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更新日:2010年4月20日

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野々宮図硯箱・梅竹双鳥図  存清盆

野々宮図硯箱  (1合)

江戸時代前期  尾形光琳作
石川県立美術館  金沢市出羽町2-1
縦23.0センチ  横21.0センチ  高さ5.5センチ

 

野々宮図硯箱

県指定文化財  昭和45年11月25日指定

曲「野々宮」から題材をとり意匠化した硯箱である。蓋の甲が盛り上った被せ蓋造りで、豊かな胴の張りと隅丸の形姿は全面金の沃懸地で、まことに豪華である。蓋表は、厚貝や鉛板を用いて主題の榊と鳥居を表現し、右端の柴垣は箱身部の底面まで続いており、その構成は大胆で、夢幻能の「野々宮」を象徴的にあらわしている。蓋裏と身の内部は、薄・桔梗・萩・菊など咲き乱れる秋草を螺鈿の技法で表現し、寂秋の趣がよくあらわれており作品全体から受ける高い気品は、嵯峨野の野々宮を美しく表現している。身の内部は、左半分に硯と水滴を納め、右半分は筆を置くように空間をとり、右隅に刀子入れを作ってある。作者の尾形光琳(1658~1716)は、京都の富裕な呉服商雁金屋の二男に生まれ、多芸な父の血を受けて育った。弟乾山とともに、光悦・宗達の芸術に深く影響を受け、絵画や漆芸の新境地を開き、独特の美の世界を創造し、多くの名品を残した。もと山川家の伝来品である。
昭和60年「石川の文化財」より

 

梅竹双鳥図  存清盆  (1枚)

中国明時代
個人  鳳珠郡
径33.0センチ  高さ3.8センチ

 

梅竹双鳥図存清盆

県指定文化財  昭和47年1月25日指定

稜形で内面朱漆塗である。見付円形には2羽の尾長鳥がそれぞれ竹、梅の枝に止まり、その周囲には数種の花木をあしらってある。縁は宝珠形に八宝文をつなぎ図柄全体が吉祥文である。これらの模様は、緑・褐・赤・白などの色漆で描き乾燥後上絵を線彫や毛彫した、いわゆる「存清」という技法であり、色調、技術が優れて存清特有の味わいのある作品である。
清とは明時代の名工の名前であるといわれるが、現在ではこの様な技法の名称となり、中国の元・明時代に華南からタイ国に発達し、室町時代にわが国に伝わって以来、茶人に愛玩されてきたといわれる。この作品は古九谷の叭々鳥図大皿(重要文化財)の図柄と酷似しており、資料としても貴重なものである。
昭和60年「石川の文化財」より

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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