緊急情報

閉じる

現在、情報はありません。

ホーム > ―上海駐在員便り  2021年10月―

印刷

更新日:2022年3月14日

ここから本文です。

―上海駐在員便り  2021年10月―

訪日意欲の高まりと日系商業施設の新規開業

 

訪日意欲の高まり

  コロナ禍の入国規制等により、海外の往来が困難な状況となって久しいですが、ここ中国では、訪日意欲が依然として高い状態が続いております。アウンコンサルティング(国内外でマーケティング事業等を行う会社)が今年度行った調査によると、中国・台湾・香港・韓国・タイ・アメリカでコロナ収束後の訪日意欲等を調査した結果、中国が最も高い値となりました。(「行きたい」の回答率:中国77.4%、台湾71.8%、香港61.6%、韓国50.3%)。また、「いつ頃行きたいか」との質問に対しては、2021年10月~12月が最も多く、(実現可能性はさておき)比較的早い時期の訪日を望む声が中国では多い傾向があります。今後、コロナ後に訪日が可能な状況となった際、石川県が選ばれるよう認知度を高めておく必要があります。

  このような状況の中、県事務所ではJR西日本上海事務所等と連携し、7月に上海環球金融中心での「SUMMER FESTIVAL」(日本各地の文化等をPRするイベント)に出展しました。上海環球金融中心は、101階建ての超高層複合ビルで、金融機関等のオフィスが多数入居していることから、約12,000人のハイエンド層に直接的にアプローチすることができます。当日は10以上の自治体が参加し、昼休みの時間帯には多くのオフィスワーカーが来場して大変賑わいました。また、出展した西日本ブースでは、アンケート調査も実施し、1,000人以上の方から回答をいただきましたが、ほぼ全員が「日本に行きたい」、時期としては約3割が「訪日旅行再開されたらすぐに」という回答であり、「石川県に行ったことがある」や「今後行きたい」がそれぞれ1割以上存在しました。1割といっても、中国は人の母数が大きいので、数で考えると決して少なくありません。来場者と個別でやり取りしていると、21世紀美術館などが特に人気でした。一方で、訪日時期として「感染者数がゼロになったら」などの回答も約4割に上り、重視することとして「安心・安全」、行きたいところとして「自然」が1位に挙げられるなど、コロナ後の観光地に求められることの変化を改めて感じました。

 

■日系商業施設の進出

  今年に入り、日系の商業施設が中国各地で新規オープンしております。例えば、上海では三井ショッピングパーク「ららぽーと」、浙江省寧波では「阪急百貨店」が中国に初進出しております。

   ららぽーと上海は、5万5000平方メートルの売り場面積があり、ユニクロやニトリなど日本の大手小売りブランドや、飲食店街には大戸屋やCoCo壱番屋など日本食レストランが多数入居しています。そして、なんといっても目を引くのが敷地内にある高さ約18メートルの実物大ガンダムの立像であり、開業当初は上海で非常に話題になっておりました。また、店内にもガンダム関連商品が多数販売されているとともに、バンダイナムコのアミューズメント施設が展開されるなど、子供も楽しめる場所として休日は多くの人出で賑わっております。

  寧波の阪急百貨店はまた趣が異なります。寧波市は浙江省沿岸部の港湾都市であり、人口約850万人の比較的富裕層が多い地域です。この地で、若くして事業を立ち上げ成功した40歳以下の「新富裕層」などをターゲットとして、売り場面積11万7000平方メートルの巨大店舗(大阪の阪急本店より大きい)が開業しました。テナントは約380店が入居し、「ルイ・ヴィトン」などの高級ブランドが約50店、日系の食品、衣料品、雑貨等が約70店集積し、全体としてラグジュアリー感が強い施設となっております。また、開放感のある吹き抜けのイベントスペースもあり、開業当初は中国でも人気がある日本の漫画「ONE PIECE」のイベントが開催されていたのも特徴的でした。阪急の担当者によると、高級ブランドを中心に予想以上の売上があり好調なすべり出しとなった様子が伺えました。

   一方で、中国特有のリスクも認識しておく必要があります。大連では、京都の町並みを再現した複合商業施設『盛唐・小京都』が開業したところですが、1週間で一時営業停止となりました。敷地面積は東京ドーム13個分、総工費約1千億円と大きなプロジェクトであり、開業当初、日本の情緒を感じられる当施設に中国人観光客が押し寄せ、大変な賑わいとなっておりました。しかし、SNS上での対日批判をきっかけに、一部反日感情の高まりから一時休業を余儀なくされました。無事に再開できる状況になることを祈るばかりです。

  依然としてこのようなリスクは存在しますが、世界的な渡航制限が続く中、中国では日本の魅力を体験できるスポットは非常に人気が高く、消費も旺盛です。よって、新たに開業した人気小売店等の動向を引き続き注視しつつ、これらの施設と連携した県産品販売や認知度向上施策の可能性について検討していく所存です。

 

(写真1:上海環球金融中心での「SUMMER FESTIVAL」)

 211001

(写真2:上海ららぽーと)

 211002

(写真3:寧波阪急百貨店)

  211003

(写真4:大連小京都)

211004

お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報はお役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

同じ分類から探す