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更新日:2011年1月20日

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「石川県白山自然保護センター研究報告」(第27集)要約

「白山室堂平における7・8月(1971-2000年)の日別・月別気温平年値の算出」

東野外志男
財団法人日本気象協会が行ってきた気象観測をもとに、白山室堂平における7・8月の気温(9時・15時・最低・最高)の日別と月別の平年値(1971-2000年の累年平均値)を算出した。日別気温の平滑平均値は、いずれの気温も7月末~8月上旬頃に最大となり、その値は9時気温が14.6℃、15時気温が15.5℃、最低気温が9.7℃、最高気温が17.4℃であった。月別平年値については、最低気温は7月が8.5℃、8月が9.3℃、最高気温は7月が15.9℃、8月が16.8℃であった。また、期間中の日別最低気温と日別最高気温の極値は、それぞれ0.8℃(1983年7月10日)と25.0℃(1994年8月15日)であった。

白山室堂平における7・8月(1971-2000年)の日別・月別気温平年値の算出(PDF:4,371KB)

「ハクサンオオバコ(Plantago hakusanensis Koidzumi)の種子発芽におよぼす温度および保存期間の影響」

野上達也
ハクサンオオバコの生息域外における保全方法を確立するための基礎的な研究として、ハクサンオオバコの種子を白山で採集し、種子発芽におよぼす温度および保存期間の影響について調査した。採集後1週間から2週間後の種子は、27℃で最も発芽率が高く、18℃以下では、ほとんど発芽しなかった。また、4℃で保存した採集後12か月後の種子の発芽率は60.7%で、採集後1週間後の発芽率63.9%と、ほぼ変わらない発芽率を保っていた(24℃で培養)。

白山オオバコ(plantago hakusanensis Koidzumi)の種子発芽におよぼす温度および保存期間の影響(PDF:3,835KB)

「白山における地表性ゴミムシ類の種類相と出現時期」

平松新一
白山における地表性ゴミムシ類の種類相と出現時期についての調査報告。ピットフォールトラップ法及び石めくりにより20属44種のゴミムシ類が採集された。オサムシ亜科では、マヤサンオサムシの採集数が夏季と秋季に多く、クロナガオサムシは1,500m以上で夏季に多く採集され、低標高地での傾向と異なっていた。ニシアルマンオサムシは、雪の残る時期から採集され、他のオサムシ亜科よりも活動時期が早かった。ナガゴミムシ亜科ナガゴミムシ属では5月から7月に出現する種類と6月から9月に出現する種類の2タイプが認められ、ツヤヒラタゴミムシ属内の種は7月から9月を中心に採集された。

白山における地表性ゴミムシ類の種類相と出現時期(PDF:7,069KB)

「白山スーパー林道周辺における繁殖期の鳥類相の変化及び主な種の生息環境」

上馬康生
白山スーパー林道が開通した直後の1977~1981年、1987年、1998年の計3回の林道沿いの鳥類調査の結果についての報告。その結果、同じ標高の白山の他の地域の調査と比較すると、森林性の鳥(コガラ、ゴジュウカラ、コルリなど)の減少と低木林・草原性の鳥(ホオジロなど)の増加が明らかであり、それにもまして人工建造物に営巣するイワツバメなどの種の増加が顕著であることが明らかとなった。また、本来の植生から考えられる森林性の鳥の増加は、この20年間ではほとんどみられなかった。

白山スーパー林道周辺における繁殖期の鳥類相の変化及び主な種の生息環境(PDF:5,262KB)

「石川県におけるヒミズ類の分布」

林  哲・子安和弘
石川県内のヒミズ(Urotrichus talpoides)とヒメヒミズ(Dymecodon pilirostris)の2種の分布について整理した。その結果、ヒメヒミズは犀川上流域、手取川上中流域、尾添川-蛇谷川流域、白山亜高山帯など白山地域に分布していたのに対し、ヒミズは穴水町、志賀町、中島町のほか能登島を含む中能登地域と白山地域を中心とする加賀地域にわたって広く分布していた。また、ヒメヒミズとヒミズと混生した地域も認められ、白峰村市ノ瀬地区や南竜ヶ馬場ではほとんど同じ場所(数m以内)において2種の生息が確認された。

石川県におけるヒミズ類の分布(PDF:7,386KB)

「白山麓焼畑出作り民の山地語彙 その1―地形中心に―」

橘  礼吉
出作りは、現今廃絶してしまい、焼畑や山菜、キノコの採取、狩猟と山全体に密接にかかわってきた生活も途絶えたため、この時に使っていた山に関する日常的言葉(語彙)も急激に姿を消しつつある。焼畑出作りをしていた人、積雪期に狩猟をしていた人を訪ね、失われようとしている山地語彙を特に地形中心に可能な限り把握・記録した。その結果、273の山地語彙が採取され、焼畑に適する私有山地と私有山地の境界の決め方が特色的であった。

白山麓焼畑出作り民の山地語彙 その1-地形中心に-(PDF:11,113KB)

「石川県白山自然保護センター中宮展示館の1999年気温観測資料」

小川弘司
1999年の白山山系北部地域に位置する中宮展示館の通年の気温観測の観測結果についての報告。その結果、1999年の年平均気温は、11.5℃であり、最暖月は8月の24.6℃、最寒月は1月の-0.6℃であった。同地点から北西に約17.5km離れた地点にある鳥越の気象庁の地域気象観測所の年平均気温も同地点の準平年値に比べ0.8℃高く、展示館での測定値も1998年同様、通常の年に比べて気温が高かったと推定された。

 石川県白山自然保護センター中宮展示館の1999年気温観測資料(PDF:3,069KB)

お問い合わせ

所属課:生活環境部白山自然保護センター 

石川県白山市木滑ヌ4

電話番号:076-255-5321

ファクス番号:076-255-5323

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