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更新日:2011年1月20日

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「石川県白山自然保護センター研究報告」(第26集)要約

「石川県白山自然保護センター中宮展示館の1998年気温観測資料」

小川弘司
白山山系北部地域の蛇谷に位置する中宮展示館において、雪崩などの自然現象や動植物の生育・生息環境を解明する上で、基礎的資料となる気温について通年(1998年)の観測を行った。その結果、年平均気温は、12.4℃、最暖月は8月の23.1℃、最寒月は1月の-0.1℃などの結果が得られた。この結果は、気象庁の地域気象観測所の鳥越の気温観測値から判断すれば、通常の年に比べて高かったと推定される。

石川県白山自然保護センター中宮展示館の1998年気温観測資料(PDF:3,653KB)

「古白山火山の溶岩のK-Ar年代」

酒寄淳史・東野外志男・梅田浩司・柳瀬充史・林信太郎
白山火山の形成史を詳細に論ずる際の基礎試料とするため、古白山火山の溶岩のうち比較的初期に噴出したもの2個について、K-Ar年代を測定した。測定は、斑晶や石基のガラス中に含まれる過剰Arの影響を除くため、結晶度のよい石基試料を用いた。得られた溶岩の噴出年代年代値は両者とも10万年前で、既存の年代値と誤差の部分で重複するが、それらよりはわずかであるが若い値であり、古白山火山の本格的な山体形成が、従来考えられたきた年代(16~11万年前)よりも多少若くなる可能性がある。

古白山火山の溶岩のK-Ar年代(PDF:3,840KB)

「白山別山油坂の頭付近のハクサンチドリの開花結実調査および無菌播種による増殖の試み」

大谷基泰・島田多喜子・野上達也
油坂の頭付近のハクサンチドリの年次動態を1995年から1999年までの5年間にわたって観察した。その結果、個体数の明確な減少傾向はみられなかったが、結実率の低下傾向が見られた。また、ハクサンチドリを人為的に増殖する方法を検討した。その結果、低温処理が有効であること、ハイポネックス培地が最も発芽率が高いこと。また、受粉後30~40日の熟度の種子の発芽率が高いことが確認され、無菌播種によって幼植物を得ることが出来るようになった。

白山別山油坂の頭付近のハクサンチドリの開花結実調査および無菌播種による増殖の試み(PDF:3,594KB)

「白山観光新道におけるオサムシ亜族の垂直分布」

平松新一
白山の登山道、観光新道におけるオサムシ亜族の生息状況を、スシ酢を誘引剤としたピットフォールトラップ法で調査した。採集されたオサムシ亜族5種のうち、クロナガオサムシは、標高1,250m~2,300mの地域で採集され、山地帯および亜高山帯下部で最も出現率が高かった。また、ハクサンクロナガオサムシは標高1,950m~2,700mの地域で採集され、亜高山帯上部および高山帯で最も出現率が高かった。

白山観光新道におけるオサムシ亜族の垂直分布(PDF:2,641KB)

「石川県白山地域の低地で冬期に発見されたイワヒバリ」

上馬康生
イワヒバリは夏に白山の山頂部で繁殖している高山鳥である。この鳥が秋の終わりから冬にかけて、今まで白山の中腹の急峻な谷の中で発見されてきたが、今回1999年1月~2月に、山ろくの集落の近くの2か所で発見された。標高280m~300mの低地で、しかも集落の近くで見つかったのは初めてであり、今後も発見される可能性がある。

石川県白山地域の低地で冬期に発見されたイワヒバリ(PDF:2,429KB)

「白山山系北部地域のニホンザルの記録」

上馬康生
これまで、ほとんど生息状況が分からなかった犀川上流など、白山山系北部地域のニホンザルの過去30年間の情報を整理した。29例の記録が得られ、夏期の群れの生息場所として高三郎山や奈良岳、冬期の群れの生息場所として犀川ダム下流などが明らかとなった。しかし、情報量が限られているため、各群れの詳しい行動域などは不明で、個体数や群れの数などを明らかにするには今後の調査が必要である。

白山山系北部地域のニホンザルの記録(PDF:4,400KB)

「石川県のツキノワグマの定点調査と捕獲記録」

林  哲
平成7年~平成9年の3か年間の定点観察と平成3年~平成11年の捕獲調査から石川県内のツキノワグマの分布図を作成した。調査結果から石川県では犀川(金沢市)、直海谷川(河内村)、瀬波川、尾添川(以上吉野谷村)、目附谷川、丸石谷川(以上尾口村)、大嵐谷川、大道谷川、三ツ谷川、大杉谷川(以上白峰村)、大日川(鳥越村、小松市)流域がツキノワグマの中心的な分布地になっていると示唆された。

石川県のツキノワグマの定点調査と捕獲記録(PDF:11,668KB)

「白山登山者数の変遷及び登山者の質的変化」

四手井英一・中村真一郎
昭和42年から平成11年までの白山登山者数の経年変化、及び過去5年間の日帰り登山率を調査した。その結果、昭和42年から59年にかけて全体として登山者数は増加傾向を示し、その後は斬減傾向となっていること、その一方で、日帰り登山者数は増加傾向を示していることが分かった。その原因として、登山装備の軽量化や、登山施設の整備、登山者の質的変化が考えられる。

白山登山者数の変遷及び登山者の質的変化(PDF:2,596KB)

 

お問い合わせ

所属課:生活環境部白山自然保護センター 

石川県白山市木滑ヌ4

電話番号:076-255-5321

ファクス番号:076-255-5323

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