ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 県議会の議案説明要旨 > 議案説明要旨(平成31年第1回県議会定例会) - 平成31年2月20日 - 1.「魅力が輝き交流が盛んな地域づくり」について
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金沢港につきましては、昨年のコンテナ貨物の取扱量は、六万九千八百本余となり、三年連続で過去最高を更新したところであります。また、本年のクルーズ船の寄港は、日本海側トップクラスとなる五十四本が予定されており、寄港する船会社は、過去最高の十七社となる見込みであります。
金沢港がクルーズの拠点として飛躍していくためには、多くのクルーズ船や船会社を誘致することが何よりも重要であり、これまでのポートセールス活動に加え、昨年十一月に締結した横浜港との連携協定を拠り所とした、新たな取り組みを進めていくこととしております。具体的には、昨年、金沢港の魅力をPRしたオーストラリアにおいて開催される旅行博覧会に両港共同で出展するなど、海外の富裕層向けクルーズの誘致に向けたポートセールスを実施するほか、北陸新幹線の活用による両港を発着地とした短期間の日本人向けクルーズ商品の開発に取り組んでまいります。
金沢港の機能強化整備につきましては、東部工業用地に整備した大型コンテナ上屋が、今月から供用を開始し、戸水ふ頭に点在していた古い上屋の撤去にも着手したところであります。来年度末までの完成に向けて整備を進めている「金沢港クルーズターミナル」については、乗船客の利便性向上と同時に、金沢港の賑わい創出の拠点とするため、様々な工夫を講じることとしております。
具体的には、ターミナル二階の港内が見渡せる位置に小学生の社会科見学などに利用できる「セミナールーム」を設けるほか、金沢港の機能や役割を紹介する「学習・体験ルーム」を設け、国内最大級の画面による操船シミュレーターやガントリークレーンの荷役作業を疑似体験できるシアターなどにより、楽しみながら金沢港を学ぶ場としてまいります。
冬季間などクルーズに使用しない期間においては、一階のCIQエリアをスポーツやイベント会場などに幅広く活用するほか、待合エリアについては、遊具を備え、親子連れで楽しめる屋内の遊び場として活用してまいります。
ターミナル内に設置するレストランについては、今月末から出店者の公募を開始することとしており、本年五月頃までを目途に、決定したいと考えております。
さらには、ターミナルや無量寺ふ頭のライトアップに加え、ターミナルから見渡せる五郎島ふ頭から金沢港大橋にかけて、港内を取り囲むように水際にライトを連続的に配置するほか、ガントリークレーンや五郎島ふ頭の係留船舶にもライトアップを施すことにより、金沢港ならではの夜間景観を創出したいと考えております。
国内誘客につきましては、JRと北陸三県等が連携し、三大都市圏において、通年で展開している誘客キャンペーンに加え、本年十月から、JRによる「北陸新幹線金沢開業五周年キャンペーン」が実施されることとなっております。これに併せて、本県においても、JRとの連携による人気アニメキャラクターを活用した企画ツアーを実施するほか、本県の食や伝統工芸品などの魅力をアピールする記念イベントを東京駅で開催するなど、一層の誘客PRを展開してまいります。
また、本県の観光の魅力を高く評価する大手旅行会社と連携し、来店者に対して、本県への旅行を積極的に薦めていただく旅行会社の担当者を「いしかわ観光コンシェルジュ」として、首都圏・関西圏の主要店舗に配置することといたしました。
関西・中京圏については、引き続き、団体旅行の誘致に取り組むとともに、大阪で初めて開催される日本最大級の旅行博「ツーリズムEXPOジャパン」に出展し、本県の魅力や新幹線の金沢・敦賀間の開業をPRするほか、大手自動車販売会社や高速道路事業者等と連携し、マイカー利用者に対する情報発信を強化いたします。
東北からの誘客拡大については、JRと連携し、宮城県や福島県の旅行会社の主要店舗において、観光PRを実施いたします。東北と北陸を結ぶ直通新幹線については、本年四月の金沢発の運行が決定したところであり、今後もJRに対し、双方向での継続運行を強く働きかけ、将来の定期便化につなげてまいりたいと考えております。
海外誘客につきましては、外国人宿泊者数が、新幹線金沢開業前の二倍を超えるなど、順調に増加しているところでありますが、とりわけ、欧米やオーストラリアからの旅行者については、歴史や伝統文化に関心が高く、外国人宿泊者数に占める割合も、全国に比べて高くなっているところであります。
加えて、来年の東京オリンピック・パラリンピックでは、欧米やオーストラリアから多くの観戦客の来日が見込まれることから、欧州での誘客活動を強化するとともに、文化施設が集積する兼六園周辺文化の森において、外国人向けの体験イベントや通訳付きガイドツアーを実施することといたしました。
新幹線の県内全線開業や大阪・関西万博の開催等を観光誘客に最大限に活かすため、観光事業者や有識者から成る検討会を設置し、県内各地域の魅力づくりや国内外に向けたPR戦略などについて、専門的見地から助言をいただき、 今後の観光施策の立案や、二〇二〇年度に予定している「ほっと石川観光プラン2016」の改定に活かしてまいります。
小松空港につきましては、羽田便が、前年並みの利用状況で堅調に推移しているところであります。今後の新幹線の県内全線開業による情勢の変化を見据え、乗り継ぎ利用の促進に加え、航空会社や福井県と連携した航空利用の拡大に取り組むこととし、引き続き、ビジネス・観光の両面から、一層の利用者の確保を図ってまいります。
国際線については、香港便が、本年の四月三日から、「夏ダイヤ」の定期便として新規就航いたします。実現にあたっては、議員の皆様方をはじめ、関係各位のご支援・ご協力をいただいたところであり、改めて感謝を申し上げます。
