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更新日:2023年8月1日

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―上海駐在員便り 2023年8月―

訪日インバウンド需要への取り組み

  中国人の旅行需要が回復傾向にある中で、各地で観光見本市が開催されるなどインバウンド需要の喚起に向けたイベントの動きが活発になってきました。日本への団体旅行はまだ解禁されていないこともあり、足元の訪日中国人数は韓国・台湾に比べて少ないですが、2019年は国別で最多の960万人が訪れるなど、最大の市場であることに変わりありません。一人当たり旅行支出も20万円を超え、アジアでは依然としてトップとなっているので、その需要をいかにして取り込むかが重要になってきます。最近では、若年層(Z世代)およびファミリー層を中心に「スラムダンク」や「すずめの戸締まり」など、日本のアニメや映画が大ヒットしているように、エンターテインメント関連の需要や北京五輪後のスノーアクティビティといったテーマのニーズが大きくなっています。一方で、リピーターや富裕層は日本らしい伝統文化、食、建築等の体験への関心も高いことから、これらを組み合わせながら観光ツアーを検討していくのが有効ではないかと考えます。特に後者については、石川県の特色を活かすことができますので、元々ある観光資源を磨き上げていくことが中長期的に大切になってくると思います。上海事務所としては、持続可能な観光地を目指し、オーバーツーリズムに配慮しつつ量より質を重視したプロモーションを行っていきたいと考えています。

■ Visit Japan Salonで観光PR
  6月17日、18日に上海で開催された「Visit Japan Salon」に県ブースを出展し、観光PRを行いました。メインの来場者を、日本好き&FIT層(Foreign Independent Tourの略。団体旅行を利用せずに個人で海外旅行に行くこと)に絞っているのが特徴的で、2015年から定期的に開催されています(日系企業主催、上海総領事館・JNTO等共催)。実際に、来場者の中には日本語を話せる方も多く、何らか日本と関わる仕事をされている方々ばかりでした。そして出展者側は、自治体や旅行代理店関係の他、現地へ進出する日系小売等も参加しており、菓子作りや着物の着付け体験なども催され、大いに盛り上がりました。石川県ブースにおいても、地酒や菓子の試飲・試食を提供した他、金箔と水引の工芸体験、そしてEC事業者とタイアップし、九谷焼産地とのライブ中継によるバーチャル見学会と展示販売を行いました。工芸体験は1回あたり10人の枠を設けていましたが、受付開始からものの数分で予約が埋まるなど、体験に対する関心の高さが窺えました。親子や友人同士、お一人の方など、2日間で延べ30人ほどの方に参加して頂き、体験を通してローカルの方々との交流を深めることができました。体験者からは、関連商品の販売場所や産地への行き方、情報収集の方法などたくさんのご質問を頂いたほか、大抵の方は当事務所の公式SNSをフォロー頂けます。このような方を一人でも多く増やすことが、ファン獲得に繋がり、旅行の際の目的地候補の一つになればと思います。

  上海で生活をしているとよく感じますが、国際都市であるがゆえに、他国の伝統や食文化に対する関心が高く、それだけで旅行する動機になるキラーコンテンツであると思います。幸いにして、石川県にはそれらを見たり体験したりできる施設・場所があり、歴史を学ぶこともできる地域ですので、その情報を発信するとともに、迎え入れるサービスの品質も向上させて旅満足度を高め、口コミで広がっていくというのが理想の形ではないかと思います。言うのは簡単ですが、実践していくのは容易ではありません。おもてなしのための人手が足りないというところも多いかと思いますので、場合によってはサービス内容の取捨選択をしなければならないかもしれません。プロモーションの面においては、当事務所では見本市等への出展を通してBtoCおよびBtoB向け情報発信に努めるとともに、物産の展示販売(伝統工芸品、食品等)と観光PRを組み合わせたフェアを事業者と連携して企画し、商品の輸出とインバウント誘客の相乗効果が生まれるような仕組みづくりに力を入れていきたいと思っています。

  冒頭で、日本への団体旅行がまだ解禁されていないと言いましたが、直近では個人旅行客比率が7割近くとなっており、今後も増加傾向が続くことが予想されます。そうすると、団体旅行もより個人旅行に近いような内容に変化していくのではないかと思われますが、いずれにしろ、一人一人の好奇心に刺さるような情報発信やコンテンツ作りを進めていきたいと思います。

(写真1:工芸体験の様子)

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(写真2:展示ブースでの試飲・試食)

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(写真3:九谷焼作家とのライブ配信)

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お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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