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更新日:2010年8月11日

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「石川県白山自然保護センター研究報告」(第36集)要約

論説

「新白山火山のオージャイト微斑晶に富む本質火山砕屑物の分布」

東野外志男
白山山頂周辺部の大汝峰山頂部、血ノ池西方斜面、お花松原、千才谷上流域でオージャイト微斑晶に富む本質火山砕屑物を記載した。そのうち、大汝峰と血ノ池西方斜面のものは、初めての産出記載である。オージャイト微斑晶に富む本質火山砕屑物のうちお花松原と血ノ池西方斜面の本質岩塊は、火砕流(熱雲)に伴って放出されたものと考えられているが、それ以外のものについて噴出様式は明らかではなく、今後の検討課題である。

「新白山火山のオージャイト微斑晶に富む本質火山砕屑物の分布」(PDF:348KB)  

「2007年に開設された砂防新道う回路に出現したオオバコ(Plantago asiatica L.)とフキ(Petasites japonicus (Sieb. Et Zucc.)Maxim.)の分布と個体サイズ」

野上達也・吉本敦子
2007年に開設された砂防新道のう回路で2009年に侵入が確認された低地性植物のオオバコ、フキ、スズメノカタビラの分布状況を調査し、オオバコとフキの個体サイズを計測した。これらのオオバコについて、室堂及び南竜水平道のものと個体サイズを比較すると、砂防新道のう回路の個体は個体サイズが大きく、開花できるサイズまで成長していた。また、分布状況から、これらの植物は登山道整備の際に持ち込まれたと思われた。よって登山道整備の際には工事時に低地性植物の侵入防止策を講じるとともに、工事終了後から侵入状況を監視し、侵入が確認されしだい早急に除去して分布拡大を防ぐことが必要である。

「2007年に開設された砂防新道う回路に出現したオオバコ(Plantago asiatica L.)とフキ(Petasites japonicus (Sieb. Et Zucc.)Maxim.)の分布と個体サイズ」(PDF:1,200KB)  

「砂防新道の各植生帯における開花フェノロジーの比較」

吉本敦子・野上達也
2009年6月16日~10月22日の間1、2週間ごとに砂防新道(別当出合~高天原)の開花状況を調査した。その開花パターン、開花種数を3植生帯(山地帯、亜高山帯、高山帯)ごとに比較したところ、山地帯、亜高山帯の開花ピークは2山分布またはそれに近い分布を示したが、高山帯では開花ピークは1回であった。また、開花種数は高山帯にいくほど減少し、開花期間は一部雪解けの早い山頂付近を除いて高山帯にいくほど短かった。開花パターン、開花期間は、消雪期間に影響を受けていると推測されることから、今後、植物の開花状況調査を継続的に続けることで,地球温暖化が生態系に与える影響を考察できると思われる。

「砂防新道の各植生帯における開花フェノロジーの比較」(PDF:1,015KB)

「石川県白山地域におけるニホンザル群れの長距離季節移動の3年」

上馬康生・山田孝樹・増田美咲
発信機装着個体の3年2か月あまりの継続調査により、標高230mから標高2,160mまでの標高差1,930mを直線距離で最大約23kmの季節移動を繰り返していること、春と秋の移動ルートおよび夏期生息域と冬期生息域の概要が明らかとなった。移動ルートは春と秋では異なっており、その季節の主要な食物の分布状況と一致していた。夏期生息域からの移動開始時期はブナの実の作柄と関係している可能性が高く、少なくとも凶作年は豊作年に比べると1か月以上早くなっていた。夏期生息域には高山帯植生があり、高山植物の採食の有無について今後も注意していく必要がある。

「石川県白山地域におけるニホンザル群れの長距離季節移動の3年」(PDF:901KB) 

「白山判官堂湿原の動物相」

上馬康生・富沢  章
2007年に初めて実施してから2度目の調査であり、新たに18種追加して33種が記録された。アオイトトンボ、カラカネトンボ、カオジロトンボなど寒冷地の池塘に生息する種が多いことが特徴である。また湿原は全体が周辺部より盛り上がっていてその中に池塘があること、水の供給源が雨水のみであること、泥炭層の深いことから高層湿原と判断されたが、石川県内では初めての確認となる。

「白山判官堂湿原の動物相」(PDF:640KB)

「白山大笠池の水生昆虫を中心とする動物相」

上馬康生
白山の高地には池塘が各地にあるが動物相等の調査はほとんど行われていない。白山北部の大笠池で水生昆虫等の調査を行ったところネキトンボ、タカネトンボなど15種を記録した。

「白山大笠池の水生昆虫を中心とする動物相」(PDF:652KB)

資料

「2009年現在の石川県加賀地方のブナ科3種の結実状況」

野上達也・中村こすも・小谷二郎・野﨑英吉・吉本敦子
ブナ、ミズナラ、コナラなど堅果類はツキノワグマの秋季における重要な餌資源で、これらの豊凶はクマの出没と関連する。クマ出没予測を行うため、これらの結実状況について石川県が石川県自然解説員研究会に委託し実施した2009年の調査結果をまとめた。各種約20か所の調査の結果、雄花序落下量調査ではブナが並作、ミズナラ、コナラは豊作と予想された。着果度調査ではコナラは並作、ブナ、ミズナラは豊作という結果であったが3種とも調査場所によりばらつきがあった。これらの調査結果から2009年は2004年及び2006年に発生したような平野部へのクマの大量出没の可能性は低いと予想され、実際、大量出没は生じなかった。

「2009年現在の石川県加賀地方のブナ科3種の結実状況」(PDF:1,013KB)

「昭和28年の白峰村における郵便図―山々を歩いた郵便配達員」

林  哲・佐川貴久
昭和28年に編纂された白峰村の郵便図では村内747戸のうち白峰村白峰と桑島の2地区の市街地のほか小字数は130地区(242戸)が記録され、郵便局員が歩いた軌跡と当時の小字名を確認した。下田原、赤谷、大嵐谷、大道谷、明谷、河内谷、三谷-市ノ瀬などの7地区の配達員が歩いた距離は約120kmあった。地区によっては不配地区もあったが、市ノ瀬地区では毎日約30kmも歩いた。現在、周年生活している地区はほとんど消滅してしまったが、この郵便図は昭和30年ごろの白峰村の山間地集落の様子が理解できる貴重な資料である。

「昭和28年の白峰村における郵便図―山々を歩いた郵便配達員」(PDF:1,185KB)

「白山自然保護調査研究会」平成20年度委託研究事業成果要約

白山自然保護センターが白山自然保護調査研究会に委託している委託研究事業の平成20年度分成果要約。

「白山自然保護調査研究会」平成20年度委託研究事業成果要約(PDF:618KB)

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「石川県白山自然保護センター研究報告」(第36集)(PDF:2,720KB)

 

お問い合わせ

所属課:生活環境部白山自然保護センター 

石川県白山市木滑ヌ4

電話番号:076-255-5321

ファクス番号:076-255-5323

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