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更新日:2022年6月6日

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―上海駐在員便り  2022年6月―

上海の状況

 前月号に引き続いて、現地ローカルスタッフである郭から現在の封鎖(ロックダウン)の状況についてお伝えします。

 

◆生活状況(5月15日現在) 

 新型コロナウィルスの一日あたりの新規感染者数は、4月中旬の約2万7千人をピークに減少し、現在は千人を下回っています。

 日本でも繰り返し報道されているとおり、中国における感染対策では、集合住宅が複数まとめられた居住ブロックである「小区」単位(日本の「団地」に近い)で行政措置が取られます。上海市政府は4月中旬から、直近14日間の感染状況に基づき、1 自宅から外出が禁止されている「封控区」、2 小区内での外出が認められている「管控区」、3 小区外への移動はできるものの、1 2 のエリアへの移動が禁止されている「防範区」、の3区分にエリアを分けて管理しております。3 のエリアが徐々に広がっており、現在は8割以上の住民が該当しております。

 しかし、一人でも感染者が出ると、小区の区分が変更され、陽性者が居住している建物の居住者全員が自宅から外出禁止となってしまうことから、区分上は3 に該当していても、実際には地元当局が外出を認めないケースも多く、依然として住民の大半が不自由な生活を強いられております。

 このような中、少しずつ改善してきていることもあります。一例をあげれば、食材は主にオンライン店舗から購入していますが、購入できる店舗や品物が増えてきました。封鎖開始の当初は手に入りづらかった菓子類やコーヒー等が購入できるようになり、子供がいる家庭など多くの方にとって食料事情は改善してきました。また、以前はグループで数量をまとめなければ購入できませんでしたが、個人で購入できるオンライン店舗も出てきたので、買い物の自由度が高まってきています。   

◆労働節休暇  

 封鎖中の上海では大型連休を楽しむことはできませんでしたが、中国では、4月30日~5月4日まで労働節休暇がありました。封鎖されている上海や北京以外の地域では徐々に観光マインドが回復し、SNS等でも旅行に関する話題で盛り上がっていました。直近の日本政府観光局(JNTO)上海事務所の情報によると、最近の中国旅行市場のキーワードは、「短期」「近隣」「農村」「キャンプ」等で、感染防止を意識した観光がトレンドになっているようです。このような傾向は日本と同じかもしれません。

 小区からなかなか出られない私にとっては、近距離旅行ができるのも羨ましい限りで、早く自由に外を歩き回れる日を待ち望んでいます。

◆企業活動状況  

 5月15日現在、市内の大半の企業は在宅勤務を継続している状況です。上海日本商工クラブが5月5日に公表した第2回アンケート調査結果によると、9割以上の工場の生産が停滞しており、中には操業許可申請を出している企業もあるようですが、許可を得ている企業はごく一部に限られている模様です。

 封鎖は、県内企業の中国への輸出入にも影響を与えております。原因の多くは、上海港と上海市内や近郊を結ぶ物流が手配できなかったり、市内の倉庫が封鎖されていて入出庫ができなかったり、といった市内物流がボトルネックとなっているようです。そのため、上海に近い寧波などの港に物流ルートを切り替えるケースも見られます。

 一方、改善の兆しとして、市内の物流正常化に向けた動きもあります。市内の郵便事業を管轄する上海市郵政管理局は5月8日、市内の郵便・宅配企業の業務再開を認める「ホワイトリスト」の第1弾を発表し、DHLやFedEx、UPS等を含む国内外の21社を公表しました。ドライバーの確保など課題はあるようですが、各社の郵便・宅配事業の再開が進み、物流機能が回復することを多くの企業が期待しています。 

◆封鎖解除の方針

 上海市当局は5月16日、「6月1日から6月中下旬に市民生活と企業活動を正常化する」との方針を発表しました。発表によりますと、外出禁止を段階的に解除し、5月16日から郊外の一部地区で自家用車の通行を認め、22日から地下鉄やバスなど公共交通機関の運行を順次再開する予定となっています。実際に、16日にはスーパーや商業施設などの実店舗での営業が一部再開され、現地駐在員等の間でのグループチャットでは、買い物に出かけたときの様子の写真や動画の投稿が飛び交いました。ただし、店舗に入るには48時間以内のPCR検査の陰性証明が必要であり、外出も週に2回程度と決められている小区が多く、厳しい感染対策はもうしばらく続きそうです。

 解除の時期が6月1日から6月中下旬までと幅広く、また、どの程度の解除になるのか、まだ詳細は分からないので、喜ぶのは早いかもしれませんが、解除方針が出たのは前進と言えそうです。1日でも早く解除が進み、市民の生活環境や企業活動が正常に戻ることを期待しています。 

 引き続き県上海事務所では、企業活動や生活に関する情報提供を行うとともに、皆様からのご相談等にも対応して参りますので、ぜひお気軽にご連絡を頂ければ幸いです。

 

(写真1:車や人通りがほとんどない大通りの様子(交差点付近の地下鉄出入口もフェンスで封鎖されている))

車や人通りがほとんどない大通りの様子

(写真2:個人で購入できるようになってきた、コーヒーやお菓子等の「嗜好品」)

コーヒーやお菓子等の「嗜好品」

(写真3:5月16日に営業再開した食品スーパー(人数制限があるため買い物客はまばら))

5月16日に営業再開した食品スーパー

お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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