取り組みについてであります。

本年四月に、文化庁の動きに呼応し、「文化観光」と「食文化」の二つの部局横断の推進本部を全国で初めて設置し、具体の施策の検討を進めているところであります。

まず、文化観光については、文化庁と連携し、全国最多の八地区が選定されている重要伝統的建造物群保存地区の文化観光資源としての活用に向けた具体策を検討してまいります。

また、食文化については、石川県において食に関する文化財として指定・登録されている三件が、いずれも能登地域であることも踏まえ、金沢市を中心に県内に普及している「加賀料理」の無形文化財登録を目指すこととし、必要な調査に着手することといたしました。

妙成寺につきましては、国宝化に向けた取り組みを進めている中、五重塔の屋根や軒裏などの損傷の修復に向けて国との協議を進めてきたところ、今般、国の補助事業に採択されたことから、羽咋市と連携し、修復を支援することといたしました。

韓国全羅北道との交流促進につきましては、友好交流に関する合意二十周年を記念するとともに、コロナ禍後の交流再開のキックオフとして、私自身、二十一世紀石川少年の翼派遣団の団長として八月に全羅北道を訪問し、知事同士の交流を深めてまいります。

併せて、釜山港において、金沢港の貨物利用の拡大に向けたポートセールスを行うとともに、大韓航空に対し、小松・ソウル便の早期の運航再開を要請してまいります。

県庁のデジタル化の推進につきましては、庁内のネットワーク環境について、セキュリティレベルを確保しつつ、民間事業者が提供するクラウドサービスなど利便性の高いデジタルサービスを最大限に活用できるよう、見直しに着手することといたしました。

戦略的な広報の推進につきましては、今年度、知事直轄の組織である知事室に戦略広報課を設置し、先月一日には、公募により戦略広報監を配置いたしました。

県政に関する情報を、特に若い世代に対して、試行的に、生成AIで作成した動画で毎日発信するとともに、私自らが県内各地域に赴き、幅広い層の県民と直接対話をするタウンミーティングを行うなど、広報広聴機能の充実を図ってまいります。

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新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症につきましては、国は、先月八日に、感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同じ五類へと変更いたしました。県としても、国の方針を踏まえ、医療提供体制などについて所要の見直しを行ったところであり、これにより生じる不用額について減額整理を行うことといたしました。

また、五類移行後においても、入院・外来ともに十分な受入体制を確保するほか、コールセンターで県民からの相談に対応するなどの対策を講じているところであります。引き続き、感染状況を注視し、適時適切に必要な対応を行ってまいります。

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一般会計補正予算総額等について

以上が、今回の一般会計補正予算の大要であり、総額で八十七億八千四百万円余の減額補正となっております。財源については、国庫支出金百七十億五千万円余を減額するほか、繰越金八千九百万円余、県債三十七億三千三百万円、諸収入四十四億四千三百万円余を充てており、補正後累計は六千八十三億九百万円余となるものであります。

なお、新型コロナウイルス感染症対策の見直しに係る減額分を除く補正総額は、百四十三億一千七百万円余の増額となります。

このほか、港湾整備特別会計において、災害復旧に係る所要の補正を行っております。

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主な施策の概要について

さて、本年度の当初予算は、石川の新たな時代を切り拓く羅針盤となる「石川県成長戦略(仮称)」を先取りした施策を最大限盛り込んだところであり、現在、その執行に全力を挙げて取り組んでいるところであります。以下、当初議会以降の進展を中心に、先に申し述べた施策を除く主なものについてご説明申し上げます。

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新たな時代を捉えて飛躍・成長する産業づくり

第一は、「新たな時代を捉えて飛躍・成長する産業づくり」についてであります。

DXの推進につきましては、先月二十二日から、(株)小松製作所及び早稲田大学のご協力のもと、デジタル人材を育成する「スマート・エス・イーIoT/AI石川スクール」がスタートしました。今年度は、最高デジタル責任者(CDO)の育成やプログラミングの入門講座の開設など研修の充実を図ったところであり、事業者のニーズに応じた人材育成に一層取り組んでまいります。

GXの推進につきましては、走行時に二酸化炭素を排出しない究極のエコカーである水素燃料電池自動車で県内全域を周遊できる環境を整備するため、四月に、のと里山空港と地場産業振興センター敷地内に、県内初となる水素ステーションを開所するとともに、(株)トヨタレンタリース石川と連携し、県民や観光客向けに、水素燃料電池自動車MIRAI(ミライ)のレンタルを開始いたしました。今後、燃料電池自動車を活用した法人向けリース事業の実施も予定しており、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを一層進めてまいります。

