• ホーム
  • くらし・教育・環境
  • 医療・福祉・子育て
  • 観光・文化・スポーツ
  • しごと・産業
  • 社会基盤・地域振興
  • 県政情報・統計

ここから本文です。

更新日:2022年11月11日

―上海駐在員便り  2022年9月―

中国のデジタル経済

  上海に着任してから一ヵ月半が過ぎようとしておりますが、私の上海の第一印象は、とにかく暑いことと(今年は約140年ぶりの猛暑といわれ、7月から8月にかけて40℃を超える猛暑日が連日続いている)、デジタル化が進んでいることが挙げられます。

   政府の統計データによると、中国のデジタル経済はここ数年で目覚ましく発展し、2012年から2021年にかけて、市場規模は11兆元(約222兆円。1元は約20.2円)から45兆元(約910兆円)に増加し、GDPに占めるデジタル経済の割合は21.6%から39.8%に拡大しています。情報インフラの建設も世界最大規模で、5G基地局は全国で170万カ所に達し、ユーザー数は4億2千万人を超えているとのこと。また、2021年のEC販売は10兆元(約202兆円)の大台を超え、モバイル決済は1,500億件を超えており、どの数字をみても急速にデジタル化が進んでいることが窺えます。

  実生活においても、デジタル技術の発達をひしひしと感じます。日本でもスマートフォンの普及率は8割を超え、生活必需品となっておりますが、中国では便利なアプリが次々と開発され、情報インフラの整備も進み利便性が非常に高いです。

   例えば、外卖(ワイマイ)と呼ばれるデリバリーサービスがありますが、注文をするとアプリ上で代金決済できるほか、地図アプリとも連動しており、配達員が今どこを走っているかが一目瞭然で分かるようになっています。街中では、至るところにバイクで走る配達員の姿を見かけますが、このような方々の貢献とデジタル技術により、生活者にとって何とも便利なデリバリーシステムになっています。

  中国版LINEとも言われるWeChatアプリも非常に便利で、生活面でも業務面でも欠かすことができません。メッセージ等の送受信だけでなく、財布機能があるので知人同士のお金の送金や、飲食店での注文や割引クーポンの取得、ライブコマースの利用などもWeChat上で行うことができます。知人友人はもちろんのこと、今では業務上のコミュニケーションもWeChatを通して行うことが一般的になっています。特に若い世代は名刺を持っていないことも多く、通常であれば名刺交換をする場面で、WeChatの連絡先を交換するということもあります。

  また、コロナ以降は行動履歴の追跡やPCR検査の受検記録を管理するため、政府が開発したアプリが使われております。商業施設や飲食店など至る所で「場所コード」と呼ばれるQRコードが掲示されていますが、それをスマートフォンでスキャンするとPCR陰性証明の画面に切り替わり入店が許可されるとともに、この場所に立ち寄ったという履歴がスマートフォンに記録されます。

  このように、中国ではデジタル技術のおかげで生活が便利になっている反面、行動履歴や支払い履歴などが管理されている、という側面もあります。あと、最も避けたいのは、外出時にスマートフォンの充電がなくなることや、紛失・故障です。そのため、私は日本にいるときは充電器は持ち歩きませんでしたが、上海に来てからは常に携帯するようにしています。また、外出時に紛失すると、最悪家に帰れなくなる恐れがあるので、常にスマートフォンの存在を確認するようになりました。

  先日、江蘇省蘇州市で開催された「ASEAN+3産業&サプライチェーンフォーラム」に参加してきました。ASEAN各国および中日韓の政府関係者および企業幹部ら数百名が集まった大規模イベントで、直近の経済情勢や今後の産業施策について各種発表、情報交換が行われました。その中で、中国政府や江蘇省幹部の挨拶では、皆口をそろえて、「新型コロナや地球環境等の課題に対応してASEAN地域が発展していくためには、デジタル経済の発展が鍵を握る。政府として先端技術開発を活性化し、民間投資を呼び込むための施策を強力に展開していく」と発言しているのが印象的でした。

  分科会の「デジタル経済とグリーン開発」では、より具体的に、デジタル経済の重要性と今後の方向性が話し合われました。江蘇省の発表では、近年のデジタル経済の市場規模は1兆元(約20兆円)、5G基地局は16万カ所に上り、9千社以上のハイテク関連企業が誕生しているとのこと。また、蘇州市は、2021年に科学技術分野に2,400万元(約4億9千万円)の投資を行い、結果3万3千カ所の5G基地局整備し、10社以上のバイオ関連企業が上場を果たしたと発表しました。

  これらの話を聞いていると、中国は今後も国をあげて技術開発や人材育成、企業誘致、法整備等を進めていき、さらにデジタル化が進展していくものと思われます。ビジネス環境や住民の生活環境も、今後10年間でさらに変革していくことは間違いなさそうです。そうした中、日本企業にとっては、中国企業との取引や中国市場への販路開拓を進めるにあたり、コミュニケーションや決済面等においてデジタル対応が必要不可欠になってくると思いますので、その準備も一つの課題になるかもしれません。先のフォーラムの分科会においても、政府系シンクタンクの研究員から、「デジタル技術により顧客ニーズの収集・データ化がしやすくなっている。それらデータに基づいた商品開発、市場開拓を行うことが今後の生き残りの鍵となる」との話がありました。

  生活者としては、今後中国のデジタル技術がどのように生活に変化をもたらすのか、楽しみなところです。県内企業にとっては、このデジタル化の波はビジネスチャンスでもありますので、また最新の情報・動向を注視していきたいと思います。

(写真1:デリバリーサービスの地図アプリ 現在地や到着予定時刻が表示されている)

image1

(写真2:忙しく街中を走る配達員)

image2

(写真3:施設内に入るときにスキャンしなければならない場所コード)

image3

(写真4:ASEAN+3産業&サプライチェーンフォーラム)

image4

お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

Email:syoukou@pref.ishikawa.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?