―上海駐在員便り 2024年1月―

マカオでの県産食品プロモーションの実施について

一人当たりのGDPが31,539米ドルとアジアでは韓国に次ぐ第7位であり（日本は33,853米ドルで第4位）、ユネスコ世界遺産にも登録された世界的観光地のマカオの旧市街にある、高級百貨店ニューヤオハンにて、11月6日から2週間、地酒や調味料、スナック菓子等の石川県産品を現地消費者等へPRする石川フェアを開催しました。香港においてはSOGOや日系スーパー等で石川フェアを実施してきましたが、今年度は、少しエリアを広げた形でのプロモーションとなります。先方の全面的な協力をいただき、同店舗7階食品フロアの催事スペースを全て使用し、多種多様な県産品の品揃えで効果的なプロモーションが実施できたと感じております。現地の消費動向については、マカオにおいても香港と同様、コロナ後の需要がなかなか戻ってきておらず、厳しい状況であることは否めません。一方、マカオでは新たな大型カジノIR、ホテルを含む複合ビル等の建設が進んでおり、こうした施設や世界遺産、マカオGP（今年は11月16日～19日で催事とも重なった）など国際イベントも数多く開催されており、依然として観光地としてのポテンシャルは高いものがあります。また、旅行者においても、地理的に近い香港や深圳、広州を周遊するケースも見られるため、これら地域でのプロモーションを効果的に実施していければと考えます。

フェアの状況については、昼間は家族連れや女性の買い物客が多く、家族用にスナック菓子や飲料、スイーツを購入している方の姿が見られ、夕方から夜にかけては、仕事帰りの方に自分用の菓子や酒、コーヒー等をお買い求めいただきました。お客様の中には、商品のストーリーを聞き、試食して味を確かめ、ショッピングカートに商品を入れ、これを繰り返し、カートいっぱい購入いただいた方もいました。また、お客様の中には、ギフトとして購入したいという声もあったことから、ギフトセットの販売やお楽しみギフト調整など、今後とも、県産品のプロモーションを盛り上げる工夫を検討していきたいと思います。

■西安での観光プロモーション

中国内陸部の西安で開催されたJNTO主催の観光PRイベント（11月18日、19日の2日間）に、石川県ブースを出展し、インバウンドプロモーションを行いました。近年は内陸部での日系関係のイベントも珍しくなくなりましたが、県のプロモーション活動はこれまであまり実績がなかったため、市場調査も兼ねて参加してみたいと以前から考えておりました。

イベントは、中心部の観光名所「大雁塔」に隣接するショッピングモール内で行われ、2日間合計で3万2千人以上の来場者（主催者発表）がありました。同様のイベントが1ヶ月前に大連でも開催されましたが、そのときはまだ処理水問題がくすぶっていたこともあり、来場者はまばらで、中にはスタッフに対して辛辣な言葉を投げかけるということもあったようです。ここ西安ではそのようなことはなく、また、西安と同じショッピングモールが上海にもありますが、来場者数、若者の多さ、催しの開催など、どれをとっても上海と比べて活気で溢れていたのが印象的でした。

モール内での開催であったことから、ふらっと立ち寄る流れでの来場者が多かったですが、日本好きで地方にも詳しい方が多く、中には石川に行ったことがある、または旅行を検討しているという方もおられました。正直、石川のことを知っている人はほとんどいないのかな、と想像していましたが、実際には「金沢は行ったことがあるが、能登にも行ってみたいのでどうやっていけばいいか」「おすすめの旅館はどこか」などの質問も寄せられ、担当者としては嬉しい会話を多くの方とすることができました。また、ステージでのPRタイムで石川県に関するご当地クイズを出してみたところ、産業についてなどニッチなテーマでも即座に手が挙がりました。

現時点で西安―成田の直行便が運航しており、日本へのアクセスは比較的便利な地域でもあるので、将来の石川県ファンづくりを見据え、このような勢いある市場向けに種まきをしておくことも有効ではないかと感じました。

（画像1：マカオでの食品フェア1 ）

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