―シンガポール駐在員便り 2016年3月―

石川の水産物や観光のＰＲ

シンガポールでの石川の水産物ＰＲ

　 1月16日、シンガポールにある全国漁業協同組合連合会のアンテナショップ「Wadatsumi」において北陸フェアが行われました。今回は北陸フェアということで石川県と福井県の水産物を紹介するという取り組みですが、石川県からお越しになった石川県漁業協同組合の青山部長が代表して、ズワイガニや甘海老、イカなど北陸の主な水産物を紹介されました。会場には、日本食が大好きなシンガポール人や、日本へ度々旅行している旅行好きなシンガポール人たちなど総勢５０名がお越しになり、石川県産の加能ガニやイカなども振る舞われ、会場は大いに賑わいました。全国漁業協同組合連合会によれば、これまで九州や東北をテーマにしたフェアを行ってきたが、今回のフェアの来場者数が過去最多とのことであり、北陸の新鮮な水産物の人気の高さがうかがえました。来場されたシンガポールの皆様から今回のフェアの感想をお聞きすると、特にシンガポールでは、冬の時期の旬な日本のカニに対する人気は非常に高く、2月のチャイニーズニューイヤ―の休日を利用して日本でカニを食べるために旅行するシンガポール人も多いとのことであり、シンガポールでは日本食レストランが1,000軒を超え日本食ブームが続く中、今回のフェアをきっかけに、石川県産の水産物の認知度向上を図り、販路の開拓や観光誘客につながることを期待したい。

 

　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　北陸フェアで県産の水産物等の説明を聞く来場者の方々　　　　　　　　　　北陸フェアで県産の水産物を嗜む来場者の方々

 

インドネシアでの石川の観光ＰＲ

　2月12日から14日にかけて、インドネシアジャカルタのイオンモールで石川県の観光ＰＲを行いました。週末ということもあり、イオンモールはたくさんのお客で賑わっており、多くの方が石川県の観光ＰＲブースにお越しになりました。 

　経済成長著しい東南アジアでは、所得水準の向上もあり、日本への旅行する人たちが増えてきています。特にその中でも、東南アジア最大人口を誇るインドネシアは非常に魅力的な市場であり、観光誘客のために各地方自治体が競って観光ＰＲに取り組んでいます。今回のイオンモールでの取り組みも、静岡県と石川県が観光ＰＲを行いました。

　石川県の観光ＰＲブースには、家族連れや大学生の若者たち等、たくさんのインドネシアの人たちがお越しになり、今年の春や夏に向けた日本旅行について相談に来られました。今回お越しになった皆様と接した印象としましては、東京や大阪など首都圏や京都、北海道など東南アジアでも有名な観光都市を中心に相談があるかと思われましたが、石川県のこともよく知っていたことです。昨年、インドネシアで観光ＰＲに取り組んだこともありましたが、その時よりも、今回の方が石川県の認知度が上がっている印象を受けました。観光庁「訪日外国人消費動向調査」によれば、2014年に日本へ旅行したインドネシアの人たちのうち、初めて日本へ旅行した人たちの割合は61.1％とのことであり、シンガポールの人たちの割合の38.4％を上回っております。通常、日本へ初めて旅行した外国人は、東京や大阪の首都圏の有名な観光地を旅行される傾向にあり、その他の地方は2回目以降からと言われておりますが、インドネシアではまだまだ１回目の日本旅行の方が多いにもかかわらず、首都圏だけでなく石川県などの地方都市を知っている人たちが多かったことに驚きました。

　今回、石川県の観光ブースにお越しになったインドネシア在住の石川県人会の関係者の人たちによれば、インドネシアでは、現在、富裕層を中心に日本旅行がブームとなっており、テレビや雑誌などメディアで日本旅行がとりあげられているが、特に最近は、東京や大阪などの首都圏以外の地方都市の魅力をテーマに特集で取り上げられており、インドネシアの人たちの間では、石川県をはじめ北陸地方が注目を集めてはじめているとのことでした。

　現在、東南アジア各国で日本への観光客が増え続けており、現地の旅行会社の調査によれば、2020年の東京オリンピックに向けて、さらに日本への観光客が増え続けると見込まれていますが、必ずしも統計や傾向だけにとらわれず、現地のタイムリーな情報や現地のニーズをよく踏まえて、石川の魅力をＰＲして、石川への観光誘客に取り組むことが重要であると考えさせられました。

インドネシアでの観光PRの様子

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

日本貿易振興機構(JETRO)シンガポール事務所

石川県駐在員  成田満
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