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更新日:2010年9月21日

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平床貝層・甲斐崎神社社叢アカガシ林

平床貝層

珠洲市正院町川尻苅安21番1

平床貝層
県指定天然記念物  平成3年12月25日指定 

珠洲市正院・長手崎・寺家・杉山一帯に分布する海抜20~50mの平床台地は、新生代第四紀更新世後期平床期の海成段丘である。この台地の基盤をなす上部第三系中新統(主に飯塚珪藻泥岩層)を覆って、第四系が広く発達している。この第四系は、下部の泥質部層、上部の砂質部層、そして最上部の小礫部層に細分され、下部層の「平床貝層」からは保存のよい貝類化石を多産することで全国的に著名で、これまでに約300種が記録されている。これらの中で多産種のシドロガイ、イタヤガイ、マツヤマワスレガイ等は、現能登付近の海域に普通に棲息している種であるが、ビョウブガイ等本州南部以南の、能登海域よりは、より温暖な海域に棲息する種も含まれている。
これらの貝化石を包含する堆積物の垂直的(時間的)変化は、この時期の海水面上昇(海進)につれて、溺れ谷、内湾性海域、そして公海へという環境変遷を示している。また、当時の貝類堆積の海域環境は、内湾の潮間帯から水深20~30mのやや公海性の環境へと変化し、気候は、総じて、現在よりも若干冷涼から温和へ、そして温暖へと変化していった、と推定されている。
本貝層の堆積の時代は、化石層に含まれている単体サンゴの放射年代値から12±0.8万年前、貝化石殻の電子スピン共鳴年代値からは約13万年前と測定されている。この時期は、世界的地質時代編年の更新世後期リスーヴルム間氷期にあたる。
以上のように、本「平床貝層」は日本海側における第四紀人類時代の地球の歴史、なかんづく環境変化の資料として稀有であるのみならず、日本における海水面変化、古海棲動物相・海域環境・古気候変遷の研究にとって極めて貴重な天然記念物であり、文化財的価値は高い

甲斐崎神社社叢アカガシ林

河北郡津幡町大熊ト6番地、ト5番地甲のうち 1,961平方メートル

甲斐崎神社社叢アカガシ林1 甲斐崎神社社叢アカガシ林2
県指定天然記念物  平成5年8月25日指定

甲斐崎神社社叢は、津幡町大熊の甲斐崎山(標高189m)山頂付近に位置している。アカガシ林は、標高およそ200mまでの尾根筋や斜面上部の土壌が浅い乾いた立地に成立する。
原生またはそれに近い状態で、県内に残されているアカガシ林は本社叢のほか、山伏山社叢(須須神社奥宮)のアカガシ林(珠洲市)・観音下のシイーカシ林(小松市)・天日陰比咩神社のアカガシ林(中能登町)・刈安笠野神社のアカガシ林(津幡町)が挙げられるが、中でも本社叢はその代表とも言うべきものであり、また、県下の巨樹群としても、学術上貴重である

 

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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