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更新日:2022年7月1日

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その他の事業(26年度)

鼠多門・鼠多門橋基礎調査

調査の目的

玉泉院丸の出入り口である「鼠多門・鼠多門橋」については、金沢城第三期整備計画の中に復元検討を盛り込むこととされており、その基礎的な情報を得るために、現況測量、ボーリング、試掘などの調査を実施した。

調査の概要

調査期間:平成26 年9 月1 日~ 10 月31 日           調査面積:20平方メートル
現況測量は、基準点測量及び三次元レーザー計測を実施し、石垣立面及び現況平面のデータを取得した。ボーリング調査は4か所実施し、いもり堀縁(BP95・96)や石垣下(BP94)及び 石垣上(BP93)平坦面の土層堆積状況についての所見を得た。試掘調査は、4か所にトレンチを設定し、いもり堀縁に設定したトレンチを北からA、B、鼠多門から鼠多門橋へ至る平坦面に設定したトレンチを北からC―N、C―Sとした。
調査にあたっては、吉岡康暢・飛田範夫・森島康雄・藤田若菜の各氏及び金沢城調査研究伝統技術(石垣)専門委員会委員の現地指導を受けた(10月16日・17日)

 [Aトレンチ]
石垣下の平坦面から続く石積みを確認した。現況で確認できる石積みと変わらず、川原石を用いている。下部は建物のコンクリート基礎によって不明だが、石積みは段状に積まれており、上から5段確認できた。
[Bトレンチ]
Aトレンチと同様に石積みを確認できたほか、さらにその下から石垣を検出した。石積みには、川原石のほかに戸室石も混在し、Aトレンチとは様相が異なる。検出した石垣については、江戸後期の絵図では確認できないが、延宝~元禄頃の絵図に石垣を描いているものがあり、今後、検討を要する。
また、石垣は幾度かの改修を受けているとみられ、根石は戸室石の自然石を使用しているが、その上は切石積みとなっている。特に最も上の一段は、近代以降に改修された可能性がある。
石垣は、モルタルとレンガの混じりあった層で埋まっており、戦後まもなく玉泉院丸にあった旧陸軍の建物が撤去された際に廃棄されたものと考えられる。
[C―Nトレンチ]
ホゾ穴がある青戸室石の敷石を検出した。また、石垣にもホゾ穴が穿たれており、関係するものとみられる。
[C―Sトレンチ]
石組みの溝を検出した。鼠多門に直行する方向に検出した溝は、赤戸室石を用いたもので、明治17 年(1884)の鼠多門焼失後、これを塞いだ石垣の下へと伸びている。また、その溝に接続する青戸室石を用いた溝がある。石垣に並行して調査区外の南へ伸びている。
いもり堀縁で検出した石垣、鼠多門前の平坦面で検出した石組溝及び敷石の性格については、今後の調査課題である。

調査位置図

 

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お問い合わせ

所属課:教育委員会金沢城調査研究所 

石川県金沢市尾山町10-5

電話番号:076-223-9696

ファクス番号:076-223-9697

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