産業人材の確保につきましては、いしかわ就職・定住総合サポートセンター(ILAC)において、都市部の人材のUIターンに取り組んでいるところであり、昨年度は、就業マッチング件数が三百六十八件と過去最高となったところであります。

県内大学生の県内定着の促進につきましては、意欲的な取り組みを行う県内高等教育機関と県が個別に協定を締結し、必要な支援を行う制度を設けたところであり、第一弾として、昨日、金沢学院大学と協定を締結いたしました。本県の魅力や住みやすさ等を紹介する講義に県が参画するほか、学生のみならず教職員も参加する県内企業との交流会の開催等を支援することとしており、こうした取り組みが、県内の他の高等教育機関に広がることを期待しております。

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収益力の高い農林水産業と次世代につなぐ農山漁村づくり

第二は、「収益力の高い農林水産業と次世代につなぐ農山漁村づくり」についてであります。

農家の所得確保につきましては、水稲から野菜など収益性の高い園芸作物への転換を図るため、先月末から水田での園芸作物の栽培に意欲的に取り組む地域の募集を行っているところであります。JAや市町と連携して集中的に支援することにより園芸産地づくりを進め、他の地域のモデルとなる事例を創出してまいります。

県産品の海外における販路開拓・拡大につきましては、四月の台湾訪問の際にトップセールスを行ったところ、本県の特色ある食材や発酵食品、伝統工芸品などに高い評価をいただき、来年一月十一日から二十四日まで、台北市内の高級百貨店三店舗において「石川フェア」が開催されることとなりました。今月末にも現地バイヤーを招へいし、県内事業者との個別商談会を開催するなど、フェアの開催に向け準備を進めてまいります。

本県のブランド農林水産物の知的財産の保護につきましては、四月に農林水産省・特許庁等との間で全国初となる「知的財産の保護及び活用に関する連携協定」を締結したところであります。今後、作物などの新品種をはじめ様々な分野の知的財産の適切な管理、県や支援機関の職員に対する研修など、具体の取り組みを進め、ブランド価値の維持・向上を図ってまいります。

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個性と魅力にあふれる交流盛んな地域づくり

第三は、「個性と魅力にあふれる交流盛んな地域づくり」についてであります。

G7富山・金沢教育大臣会合につきましては、先月十二日から十五日にかけて富山市及び金沢市において開催され、子どもたちのウェルビーイングの向上、教師の処遇改善や確保などを目指す「富山・金沢宣言」が採択されました。

歓迎夕食会は金沢城公園で開催し、県産食材をふんだんに使った料理や地酒を提供したほか、伝統芸能も披露するなど、石川ならではのおもてなしで各国・関係機関の代表の皆様をお迎えしました。また、エクスカーションでは、金沢二十一世紀美術館及び国立工芸館で、石川の文化や歴史の一端に触れていただくとともに、金沢大学では、学生と教育の未来について意見交換を行っていただきました。

今回の大臣会合の開催により、質の高い文化や食、高い教育レベルなど本県の魅力を国内外に発信することができたものと考えており、国内では初の試みとなった複数自治体による共催の成功を踏まえ、今後も政府主催の国際会議の誘致に取り組んでまいります。

本年十月十四日から開催される国民文化祭「いしかわ百万石文化祭二〇二三」につきましては、本県の多彩な文化の魅力を全国へ発信する絶好の機会であり、全国からの参加者の円滑な受け入れに向け、先月二十二日に宿泊等の手配を行うトラベルセンターを開設したところであります。また、イベント情報をわかりやすく紹介する「プレガイドブック」を作成したほか、来月八日には、百日前プレイベントを開催するなど、開催に向けた準備に万全を期してまいります。

北陸新幹線につきましては、先月二十七日に金沢から敦賀までの全区間がレールで結ばれ、秋頃には新幹線車両の走行試験が予定されるなど、今年度末の開業に向けた準備が着々と進んでいるところであります。

