議案説明要旨（平成30年第3回県議会定例会） - 平成30年5月29日 - 3.「地域の強みを活かし成長する産業づくり」について

◎6月補正予算について

  3.「地域の強みを活かし成長する産業づくり」について

  第三は、「地域の強みを活かし成長する産業づくり」についてであります。

   中小企業の支援につきましては、景気拡大を背景に、企業の人手不足感が依然として強くなっております。こうした中、先に申し述べた生産性向上の取り組みは、企業の競争力強化のみならず、企業の人手不足への対応にも資するものであり、併せて、人材の確保・活用策にも積極的に取り組んでいく必要があります。

  人材の確保については、県では、一昨年に、「いしかわ就職・定住総合サポートセンター（ILAC）」を開設し、首都圏を中心に、本県への移住を促進し、昨年度のILACを通じた移住者数は、一昨年度の約一・五倍の三百五十九人となるなど、着実に成果が現れております。

  一方、関西圏については、県内学生の進学者数は関東圏と同程度であるものの、移住者は関東圏の四分の一にとどまっていることから、関西圏からの移住者の掘り起こしを強化するため、新たに、関西圏における常設の相談拠点として、「ILAC大阪」を大阪事務所内に設置し、UIターンの促進を図ることといたしました。

  昨年度から本格的に取り組んでいる女性や高齢者などの人材の掘り起こしについては、具体の成果が上がっているところでありますが、一方、こうした人材は経験不足の方も多く、定着に向けた人材育成に課題があることが明らかになってまいりました。このため、求人と求職のミスマッチを解消するこれまでの取り組みに加え、採用した女性や高齢者等への研修に対する助成を行い、企業の人材育成も後押しすることにより、人材のより一層の掘り起こしにつなげてまいります。

  また、外国人留学生については、県内企業への就職活動に取り組む留学生に対する新たな奨学金制度を創設し、県内就職を一層促進してまいります。

  県内企業の海外展開への支援につきましては、(株)北國銀行と連携し、本年秋にシンガポールにおいて、三回目となるビジネス商談会を開催いたします。加えて、近年、県内企業の関心が高まっている香港においても、七月に、(株)北國銀行と連携し、ビジネス商談会を初めて開催するとともに、現地旅行会社向けの観光セミナーを福井県と共同で開催し、さらなる誘客を図ってまいります。

  また、これまでの海外での販路開拓の取り組みにより、海外において、県産品を取り扱う小売店が増加していることから、これらの中から数店舗を「いしかわサポーターズショップ」に認定し、伝統的工芸品の展示や観光情報を発信する特設コーナーを設け、海外の消費者に向けて本県の魅力をPRするモデル事業に取り組むことといたしました。

  伝統産業の振興につきましては、新幹線開業により、国内外からの観光客が増加する中、県内の宿泊施設から、伝統的工芸品を活用して、ワンランク上の内装や調度品を設えたいとのニーズが高まっております。このため、宿泊施設のニーズに応えるオーダーメイドによる商品開発を支援することとし、本県伝統的工芸品の魅力発信にもつなげてまいります。

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