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更新日:2011年8月1日

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住吉蒔絵硯箱・萬暦五彩草花龍文瓶

住吉蒔絵硯箱  (1合)

室町時代  (16世紀)
石川県立美術館  石川県金沢市出羽町2-1
幅18.6センチ  奥行22.1センチ  高さ3.8センチ
住吉蒔絵硯箱1      住吉蒔絵硯箱2
県指定文化財  平成18年10月20日指定

品は、方形の各稜を面取りした被蓋造りの硯箱であり、蓋表の意匠は住吉神社の社頭風景である。錫板を貼りつけた鳥居とその周辺に松、塀などが配され、鳥居の前に1匹の蛙がおり、水辺には岩と様々な貝類が配されている。これらは、研出蒔絵や高蒔絵、切金などの技法を巧みに交えながら、余白を多く取る構図で表現されている。また、蓋裏には梨地に透塀や社、松などを描き、蓋を返して身の右側に置くと、蓋裏と身の懸子に表された透塀が一直線につながる趣向となっている。身の左側には楓形の銅製水滴と縁沃懸地の硯が納められている。本品は、余白の多い構図、切金などにみられる精緻な技法の面で重要文化財「小倉山蒔絵硯箱」と類似しており、室町時代以降の京都における五十嵐派の蒔絵作品であり、加賀蒔絵を形づくった五十嵐派の成立期の先駆をなす作品と推定され、加賀蒔絵の五十嵐派成立期を知るうえでの貴重な作品である。

 

萬暦五彩草花龍文瓶  (1口)

中国明時代(萬暦年間1573~1619)
那谷寺  小松市那谷町ユ122番地
口径17.5センチ×胴径19.4センチ×底径19.0センチ×高56.5センチ


萬暦五彩草花龍文瓶
県指定文化財  平成19年4月27日指定

品は、一般に萬暦赤絵と呼ばれる色絵磁器で、中国明代の萬暦年間(1573~1619)に景徳鎮窯で造られたものである。文様を赤や緑、黄などの色釉で上絵付した陶磁器で、近世初頭から日本人が好んで珍重した。器形は、古代中国の銅器の一種「尊」に倣っている。丸まった胴からすらりと伸びる頸と下方に広がった裾は安定感がある。口縁下部には、芭蕉の葉をかたどった蕉葉文、頸部には唐草文、胴部には渦文と雷文を、裾部には雲文をそれぞれ帯状に描いて区切り、口縁部から胴部の間には龍文を、胴部から裾部に は花鳥文(牡丹、孔雀)、花枝文、波濤文を、それぞれ青花と色絵で賦彩している。
た口縁上部には「大明萬暦年製」の銘が記されている。緻密な中に豪放な賦彩は、萬暦五彩の特色を充分発揮したもので、日本に伝来しているこの種の大花瓶としては数少ない1品である。また、加賀藩主前田利常の寄進であることが、『藩国見聞録』(弘化2年(1845))から推定され、加賀文化の発展に数多くの業績を残した利常の偉業を感じさせる貴重な作品と言える。

 

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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