また、今月二十日から県立図書館で開催する「新幹線特別展」を皮切りに、県内各地で多彩なイベントを切れ目なく開催し、開業に向けた気運を大きく盛り上げてまいります。

敦賀・大阪間については、今年度の国家予算において、施工上の課題を解決するための調査等を先行的・集中的に実施するための予算が計上されたところであり、先月の北陸新幹線建設促進同盟会の中央要請において、この調査費を活用し、建設費や工期、地元負担額などの具体的なデータを明らかにし、新幹線がつながるメリットを示していただくよう、沿線府県の知事や経済界等とともに、政府・与党に強く働きかけたところであります。

北陸新幹線の整備効果を最大限発揮するためには、大阪までの全線整備が必要不可欠であり、今後とも、関西圏を含めた沿線地域との連携を密にし、県議会及び関係各位のご支援をいただきながら取り組んでまいる所存であります。

北陸新幹線の県内全線開業に向けた観光誘客につきましては、三月に「受け地の魅力づくり」、「効果的な情報発信」、「誘客キャンペーン」の三つの柱からなる「新幹線県内全線開業PR戦略実行プラン」を策定したところであり、プランに基づき、開業効果の最大化に向けた取り組みを強力に推進してまいります。

兼六園周辺文化の森の文化観光施設の一層の魅力向上につきましては、県立美術館においては、都道府県立の美術館では全国初となる8Kの高精細画像など最先端の映像技術を活用し、国宝の「色絵雉香炉」の制作工程などを再現する映像や、加賀藩の文化政策など本県の美術・工芸文化の歴史を紹介する映像を上映するVRシアターを来月二十九日に開設いたします。

また、四高記念文化交流館においては、入口付近にある旧門衛所を改修し、レトロ文化の魅力発信の拠点として整備を進めているところであります。この旧門衛所は、全国でも数少ない現存する旧制高等学校の学校建築物として、文化財としての価値が高いことから、今月、国登録有形文化財に登録申請することといたしました。

知事公舎の利活用につきましては、三月末に各界各層の有識者からなる検討会を開催し、利活用のイメージについて、県民の方々のご意見なども踏まえ、ご議論いただいたところであります。来月には第二回の検討会を開催することとしており、具体の利活用に向け、鋭意、検討を進めてまいります。

スポーツを通じた活力の創造につきましては、県内トップレベルのスポーツチームと連携し、各チームへの応援気運を高めるため、「県民スペシャル応援デー」を設けたところであり、その第一弾を、今月十七日、ツエーゲン金沢のホームゲームで実施いたします。今後、こうした取り組みを重ね、スポーツを通じて、県民のふるさとへの愛着を高めるとともに、地域活性化につなげてまいります。

小松空港につきましては、四月に台湾を訪問し、エバー航空に対して、私自ら小松・台北便のデイリー運航再開への感謝の意をお伝えするとともに、今後の利用促進に向けた協力要請を行いました。さらに、タイガーエア台湾の小松・台北便が来月二日から運航を再開することにより、小松・台北便は、エバー航空の週七便と合わせて、過去最多の週九便体制での運航となる見込みであり、引き続き、航空会社と連携しながら、インバウンド・アウトバウンド双方での利用促進に取り組み、安定した需要の確保を図ってまいります。

また、第二滑走路については、昨年度、県において小松空港の将来需要予測や滑走路の配置案等について基礎的な調査を実施し、四月に開催した小松空港中期ビジョン策定検討委員会において、調査結果をお示ししたところであります。航空需要の高まりが見込まれるとの将来需要予測の結果を踏まえ、空の玄関口としての機能強化の観点から、先般、私自ら国土交通省、財務省に対し、国において第二滑走路の整備に向けた調査を早期に実施するよう要望を行ったところであります。また、小松空港は自衛隊との共用空港であり、防衛上の観点からの第二滑走路の必要性を国に理解いただくことが不可欠であることから、私自ら近く防衛省に対し要望を行うこととしております。防衛省をはじめ今後の国の対応を踏まえ、検討委員会において、議論を深めてまいります。

のと里山空港につきましては、開港二十周年を機に、来月八日と九日に、記念式典やイベントを開催し、県民のマイ空港意識のさらなる高揚を図り、地元利用の促進を図るとともに、首都圏からの誘客の拡大にも取り組んでまいります。

金沢港につきましては、港の目指すべき姿を描く「将来ビジョン」の策定に向け、四月に第一回目の検討委員会を開催し、物流機能の強化や港の賑わい創出について、様々なご意見をいただいたところであります。今後、企業、関係団体へのニーズ調査などを踏まえ、年度内にとりまとめることとしており、来年度に予定しているビジョンを具体化する「港湾計画」の改訂につなげてまいります。

