―上海駐在員便り 2023年2月―

2022-23年の中国経済の動向

■2022-23年の中国経済の動向

2022年の中国経済は、全国人民代表大会（全人代、日本の国会に相当）で掲げた経済成長率の目標「5.5％前後」を大幅に下回る見込みです。中国国家統計局が10月に公表した2022年（1-9月期）の経済成長率は実質で前年同期比3.0％増、残る10-12月期も年末にかけての新型コロナ感染爆発等で社会が混乱に陥ったため、急回復は期待できません。通期の経済成長率は実質で3%台にとどまるという見方が共通認識されています。

また、国家統計局は12月の製造業購買担当者指数（PMI）を47.0％と発表、景況拡大・悪化の分岐点といわれる50%を11月に引き続き下回る結果となりました。また、非製造業の産業活動指数は41.6％と11月から5.1ポイントと大幅に減少しており、6ヶ月連続の下落となりました。業種別では、航空運輸、通信・テレビ等、金融サービス等の分野では52.0以上の高水準で推移した一方、小売、陸上運輸、宿泊、飲食、住民サービスの分野では35.0％を下回っています。これらの結果を受け、国家統計局の担当者は以下3点のポイントを挙げています。

（1）供給と需要の双方で減速が続いている。12月の製造業対象の調査では、11月から15.5ポイント上昇の56.3％の企業が新型コロナの影響が大きいと回答した。生産活動は減速が続き、製品受注量も減少している。また、物流分野の人員不足が顕在化したことにより、サプライヤー納期指数は40.1％となり、配送が滞る状況が起きている。

（2）主要原材料購買価格指数は51.6％で、11月から0.9ポイント上昇するなど、製造業全体の購買価格は上昇している。

（3）雇用指数は11月から2.6％低下の44.8％となり、労働力が不足していると回答した企業は11月から6.5ポイント上昇している。

このように、それぞれの指標を見ると明るい兆しがなかなか見えてきませんが、2022年に景気が低迷した背景には、新型コロナの第2波襲来による上海ロックダウン、並びにビッグイベントである10月の党大会の開催を見据えた厳格なゼロコロナ政策の推進があり、これらが個人消費を下押しした原因となっています。

2023年からは、そうした制約条件がなくなることで、抑制されてきた個人消費が徐々に勢いを取り戻し、不振だった民間投資も徐々にではあるが勢いを取り戻していくことが期待されています。中国社会科学院は、12月13日に発表した「経済青書」において、2023年の実質GDP成長率を5.1％前後になるとの見通しを示し、5～5.5％といわれる潜在成長率の範囲に届くとの見方を示しています。

今が底ともいえる経済状況の中で踏ん張ってきた県内企業にとって、2023年は明るい材料が一つでも増えることを期待しております。

■花園飯店（ホテルオークラ）で北陸フェアが始まる

上海市内で最も賑わいを見せる淮海中路に位置する花園飯店（オークラガーデンホテル上海）の日本食レストランで、1月15日から北陸フェアが始まりました（期間は3月31日まで）。当館は上海を代表するホテルであることはもちろんのこと、建物入口にあたる旧フランス倶楽部は、1926年にフランス人建築家によって建築されたバロック調の建築物で、背後にある33階建ての現代的なデザインのタワーと融合しており、とても優雅な雰囲気を漂わせています。470室を超える客室、レストラン、バー、会議室、並びに宴会場を兼ね備えている一方で、また日本からの駐在員も常駐していることから、VIP富裕層の利用に加え、日系企業団体等のイベントにも利用されることが多く、在留邦人含め様々な方々に親しまれているホテルです。

ホテル2階にある和食堂「山里」は、日本人料理長が腕を振るう本格的な日本料理レストランであり、今回のフェアでは、鰤の照り焼き、鰤大根、甘エビ・鯛などのお造り、鴨南蛮そば等がメニューとして用意されております。近年は気軽に日本へ渡航することができておらず、今年からは往来が回復していくことが期待されているところなので、タイミングとして良い時期ではないかと思います。

花園飯店では、日本全国の料理を食べてもらい、訪日旅行のきっかけにしてもらうことを目的に昨年後半から北海道に続く第二弾として、北陸のご当地フェアを展開しており、北陸フェアは北海道フェアに続く第2弾として開催されております。フェアのランチを食べに来たお客様は、「味がシンプルで美味しい。ぜひ現地で本場の料理を楽しんでみたい。」と仰っておりました。

石川県の食文化や地域の魅力を発信し、次の旅行先候補の一つに入れてもらえるよう、引き続き、インバウンド需要の掘り起こしに取り組んでいきたいと思います。

（北陸フェアのチラシ）

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