感染性胃腸炎について
感染性胃腸炎とは
細菌またはウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とする感染症です。
原因は、ウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルスなど)が多く、一年を通して発生していますが、特に冬季(12月から3月頃)にかけて流行します。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎
ノロウイルスとは
- ノロウイルスは、人の小腸粘膜で増殖し、胃腸炎を引き起こします。
- 主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱です。
- ヒトからヒトへ感染する場合と、食品から感染する場合(食中毒)があります。
ヒトからヒトへの感染を予防するポイント
ノロウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、ヒトからヒトへの感染には次のような感染様式が考えられています。
- 患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから、ヒトの手などを介して感染する場合
- 家庭や施設など、ヒト同士の接触する機会が多い場所で、接触感染や飛沫感染により感染する場合
- 感染予防のために手指に付着しているウイルスを減らす最も有効な対策は手洗いです。トイレを使用した後、調理の前、食事の前、トイレ後などには、必ず流水と石けんで十分手洗いをしましょう。
- 患者のふん便や吐ぶつを処理するときは、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛び散らないように、ペーパータオル等で静かにふき取ります。
- 吐ぶつ、ふん便が付着した床等は、塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)で浸すようにふき取ります。ふき取ったペーパータオル等はビニール袋に入れて密封して廃棄します。
おう吐物の処理方法(PDF:220KB)|消毒液の作り方(PDF:134KB)
- ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便が乾燥しないうちに速やかに処理することが重要です。
- 処理した後は、ウイルスが屋外に出ていくよう空気の流れに注意しながら、十分に換気を行うことが感染防止に重要です。
- 吐ぶつやふん便に直接触れたときは、石けんで十分に手を洗いましょう。
- 物の片付けが終わったら、よく手を洗い、うがいをしましょう。
食品からの感染(食中毒)を予防するポイント
- カキなどの二枚貝は、中心部まで十分に加熱してから食べましょう(湯通し程度の加熱ではウイルスは死滅しません。食品の中心温度85~90℃で90秒以上の加熱が必要です。)。
- 生鮮食品(野菜や果物など)は、調理前に流水で十分に洗いましょう。
- 手指や調理器具などの洗浄を徹底しましょう。
- (参考)「ノロウイルスによる感染症・食中毒の予防について」(石川県健康福祉部薬事衛生課食品安全対策室)
参考
<石川県健康福祉部>
<厚生労働省ホームページ>
<国立健康危機管理研究機構(JIHS)ホームページ>
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
ロタウイルスとは
- ロタウイルスは、乳幼児の急性重症胃腸炎の主な原因ウイルスとして知られています。
- 3月から5月にかけて乳幼児を中心に胃腸炎の流行が起こります。
- 水様性の下痢や嘔吐が繰り返し起こり、 ヒトからヒトへ感染します。
ヒトからヒトへの感染を予防するポイント
- 感染を広げないようにするには、オムツの適切な処理、手洗いの徹底などが必要です。
- 日本では、2種類のロタウイルスのワクチン(1価と5価)が承認されていて、任意で接種を受けることができます。対象者はいずれのワクチンも乳児であり、具体的な接種期間は、1価ロタウイルスワクチン(2回接種)の場合は生後6~24週の間、5価ロタウイルスワクチン(3回接種)の場合は生後6~32週の間です。ただし、どちらのワクチンも1回目の接種は14週6日までが推奨されます。詳細については、医療機関でご相談ください。
参考
<厚生労働省ホームページ>
<国立感染症研究所感染症情報センターホームページ>
感染性胃腸炎の発生状況