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更新日:2022年8月2日

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―上海駐在員便り  2022年7月―

上海の状況

 

今月号も引き続き、現地ローカルスタッフである郭から現在の状況についてお伝えします。

 ◆生活状況(6月15日現在)

  市政府は、6月1日からおよそ9割にあたる住民の外出を認める緩和措置を講じ、約2カ月におよぶ都市封鎖(ロックダウン)がようやく解除されました。地下鉄やバスは多くの路線で運行が再開され、百貨店や飲食店などの商業施設も営業を再開(ただし飲食店は店内飲食禁止)、オフィスビルへの立ち入りも可能となり、徐々に以前の上海の姿に戻りつつあります。自宅の玄関や小区から一切出られない毎日から解放される高揚感は何ともいえないもので、解除直後には、新年を迎えるときのようなパーティーが街のあちこちで開かれていました。

社会活動が再開し始めたものの、公共交通機関の利用やスーパーに入るときなど、いたる所で72時間以内のPCR検査の陰性証明または24時間以内に検査を受けていることの証明が求められます。そのため、外出の際は陰性証明の有効時間や直近の受検履歴の管理がとても重要になっています。市内ではPCR検査場の設置が急ピッチで進み、すでに9千カ所を超えておりますが、多くの人が2,3日に1回は検査を受ける必要があるため、あちこちの検査場で長い順番待ちの列ができています。また、検査場によって営業時間が異なり、24時間やっているところもあれば、午前中しか開いていないところもあり、バラつきがあります。そのため、友人・知人とのグループチャットでは、「●●交差点の検査場は昼休みに行ったら10分しか待たなかった」とか、「■■街道のところは朝7時からやっており、出勤前に受けられる」など、PCR検査場に関する情報交換が活発になっています。

学校については、3月中旬からオンライン授業に移行しておりますが、高校2年生と3年生に限り、6月6日からおよそ3カ月ぶりとなる対面授業が再開されました。中国の大学受験は例年6月7日、8日に行われますが、上海市は7月に延期となっており、受験生たちはロックダウン解除に浮かれている余裕はありません。中学3年生は13日からの再開で、それ以外の学年や小学校については今のところ9月からの予定となっており、授業の遅れや、長期間自宅で過ごすことによるメンタル面の影響が心配されます。

ロックダウン解除後も、数は少ないながらも散発的に感染者が見つかっており、局所的な封鎖が行われています。市政府は、11日午前に南西部の閔行区を封鎖するとともに、制限が解除されて2度目の週末となった11日と12日に市内のほぼ全域で大規模なPCR検査を実施し、再び外出が一時制限されました。前回のロックダウン時も、一時的な外出制限が長引き、結果2カ月あまりとなったことから、住民の警戒感は強いものがあります。

 ◆企業活動状況

  6月1日の解除以降、多くの企業が活動を再開しております。県上海事務所が入居する上海国際貿易センタービルへの出入りも可能となり、私も約2カ月ぶりに出勤することができるようになりました。ただし、PCR検査の受検に時間を要することや、まだ学校が再開していないこと等により出勤できない人も多く、オフィスビル内の人数は平常時の5割程度といったところです。市政府からなるべく出勤率を抑えるようにという要請もあることから、県内企業の中には、引き続き在宅勤務を継続し、出勤人数を必要最小限に絞っているところもあります。

  大きな影響を受けていた物流についても回復が進んでいます。市内の通行規制はほぼ全面的に撤廃され、高騰していた配送費用も正常レベルに戻りつつあります。市内と各地を結ぶ路線便や長距離輸送も再開しており、市内の長距離トラックターミナルの稼働状況は7割程度まで回復しているという報道もあります。SNS上でも、ロックダウン前に注文していた商品等の荷物が、解除後すぐに届いた、といった投稿が見られました。

 上海港の輸出入にかかる通関業務やコンテナ輸送の業務についても回復に向かっており、一時期よりも予約しやすい状況になっていることが窺えます。中国と取引がある県内企業の中には、ロックダウン中に一部の荷物を上海港以外の港へ切り替えたり、中国以外の第三国で代替したりといった動きが見られましたが、上海港の機能が一刻も早く正常に戻り、従来の物流が本格的に再開することを多くの企業が待ち望んでいます。

 2カ月に渡るロックダウンが解除され、生活面では、外出して普段の生活ができる喜びを噛みしめていますが、企業に与えたダメージからの回復はすぐにというわけにはいきません。上海市の4月の新車販売台数はゼロ台(前年同月は約2万6千台)という衝撃的な数字となり、そのような状態から正常に戻るには少なくとも数カ月を要する、という見方が現地メディアでは報じられております。

 県上海事務所では、次期駐在員の事務所への着任を7月中旬頃に予定しており、本格的な再開後の活動内容について現在企画を進めているところです。県内企業のロックダウンからの早期の立て直しに向けて、県上海事務所ではこれまで以上に情報収集や提供、販路開拓支援、ネットワークづくりなど様々なサポートをしてまいりますので、ぜひお気軽にご相談等いただければ幸いです。

(写真1:順番待ちになっているPCR検査場)

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(写真2:スーパーの品揃えや人出は正常に戻っている)

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(写真3:地下鉄に乗るときはPCR検査の陰性証明を提示)

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お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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