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古墳時代前期
かほく市宇気い22
指定面積 2,800平方メートル
県指定史跡 昭和51年9月21日指定
河北潟を望む洪積台地に営まれた古墳時代前期の古墳。全長19m、前方部長4m、同前端部幅5m、くびれ部幅4m、後方部15×13m、後方部の高さ2mの規模を測る。崖面を後方部西側の一辺に利用し、他の三辺は周溝によって区画されている。後方部の南側中央部では、幅約4mの土橋状の堀り残しを設け、周溝をこれに沿って南方へ屈曲させることによって前方部を地山から削り出している。前方部前端には、周溝等は見られない。前方部が後方部に対して、著しく低い墳形を呈している。
埋葬施設は、後方部中央に木棺直葬と推定される土壙(どこう)が一基検出され、鑿頭状鉄鏃(のみがしらじょうてつぞく)・釶(やりがんな)・ガラス小玉が各一点ずつ副葬されていた。後方部東側の周溝の底では、底部を穿孔した直口壺二固体を据え、周囲に装飾壺を細かく破砕して散布した墓前祭の跡と推定される遺構が検出されている。
昭和60年「石川県の文化財」より
室町時代
羽咋郡志賀町富来地頭町27-13-2
指定面積 1,322平方メートル
県指定史跡 昭和54年12月19日指定
この中世墳墓窟群は、荒木の海岸に流出する富来川の左岸で、海抜約70mの嶮峻な岩壁の中腹に、海に面して構築されている。
開口する7基のうち、1号~5号窟の5基が標高9m前後の位置に並列する。様式はいずれも方形窟で、入口の上方に妻入り屋根形を彫出し、雨水が左右に流れるように配慮した実用面と、墳墓堂としての荘厳性を具備する。窟内床面の周囲に排水溝を設け、入口下部に刻出した長押状の下方に排水口が穿たれている。納入遺物は1・2・3号窟に五輪塔、4号窟には宝篋印塔が造立されている。
1号窟から約60m離れた海岸寄りに6号窟、その中間の上方で標高約20mの位置に7号窟があり、6号窟に五輪塔陽刻板碑、7号窟に方錐型板碑が納入されている。
この様式の墳墓窟は通称「やぐら」と呼ばれ、主に武士の墓として中世の鎌倉地方に盛行した特殊な墓制であって、他の地方には極めて稀にしかみられないこの遺構が、かつての富来院地頭町に現存する意義はすこぶる重要である。
昭和60年「石川県の文化財」より
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