クルーズ船については、三月に日本への国際クルーズが再開された中、クルーズ船各社とのネットワークを活かした積極的な誘致活動により、今年の金沢港へのクルーズ船の寄港数は、日本海側トップクラスの四十七本となる見込みであります。引き続き、関係機関と連携し、受け入れに万全を期すとともに、誘致活動に積極的に取り組んでまいります。

IRいしかわ鉄道につきましては、利用者数が徐々に回復しつつあり、令和四年度は、二年連続で黒字となりましたが、金沢以西延伸後も安定した経営を維持するには、多くの方々の利用が不可欠であります。そのため、先月、市町や経済団体、交通事業者等からなる「IRいしかわ鉄道利用促進協議会」を立ち上げたところであり、利用促進策の一つとしてマスコットキャラクターを制作することとし、明日から来月四日まで、デザイン案の一般投票を実施いたします。

広域道路ネットワークの整備につきましては、のと里山海道の四車線化、金沢外環状道路海側幹線、加賀海浜産業道路などの幹線道路の整備を進めているところであり、夏頃には金沢外環状道路山側幹線の金沢市神谷内町から月浦町間の四車線化事業が完成・供用する見通しとなりました。

金沢城公園につきましては、二の丸御殿について、来年度の工事着手を目指し、引き続き、復元対象となる建物の設計や、障壁画の再現に向けた検討を進めてまいります。また、城の魅力をより実感していただけるよう、三十間長屋の鉛瓦の葺き替え工事の見学や、二の丸御殿の埋蔵文化財調査により発掘された出土品の洗浄作業体験などを組み込んだツアーを開催することとしております。多くの方々にご参加いただけるよう、夏休みから秋の国民文化祭の期間にかけて実施する予定であり、来月には参加者の募集を開始いたします。

さらに、金沢城の魅力を国内外に効果的に発信していくため、来月にも、金沢城の情報発信計画の検討委員会を立ち上げ、年度内の策定に向け、鋭意、検討を進めてまいります。

西部緑地公園の再整備につきましては、四月に開催された第三回目の構想検討委員会において、公園全体のコンセプトを「幸せを実感する心地よい緑と夢の空間」とする骨子案をお示ししたところであります。充実した緑地空間を中心に据え、回遊性を高めた園内に、新県立野球場、新産業展示館のほか、新たに屋内遊戯施設、アーバンスポーツパーク等を設けることとしております。なお、現在、県内において、民間企業によるアリーナ機能を備えた施設の建設が計画されていることを踏まえ、新産業展示館では、同様の機能を整備しないことといたしました。

今後、民間活力の導入可能性調査を実施するとともに、県議会でのご議論をいただき、年内には構想を取りまとめたいと考えております。

白山手取川ジオパークにつきましては、先月、北陸三県で初めて、ユネスコの世界ジオパークに認定されました。手取峡谷をはじめとした大自然の恵みと、脈々と受け継がれてきた文化的な人々の営みの調和の素晴らしさが評価されたものであり、長年にわたり認定に向け取り組んでこられた地域の皆様方に心より敬意を表します。今後、白山市と連携し、子どもたちへの環境教育に活かすとともに、白山手取川ジオパークの魅力を国内外に向け積極的に発信してまいります。

高等教育機関との連携につきましては、八月一日に全国最大規模の総合大学である日本大学と包括連携協定を締結することといたしました。今後、大学での観光物産イベントやUIターン就職セミナーの開催、演劇など幅広い分野において連携を進めてまいります。

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石川の未来を切り拓く人づくり

第四は、「石川の未来を切り拓く人づくり」についてであります。

いしかわ特別支援学校の知的障害教育部門高等部の新校舎の整備につきましては、秋頃に建設工事に着手することとしております。令和七年四月の開校に向け、全国のモデルとなる本格的なインクルーシブ教育の実施に向けてハード・ソフト両面からの諸準備を進めてまいります。

夜間中学につきましては、既存の施設を利用して教室を確保できること、通学の利便性が良いことなどを勘案し、設置場所の検討を進めてきたところであり、今般、県立金沢中央高等学校内に設置することといたしました。さらに、明日から校名の公募を開始することとしており、令和七年四月の開校に向け、準備を進めてまいります。