長年の念願であり、実に十一年ぶりの就航となるこの国際定期路線を、今後も維持・発展させていくためには、福井県とも連携し、インバウンド、アウトバウンド双方での利用促進にしっかりと取り組んでいくことが必要であります。私としても、来月、小松空港国際化推進議連をはじめ、福井県や地元経済界、観光業界の方々とともに、香港を訪問し、キャセイパシフィック航空や現地の旅行会社との間で、今後の利用促進に向けて意見交換を行うと同時に、誘客への協力要請を行ってまいります。
ソウル便、上海便、台北便については、いずれも前年を大きく上回る利用状況となっており、引き続き、各路線の特長を活かした利用促進に積極的に取り組んでまいります。
今後とも、議員各位をはじめ小松基地並びに空港周辺住民の皆様方のご理解とご協力をいただきながら、日本海側の拠点空港としての発展に向け努力してまいる所存であります。
のと里山空港につきましては、開港十六年目の搭乗率は、過去最高の利用者数となった前年を上回り、かつてないほど好調に推移しております。目標搭乗率の達成に向けて、引き続き、能登の魅力ある食などを活用した旅行商品の造成支援や、「マイ空港意識」の向上に取り組むとともに、ファミリー層や若者の利用拡大に向けたイベントを開催するなど、首都圏と地元双方において、利用者の一層の上積みを図ってまいります。
広域道路ネットワークの整備につきましては、のと里山海道の柳田インターチェンジから上棚矢駄インターチェンジ間の四車線化について、上棚地内のゆずりレーンを南側へ延伸させ、のと里山海道で最長のゆずりレーンとする工事が順調に進捗していることから、供用時期を前倒しし、来年春までに供用することといたしました。さらには、柳田インターチェンジから続く急勾配区間の工事を加速させるとともに、ゆずりレーンまでの残る区間についても、工事に着手することとし、一日も早い全線供用に向けて、着実に整備を進めてまいります。
並行在来線につきましては、新幹線の県内全線開業時に経営分離される金沢以西区間の輸送密度は、金沢以東区間の七割程度と見込まれることから、金沢以西延伸後は厳しい経営状況となることが予想されます。このため、来年度は、IRいしかわ鉄道の経営や運行に関する基本方針を策定し、国や沿線自治体、JRなどの関係者との協議を加速させるとともに、経営の効率化や利便性の維持・向上策を検討するための基礎調査を行うなど、経営計画の策定に向けた準備を進めてまいります。
のと鉄道につきましては、平成二十五年度に、県と沿線市町で造成した安全運行対策基金を活用し、必要な安全対策を講じてきたところであります。こうした中、頻発する豪雨災害への対応や、地域鉄道の脱線事故を踏まえ国からさらなる安全対策の強化を求められていることから、鉄道事業の根幹である安全対策に万全を期すとともに、新幹線の県内全線開業効果を能登に波及させる二次交通機関としての役割を、今後も、しっかりと果たしていくことができるよう、沿線市町と連携し、三年間で総額七億円の基金の追加造成を行うことといたしました。
木場潟公園の東園地につきましては、隣接地で保養施設を運営する(株)小松製作所との間で、今月五日に協定を締結し、同社の全面的なご協力をいただきながら、里山の魅力を活かした体験型公園として整備を進めていくことといたしました。
これまで農林業の分野で連携してきた成果を活かし、公園内の間伐材をチップ化してペレットを製造し、施設の暖房に利用するほか、地下水や温泉水を活用して、年間を通して野菜の収穫体験や花の観賞を楽しめる場を設けるなど、賑わいのある里山環境を創出したいと考えております。加えて、同社が所有する東園地の六割に相当する用地の提供についても前向きにご協力をいただけることとなりました。
こうした、ものづくり企業との連携による里山再生に向けた都市公園整備は、全国でも例がない取り組みであり、「新たな里山再生のモデル」となるよう、新幹線の県内全線開業までの第一期整備区域の供用を目指し、整備を進めてまいります。
また、木場潟公園の西園地については、平成二十七年の全国植樹祭に合わせて展望休憩所を整備し、本県を代表する白山眺望スポットとして、多くの来園者にご利用いただいております。さらに、一昨年には、民間事業者によるカフェレストランがオープンし、日中はもとより、夜間の利用も進んでいるところであります。
このため、新幹線の県内全線開業も見据え、夜間の賑わい創出を図るため、木場潟の自然を活かしたライトアップを実施することとし、さらなる魅力向上につなげてまいります。
いしかわ動物園につきましては、本年十月に開園二十周年を迎えることから、記念キャンペーンとして、夏以降、ナイトズーなど様々なイベントを開催することとしております。
また、来園者が、より間近で動物を観察できるよう、アシカやアザラシの展示施設の観覧エリアの柵を撤去し、四月にリニューアルオープンするとともに、フクロウ舎については、金網をガラス化することといたしました。さらに、カンガルーの展示施設については、展示エリア内に入り、動物とふれ合うことができる園路を設けることとし、来年春の供用を目指し、改修に着手いたします。
いしかわ動物園において飼育・繁殖に取り組んでいるライチョウにつきましては、来月十五日から、全国五カ所の飼育施設において、公開展示を開始することとなりました。
園内の「ライチョウの峰」を改修し、全国で唯一、近縁種のスバールバルライチョウとの比較展示を実施する専用施設として、その生態や特徴などを分かりやすく紹介することとしております。県民をはじめ多くの皆様方に、ライチョウの営みを直接ご覧いただき、種の保存の重要性を感じていただきたいと考えており、公開に向けて、準備を進めてまいります。
以上
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