緊急情報

閉じる

現在、情報はありません。

印刷

更新日:2023年7月1日

ここから本文です。

―上海駐在員便り 2023年7月―

日中地域間交流推進セミナーの開催

  日中間の地域交流の推進を目的に、日中それぞれの地方政府関係者が一同に会して事例発表や意見交換を行う「第19回日中地域間交流推進セミナー」が、5月24日・25日に四川省成都市都江堰市(とこうえんし)で開催されました。このセミナーは、2002年に北京市で開催されて以来、毎年中国各都市において開催されているもので(2020~2022年はコロナのため中止)、自治体国際化協会(クレア)が主催しているイベントになります。

  都江堰市というところはあまり聞き覚えがないかもしれませんが、ジャイアントパンダの生息地と聞くと、なんとなく親近感が湧いてくるのではないでしょうか。現在40頭ほどのジャイアントパンダとその関連野生動物が暮らしている「中国ジャイアントパンダ保護研究センター」はここ都江堰市に所在しており、今年2月下旬に上野動物園から中国へ返還された「シャンシャン」も、今はここで元気に暮らしています。また、およそ2,300年前に造られた大規模灌漑施設である「都江堰水利施設」は、ダム無し治水を特徴とするもので、世界において最も古く、そして現在も利用されています。これら豊かな自然環境や灌漑施設は、それぞれユネスコ世界遺産において、パンダ生息地が2006年に自然遺産に、灌漑施設が2000年に文化遺産に登録され、四川省が誇る観光資源になっています。本セミナーのテーマが「地域資源を生かした観光推進と地域経済の新たな発展」でしたので、まさにここ都江堰市はそのテーマに合致した地域であるといえます。

  セミナーでは、都江堰市政府市長やJNTO(日本政府観光局)北京事務所長からの基調講演の他、関係者によるパネルディスカッション(長野県、熊本県、四川外国語大学等が登壇)が開かれました。長野県は、1998年冬季オリンピックの遺産を観光推進につなげようと、スノーリゾートを前面に押し出した施策を展開しています。中でも、青少年のスキー合宿受入れや指導員の育成など、コアなターゲットに絞ったリピーター獲得への取り組みが特徴的です。一方、熊本県はキャラクターが観光資源であり、くまモンとワンピース(作者=尾田栄一郎氏は熊本県出身)という世界でも知名度の高いキャラクターをふんだんに活用しています。その有名キャラクターと熊本県を結びつけるべく、モニュメントを県内各地につくり、スタンプラリーで廻ってもらうという取り組みについてもお話がありました。

  今後の観光誘客を進める上で、工夫を凝らしつつも分かりやすいコンテンツづくりがポイントになるのではとないかと考えます。

■京東新百貨

  セミナー参加に合わせ、5月19日に成都市でプレオープンしたばかりの京東の新たな拠点「京東新百貨」に視察に行って参りました。京東は、言わずと知れた中国の大手ECサイトであり、特に電化製品の品揃えが豊富でアフターサービスも充実しているのが特徴です。私も普段から利用していますが、赴任して間もない頃にローカルの方から、「電化製品など失敗したくないものを購入する場合は京東を利用した方がいいよ、信頼できるから」とアドバイスされました。また、配送網も自前で構築していることから、コロナ禍等の非常時にも強く、上海ロックダウン時には他社に先駆けて物流をいち早く回復して売上を伸ばしました。中国で年2回ある大きなバーゲンセールの一つである「618セール」は、元々京東が創立記念日の6月18日に始めたセールが広がったもので、京東だけでも期間中(6月1日~18)に約7兆6千億円(2022年)を売り上げます。京東では、実際に商品を見たり触ったりすることができるオフラインショップを、これまでにもパイロット的につくって試行してきましたが、今般、ライブ配信スタジオと物流倉庫も完備した新たな拠点を整備し、本格的な基幹店舗としてスタートさせました。

  店舗では、EC事業者の運営らしさが随所に見られます。まず、入口でロボット店員が出迎えてくれ、試しにある日系ブランド名を話しかけると、その商品が陳列されている棚まで誘導され、さらにキャンペーン情報や関連商品の情報までいろいろと提供してくれました。今はまだ中国語と英語のみの対応ですが、今後多言語化し、消費者ニーズや購入履歴等のデータもどんどん蓄積され、とても優秀なコンシェルジュとして活躍する日もそう遠くないでしょう。売場奥には物流倉庫も併設され、ECで注文が入れば自動で荷物をピッキング、梱包やパッキングまで自動化されつつあるということで、機会があればその様子も生で見てみたいなと思います。このような仕組みにより、店舗から10km圏内であれば、注文から配送まで1時間以内を達成しているとのこと。そして、今やECの主流となっているライブ配信用のスタジオが店舗ビル3Fをメインに配置されており、ブランド毎に部屋が分けられ、1フロアに30以上の部屋が並び、それぞれで撮影・同時配信が行われております。また、KOL(Key Opinion Leader)用のメイクアップルームもあり、さながら放送局のスタジオのような設備も兼ね備えています。

  このように、ECプラットフォーム、物流、オフライン拠点とそれぞれで消費者の利便性を追求する同社の今後の展開がますます注目されます。

(写真1:日中地域間交流推進セミナーでのパネルディスカッション

20230701

(写真2:京東新百貨外観)

20230702

(写真3:京東新百貨の売場)

20230703

お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報はお役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

同じ分類から探す