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温もりのある社会づくり

第五は、「温もりのある社会づくり」についてであります。

周産期医療体制の確保につきましては、赤ちゃん協議会の中間とりまとめにおいて、輪島病院における産科医の複数体制の構築など、産科医不足地域の体制強化に取り組むべきとされたことを踏まえ、金沢大学において今年度より新たに輪島病院に産科医を派遣いただいております。さらに、金沢医科大学において先月から穴水総合病院に産科医、助産師を派遣いただき、産前・産後ケアを行う周産期外来が開設されました。県としては、引き続き、赤ちゃん協議会においてご議論をいただきながら、県民が安心して出産できる環境づくりに向け取り組んでまいります。

妊産婦への支援につきましては、来月にも「いしかわ妊娠・出産サポートセンター(仮称)」を立ち上げ、助産師による専門相談支援を開始いたします。不安や育児上の困難を抱える妊婦への支援のほか、全国で初めて、里帰り出産をする妊婦への個別訪問などのプッシュ型相談支援を行うこととしております。

こうした県独自の取り組みを全国のモデルとして、里帰り出産をする妊婦への支援を充実させるよう、国に働きかけを行ってきたところ、先般取りまとめられた内閣府の規制改革推進会議の答申に、支援の充実の方向性が盛り込まれたところであります。

社会福祉会館の建て替えにつきましては、先月、学識経験者や福祉関係者からなる在り方検討委員会を開催し、新たな会館のコンセプトや機能についての検討に着手したところであります。今後、秋頃を目途に、検討委員会での議論を取りまとめてまいります。

性の多様性につきましては、県民全体の多様な性に関する理解を増進するための条例の制定に向けて、先月、当事者団体や教育、労働など多様な分野の有識者で構成される会議を開催したところであり、国の動向を見極めつつ、広く関係者や県民のご意見を伺いながら検討を重ねてまいります。

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安全・安心かつ持続可能な地域づくり

第六は、「安全・安心かつ持続可能な地域づくり」についてであります。

流域治水対策につきましては、県下全域でハード・ソフト両面から推進してまいります。

ハード面では、昨年八月の大雨により堆積した土砂の除去や被災した護岸の復旧を出水期前に終えたところであります。また、今月十日には、「梯川水系緊急治水対策プロジェクト」の起工式を執り行ったところであり、今後、国や関係市町と連携し、梯川水系の河川改修を進めるとともに、県下全域の十八河川についても改修を促進してまいります。

ソフト面では、県内百八十の小規模河川について、先月、洪水浸水想定区域を指定・公表したところであります。今後、住民の迅速かつ確実な避難につなげられるよう、市町に洪水ハザードマップの早期見直しを促してまいります。

また、農地、農業水利施設を活用した対策として、今年度から、水田に一時的に雨水を貯める「田んぼダム」や降雨前のため池の事前放流の効果検証を行うとともに、事前に木場潟の水位を下げて、水害に備える取り組みを試験的に実施しております。これらの検証結果を踏まえ、県下全域へ取り組みを拡大させるなど本格的な運用につなげてまいります。

道路の崩落により通行止めとなっていた白山白川郷ホワイトロードにつきましては、四月下旬に仮設道路により無料区間の通行を再開し、今月九日には、岐阜県側まで全線開通したところであります。引き続き、本線道路の早期復旧に向け、安全を最優先に工事を進めてまいります。

消防学校を核とした総合的な防災拠点につきましては、整備指針となる基本構想の策定に向け、来月にも有識者や防災関係者からなる策定委員会を立ち上げることとしており、昨年度の機能強化検討会からの報告書を踏まえ、検討を進めてまいります。

カーボンニュートラルの推進につきましては、電気料金の高騰も踏まえ、四月から、「いしかわ省エネ家電購入応援キャンペーン」を実施しており、エアコンやLED照明など、すでに約三千件の多数の申し込みをいただいているところであります。引き続き、家計負担の軽減と家庭の省エネの推進に向けて、周知に取り組んでまいります。

さらに、先月には、部局横断でカーボンニュートラルを推進するため、「カーボンニュートラル推進本部」を設置いたしました。GXを通じた産業競争力の強化や脱炭素化に向けた県民・事業者の行動変容の促進など、石川県環境総合計画に掲げる二〇五〇年の温室効果ガス排出実質ゼロを目指し、取り組みを加速させてまいります。

