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更新日:2022年5月18日

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―上海駐在員便り  2022年5月―

上海の状況

 

はじめまして、石川県上海事務所現地ローカルスタッフの郭です。石川県上海事務所は、石川県から赴任する駐在員と、現地ローカルスタッフの2名体制で運営しておりますが、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大等の影響により次期駐在員の赴任が遅れているため、それまでの間は現地ローカルスタッフである私の方から、現地の生活環境や企業活動状況等についてお伝えしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 

■現地の生活状況

上海市内の3月下旬からの都市封鎖(ロックダウン)の様子は、日本でも連日のように報道されているようですので、皆さまもご存知かと思いますが、私が住んでいる浦東地域(市中心部を南北に流れる黄浦江の東側地域)では、3月28日からの本格的なロックダウン以前から局所的な封鎖が行われており、住民の中にはすでに1カ月以上も外出できていないという人もおり、多くの人が我慢を強いられる生活を送っています(この原稿を書いている4月18日現在)。中国のロックダウンは本当に厳しく、原則自宅の玄関から一歩も外に出られないため、バスや電車等は当然停止しており、病院への通院者など移動する必要がある人も足止めされるなど、一部で混乱が生じています。

上海では、小区と呼ばれるごく小さな居住エリア(町内会を班分けした一つの班のようなもの。大規模マンションの場合は1棟で1小区)ごとに分けて方針を出されることが多く、外出制限やPCR検査の頻度など、どのような措置が取られるかは居住エリアによって異なります。また、食料調達がうまくできるか等、生活への影響もマンション内の居住者同士のコミュニティによって異なるため一概には言えませんが、これまでに経験したことがないほど生活に不便を感じ、先行きに不安を抱いている住民が大多数ではないかと思います。

食料品の調達状況は、私含め多くの場合、マンションの住民らによるオンラインでの共同購入や市政府からの配給品等により入手しているケースが多いようです。ただし、従来はいつでもスマートフォンで簡単に注文でき、数十分待てば玄関に届く便利なオンライン購入でしたが、今では決められた時間(早朝であることが多い)に注文することになっており、争奪戦かつ配達員不足のため到着まで時間を要しており、正常とは程遠い状態です。ロックダウンがいつまで続くか分からない中、食料品やトイレットペーパーなど生活必需品が少なくなってくるとどうしても不安感が拭えず、なるべく調達できるときにしておこうという心理が働くことは否めません。

そうしたこともあり、マンション内では物々交換も行われるようになり、例えば、お酒・おつまみセットとインスタントラーメンを交換したりという、いわば「住民同士で助け合って何とか困難を乗り越えよう」という連帯感のようなものが芽生え始めている雰囲気を感じます。

こうした中、4月11日に上海市政府はエリアを3区分に分け、エリア別の予防策を行うと発表しました。直近14日以内の感染状況に基づき、1 自宅からの外出禁止、2 自宅のある小区外への移動禁止、3 小区外への移動はできるが、極力移動を少なくし、1 2 エリアへの移動禁止、の3区分に分けられ、今後の感染状況により順次3 のエリアを増やしていく方針です。エリアが公表された直後、市民はこぞって自分の居住区がどれに該当するか探しましたが、3 の多くは市郊外の居住区で人口比でも20%程度と少なく、私を含め多くの住民が1 か2 に該当していたため、落胆する声がSNS上で飛び交いました。とはいえ、3 の区においても、陽性者が出れば1 に分類され、少なくとも14日間の隔離生活に戻されてしまうため、リスクを冒してまで外を出歩く人は滅多にいません。また、商業ビルや小売店、飲食店等の商業施設も当面の間は休館・休業することとされていることから、一部エリアが解除されつつあるといっても、実態としてはロックダウンが継続している状況に変わりありません。そのため、ほとんどの企業の従業員がいまだ出勤できず、在宅勤務により対応しております。

 

■企業活動の状況

上海日本商工クラブが約50社に実施したアンケート結果によると、ほぼ全ての企業が在宅勤務で業務を行っていますが、在宅では限界があることや物流の停滞等により、納品遅れや生産活動の停滞など影響が出始めているようです。

物流面では、道路封鎖やドライバー不足等により機能が停止しているような状況ですが、通行証を取得して対応している企業もあります。ただし、通行証取得のハードルは高く、食料品等の生活必需品が優先されるようです。そのため、商品の発送や受取が出来ていないといった状況が散見されます。

県内企業においても状況は同様です。上記以外にも、銀行が休業しているため決済業務ができなかったり、在宅勤務をしているが、感染拡大以降のネット環境の脆弱性によりオンラインミーティングなどの業務ができない時間が発生している、といった悩みをお聞きしております。ただ、このような状況は他の企業も同じなので、互いに状況を説明して理解を求めたり、オンラインミーティングの時間帯を変更したりといったことで対応されております。

 

最後になりますが、現地の多くの企業や機関がそうであるように、県上海事務所においても現在は在宅勤務を余儀なくされており、県内企業等からの相談対応や情報収集・発信等はメールやSNSのグループチャットで対応させて頂いております。また、日本側とも逐次オンラインで情報共有しており、今後の販路開拓支援に向けた企画の検討なども進めております。

現地にいる関係者の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、日々変化する情報を捉えて必要な情報を県内企業の皆様にお届けするとともに、皆様からのご相談等にも対応して参りたいと考えております。

 

(写真1: ロックダウン中の上海市内でPCR検査を受けるため列をつくる住民)

ロックダウン中の上海市内でPCR検査を受けるため列をつくる住民

(写真2: 市政府からの配給品(中身は居住エリアによって異なる))

封鎖が解除された後も店舗の休業の様子

(写真3: 封鎖が解除された後も店舗の休業が続いている(市内中心部))

市政府からの配給品

お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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