―シンガポール駐在員便り 2015年10月―

伝統工芸品テストマーケティング等

伝統的工芸品テストマーケティング

  9月1日からシンガポールの高級セレクトショップ「スーパーママストア」で石川県の伝統的工芸品のテストマーケティングがスタートし、輪島塗、九谷焼、山中塗等が店頭に並び販売が開始されました。オープン翌日には、スーパママストアのスタッフから、来場者に対して、事前に石川県に訪れ産地を視察した様子や自身の感想などを、パネルや画像を交えて紹介されました。説明したスタッフからは、1つ1つの製品を丁寧に作り上げる職人の技について、とても感動したことを述べ、集まった約40人の来場者に対して「職人の手作業だからこそ生まれる微妙な違いが作品を見る時の楽しさや味わい深さになっており、職人の作業風景を思い浮かべながら作品をじっくり鑑賞してほしい。」と訴えかけました。  

  また、来場者からは「商品の絵柄や形が非常に繊細できめ細やかにつくられている」、「華やかさに感動した。」、「大切な友人に対する贈答品としてぜひ購入したい。」など高い評価を得ていました。これから10月末まで2か月間販売されることから、石川県の伝統的工芸品がシンガポールの人達に認知され、さらに広がっていくことを期待したいと思います。

  

伝統工芸品テストマーケティング

 

シンガポール陶芸工房

  9月4日、シンガポールの陶芸家の工房を訪問しました。岐阜県の美濃で陶芸を修行されたイスカンダル氏が開いた工房です。イスカンダル氏は、日本で陶芸を学び、独自のスタイルでシンガポールの陶芸界をリードする作品を発表し、シンガポールで数々の賞を受賞された有名な陶芸家です。イスカンダル氏の作品はシンガポールの駅や空港などに展示されており、彼の個展には、シンガポールのみならずインネシア等の周辺国からもファンが訪れるほど人気があり、最近、開催された陶芸展では初日でほとんどの作品が完売するほどです。

  今回、イスカンダル氏のお弟子さんたちが、石川県の伝統的工芸品のテストマーケティングを行っている「スーパママストア」に来場したことをきっかけに、工房を訪問させていただきました。工房には約10名のお弟子さんたちが制作に取り組んでおり、それぞれが自由に陶器や陶磁器の作品を作り上げています。実際に、工房で制作したお弟子さんたちの作品も、シンガポールのギャラリー等で展示したり、街中でワークショップを開いて販売したり、シンガポールの人たちに作品を紹介しているとのことです。イスカンダル氏によると、今回のスーパーママストアで石川県の九谷焼などを鑑賞したり、毎年日本に訪問して、日本の陶芸を勉強したりして地道に自らの技術に磨きをかけているとのことです。石川県にもこれまで4回訪問したことがあるとのことであり、九谷焼にも非常に興味があるとのことです。また、この工房以外にもシンガポールにもうひとつ工房があるとのことであり、お弟子さんによると、シンガポールの人達にとって陶芸は、まだまだ趣味の領域を超えるところまでに至ってはいないが、陶芸に興味をもつシンガポール人が増えているとのことであり、少しずつではありますが確実に、シンガポールでは、九谷焼や美濃焼など日本の陶芸、伝統工芸の素晴らしさを理解してくれるファンが増えつつあることを実感しました。

 

シンガポール陶芸工房

 

「ルビーロマン」披露

  9月23日、シンガポールのマリーナベイサンズにある高級レストラン「Hide Yamamoto」で石川県産の「ルービーロマン」が披露されました。先月8月にも石川県の郷土料理「治部煮」をシンガポールで紹介していただきました同レストランの山本シェフが、今度はシェフの特別ディナーコースのデザートメとして「ルビーロマン」を採用していただきました。当日は、シェフ自ら「ルビーロマン」を紹介され、日本で一房100万円の値がついたことがある世界一高価なブドウと紹介した際には、来店したお客様からは驚きの声が響きわたりました。「ルビーロマン」は先日もシンガポールのメディアが日本の高価な果物として取り上げられるなど注目されており、シンガポールでは高品質な日本の農畜産物として果物や和牛など非常に人気が高くなっております。

ルビーロマン披露

 

日本貿易振興機構(JETRO)シンガポール事務所

石川県駐在員  成田満
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