トキの放鳥につきましては、先月、能登地域トキ放鳥受入推進協議会を開催し、昨年度末に策定した「能登地域トキ放鳥推進ロードマップ」に基づき、県及び能登の四市五町などの関係団体が一致結束し、取り組みを進めていくことを確認したところであります。

餌場の確保については、能登の四市五町が選定したモデル地区において、魚道の整備や減農薬による水稲栽培、農薬を使用しない畦の除草など農業者の作業をサポートするため、先月から「トキめきボランティア」の募集を開始したところであります。

また、五月二十二日を「いしかわトキの日」に制定したことを記念し、トキとの共生に向けた気運の醸成と理解の促進を図るため、先月、県内全域でキックオフイベントを開催したところであります。

昨年十二月に制定した「石川県自転車の安全で適正な利用及び活用の推進に関する条例」につきましては、自転車損害賠償保険への加入義務化について、自転車の利用が増える新学期の時期に合わせて、来年四月一日から施行することとし、一層の周知・啓発に取り組んでまいります。

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社会全体のデジタル化の推進

第七は、「社会全体のデジタル化の推進」についてであります。

デジタル化の推進につきましては、先日、県と全市町で構成する第三回「石川県デジタル化推進会議」を開催いたしました。公共データのオープンデータ化について、子育て支援や防災など様々な分野での行政や民間による二次利用につなげるため、県と市町が一体となり、速やかに取り組みを進める方針を確認するとともに、市町の基幹業務システムの標準化については、県は外部専門家を活用して市町をサポートすることといたしました。

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その他の諸議案について

次に、提案いたしましたその他の諸議案のうち、議案第三号は、地方税法の一部改正に伴い、燃費性能等に係る不正行為を行った自動車メーカーに自動車税の納税義務を負わせる特例措置の見直し等を行うものであります。

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北朝鮮について

北朝鮮は、再三にわたる国際社会の警告を無視し、今年に入り、弾道ミサイルの発射を繰り返しております。本県の漁船に被害はなかったものの、度重なる弾道ミサイル発射は、国民の生命・身体・財産、我が国の領土・領海の安全を脅かし、一連の国連安保理決議に違反する行為であり、国においては、国際社会と連携し、外交・経済等あらゆる手段を通じ、断固とした対応をとっていただきたいと考えております。

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志賀原子力発電所について

志賀原子力発電所につきましては、三月に、原子力規制委員会の法律に基づく新規制基準への適合性に関する審査会合において、敷地内断層の活動性はないとする北陸電力(株)の評価が概ね妥当とされたところであります。

規制委員会には、科学的な根拠に基づく厳正かつ迅速な審査が行えるよう体制の拡充・強化を図るとともに、審査結果はもちろん、審査の方法や手続きを含め、地元住民はもとより国民の理解と納得が得られるよう、しっかりと説明責任を果たすことを引き続き強く要望してまいります。

原子力発電所は安全確保が大前提であり、北陸電力(株)には、今後とも、より一層の安全対策に取り組むよう強く求めてまいりたいと考えております。

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最後に

最後に、令和四年度の決算につきましては、製造業を中心とした企業業績や消費の持ち直しによる税収増に加えて、事務事業の見直しに努めた結果、前年度に引き続き、基金の取り崩しに頼らない収支均衡を達成することができました。

一方で、増え続ける社会保障関係経費や、西部緑地公園の再整備をはじめとした大型プロジェクトによる財政負担も見据え、不断の行財政改革に取り組みながら、中長期的展望に立った持続可能な行財政運営にしっかりと取り組んでまいります。

知事に就任して一年余りが経過いたしました。昨年六月の地震、八月の大雨災害への対応に続き、令和五年奥能登地震からの復旧・復興に向けて取り組む中で、県民生活の安全・安心の確保が県政の基本であるとの思いを強くしているところであります。

「幸福度日本一の石川県」の実現に向け、県議会との対話や県内全市町への訪問の機会、新たに実施する県民とのタウンミーティングなどを通じて、県政に対する様々なご意見に真摯に耳を傾け、県政運営に全力を傾注してまいる所存であります。議員各位の一層のご指導とご協力をお願いいたします。

以上をもちまして、私の説明を終わりますが、なにとぞ慎重ご審議のうえ、適切なるご決議あらんことをお願いいたします。

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所属課:知事室秘書課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1221

ファクス番号:076-225-1222

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