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更新日:2022年6月1日

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その他の事業(29年度)

事業概要

  • 平成29年度は、金沢城公園整備事業(県公園緑地課所管)に係る鼠多門・鼠多門橋と玉泉院丸庭園の計2件の発掘調査及び出土品整理、報告書作成を行ったほか、石垣現況測量を実施した。
  • 鼠多門・鼠多門橋の確認調査は、金沢城公園第三期整備事業に伴うもので、次頁以降に概要を示した発掘調査のほか、平成28年度発掘調査の出土品整理等を実施した。また、玉泉院丸庭園の整備に伴い、平成22~24年度に実施した埋蔵文化財確認調査に係る報告書を刊行した。
  • 石垣現況測量については、数寄屋屋敷西堀縁、いもり坂脇、三ノ丸北石垣の三次元計測等を実施した。

報告書の刊行

  • 金沢城跡玉泉院丸の整備計画策定及び玉泉院丸庭園整備の基礎資料とするため実施した、平成22~24年度の発掘調査及び平成25 年度の立会調査についての埋蔵文化財確認調査報告書を刊行した。*『金沢城跡―玉泉院丸庭園2―』(A4判 488頁、部数600、平成30年3月30日刊行)

鼠多門埋蔵文化財確認調査

調査の目的

金沢城公園第三期整備計画に係る鼠多門・鼠多門橋復元整備の基礎資料を得るため、遺構の遺存状況及び規模・構造等を確認することを目的として実施した。

調査の概要

  • 調査期間:平成29年4月26日~12月15日      調査面積:800平方メートル
  • 調査は、鼠多門の背後から紅葉橋に向かう坂道や、番所に上がる石段など、鼠多門への進入路等に関する遺構の確認調査を行った。
  • 調査にあたっては、金沢城調査研究埋蔵文化財専門委員会委員及び伝統技術(石垣)専門委員会委員の現地指導を受けた。

坂道の調査

  • 検出した坂道は近代に改修されたもので、幅約5m、延長約21m、平均勾配15.8%を測る。また、江戸期に据え置かれていたとみられる延石の抜取痕跡を9条確認した。坂道両側の法面は、下部は戸室石や川原石を併用した土留石積(2~4段)になっており、法面上部は土羽で、表面に粘性土が貼り付けられていた。
  • 坂道の両側で検出した石組側溝は、北側は戸室石を「U」字状に刳り抜いて成形したもので、内幅26cm、深さ15cm を測る。南側は戸室石と凝灰岩とが併用され、ともに北側と同様の刳り抜き成形である。凝灰岩製のものは幅が内幅23cm と狭く、改修後に設けられたものである。北側溝は、門背面の横断溝(凝灰岩製)を経て、側壁石垣(南)際の凝灰岩製板石を組み合わせた石組枡(浸透枡)に接続する。南側溝も石組枡につながり、余水は門内の凝灰岩製暗渠を経由して門外へ排出される構造となっている。

橋台部等の調査

  • 橋台部の調査では、門正面の鏡柱・脇柱列と平行に直線状の溝を検出した。これは鼠多門と鼠多門橋間にあった階段の延石抜取痕跡とみられる。また、橋台石垣の中央部で戸室石製の加工石材を検出し、鼠多門橋の床を支えた部材を載せる枕石と推定した。
  • 鼠多門橋に関する調査では、鼠多門橋が金谷出丸(現尾山神社境内)に取り付く部分の調査を実施し、金谷出丸側から第一列目の橋脚の根石及び礎石の抜き取り痕跡等を確認した。
  • 坂道から番所へ上がる石段の調査では、計9段の石段痕跡を確認した。(間口で)幅約3m、高さ約2.6mを測る。石段の抜取痕跡の寸法・形状から、踏面幅約50cm、蹴上げ高さ約30cm、不揃いな石材を配置した石段とみられる。また、石段の側壁は、川原石と戸室石を併用した1~2段(高さ40~60cm)の石積で、天端は粘性土で被覆されていた。

 

 

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お問い合わせ

所属課:教育委員会金沢城調査研究所 

石川県金沢市尾山町10-5

電話番号:076-223-9696

ファクス番号:076-223-9697

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