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更新日:2013年4月18日

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「石川県白山自然保護センター研究報告」(第39集)要約

論説

「白山室堂における外来植物除去作業で採集したアカミタンポポ(Taraxacum laevigatum)の染色体」

三浦憲人・野上達也・吉本敦子

2009年に白山室堂で行われた移入植物除去作業において除去されたアカミタンポポ3個体、及びその個体より得られた種子から発芽させ栽培した123個体について、染色体の観察を行った。その結果、すべての個体が染色体数2n=24であり、国内における過去の報告と一致した。また核型も過去の報告と一致しており、二次狭窄を持つ染色体が3本存在している異質三倍体であると考えられた。また、減数分裂が正常に行われていないことから無融合生殖よって種子を生産していると考えられ、そのため同一形質を持つ多量の種子を散布していると考えられる。

「白山室堂における外来植物除去作業で採集したアカミタンポポ(Taraxacum laevigatum)の染色体」(PDF:703KB)  

「石川県に生育する県指定希少野生植物種オキナグサ  Pulsatilla  cernua  (Ranunculaceae)の現状」

吉本敦子・野上達也

石川県に生育するオキナグサについて2010年から3年間、自生地集団の開花結実調査および栽培個体による交配実験を行い、種子繁殖に関する基礎的データを記録した。個体数に大きな変動はなかったが、花数は減少していた。この原因の一つとしてたびたびおこる盗掘が考えられる。2011年河川増水による地上部流出があったが、地下部が残り個体数は維持されていた。同様の自然発生的撹乱が数年に一度起こることで、他の植物との生存競争を回避し、集団を維持しながら、現在に至ったと考えられる。絶滅を回避するためには、人間の手による盗掘をなくすことが急務であり、草刈り等の植生管理によって果実繁殖ができるような場所を確保することが必要である。

「石川県に生育する県指定希少野生植物種オキナグサ  Pulsatilla  cernua  (Ranunculaceae)の現状」(PDF:836KB)  

「石川県のブナ科樹木3種の結実予測とクマの出没状況、2012」

野上達也・中村こすも・小谷二郎・野﨑英吉・吉本敦子

ブナ、ミズナラ、コナラなど堅果類はツキノワグマの秋季の重要な餌資源で、これらの豊凶はクマの出没と関連すると考えられる。クマ出没予測のため、これらの結実予測について石川県が石川県自然解説員研究会に委託して実施した2012年の調査結果をまとめた。各種約20か所の調査の結果、雄花序落下量調査では、コナラは並作、ミズナラは豊作、ブナは大凶作と予測された。また、着果度調査ではコナラ、ミズナラは豊作、ブナは凶作という結果であった。大量出没の可能性も否定できないことから出没注意情報の発令を行ったが、9月以降、クマの出没件数は増加しなかった。2012年はブナの結実は悪かったもののミズナラの結実が良く、クマにとっての餌は山に十分にあったためと考えられる。

「石川県のブナ科樹木3種の結実予測とクマの出没状況、2012」(PDF:1,129KB)  

「白山公園線(石川県)におけるセイタカアワダチソウ(Solidago altissima)の分布と除去」

野上達也・吉本敦子

白山公園線(風嵐~市ノ瀬までの約10.6km)及び白山公園線に沿って道路から枝分かれする工事用道路、市ノ瀬園地においてセイタカアワダチソウの分布調査を行った。その結果、道路沿い39地点、工事用道路28地点、市ノ瀬園地2地点の計69地点でセイタカアワダチソウが確認された。分布地点確認後に除去作業を実施した結果、全部で201.3kgのセイタカアワダチソウを除去した。開花茎数は2,270本、非開花茎は2,216本で全部で4,486本であった。また、茎の高さを比較したところ、道路沿いで草刈りが行われているところの茎の高さは、道路沿いの草刈りが行われていないところや草刈りが行われない工事用道路のものと変わらない結果であった。道路脇の個体は6月に切除されたものの、その後、新たに地上茎を伸ばし、成長したと考えられた。

「白山公園線(石川県)におけるセイタカアワダチソウ(Solidago altissima)の分布と除去」(PDF:1,372KB)  

「石川県におけるニホンザル捕獲個体の体サイズと年齢の関係」

江崎功二郎・有本  勲・野崎  亮次

2000~2008年にかけて主に白山麓から個体数調整捕獲によって収集されたニホンザル231個体について、個体の体重や頭胴長と,歯の年輪によって査定された年齢との関係について解析を行った。その結果、体重と査定年齢の分布及び頭胴長と査定年齢の分布はオスメスともに正の相関関係を示した。また、小さいサイズの個体では一定の確度で年齢推定が可能であることが示された。

「石川県におけるニホンザル捕獲個体の体サイズと年齢の関係」(PDF:670KB) 

「白山自然保護調査研究会」平成23年度委託研究事業成果要約

白山自然保護センターが白山自然保護調査研究会に委託している委託研究事業の平成23年度分成果要約。

「白山自然保護調査研究会」平成23年度委託研究事業成果要約(PDF:530KB)

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「石川県白山自然保護センター研究報告」(第39集)(PDF:2,742KB)

 

お問い合わせ

所属課:生活環境部白山自然保護センター 

石川県白山市木滑ヌ4

電話番号:076-255-5321

ファクス番号:076-255-5323

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