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鎌倉時代
妙栄寺 鳳珠郡能登町波並3-6-1
(石川県立歴史博物館保管 金沢市出羽町3-1)
径15.3センチ 像高9.2センチ
県指定文化財 平成元年12月22日指定
直径15.3センチの円形銅板の中央に衲衣着けて蓮華座上に結跏趺坐する阿弥陀如来像を柄留めする、像は、鋳銅で像高9.2センチを測り、重厚で調和のとれた優品である。上部2ヶ所には、線刻を施した花形鐶座を鋲留めし、その線刻は簡素ながら的確な図様を巧みにまとめている。釣鐶は簡素で実用的であり周縁には覆輪がなく、小振りの銅板に比して尊像が大形である。本品は、立体的な肉厚像を柄留めした様式を伝える代表作であり遺例の少ない鎌倉時代の完形品として貴重である。また、本例はもと波並地内にあった白山神社の御正躰であり、白山信仰に関する遺品としても重要である。
輪島市
(石川県輪島漆芸美術館保管 輪島市水守町四十苅11)
総高63.0センチ 縦26.8センチ 横26.7センチ
県指定文化財 平成2年9月26日指定
この鏡台は、回船業で栄えた森岡家2代目当主又四郎が京都で入手したもので上下2段の抽出しが付いたほぼ正方形の箱に鏡掛を立て、底裏四隅には低い刳形脚を付ける。総体黒漆塗とし、箱の各面、鏡掛には水辺の土坡上に松・桜樹を表わす。技法は平蒔絵に絵梨子地・針描を交えている。鏡掛の中央には円形の孔を透かし、金銅(銅製鍍金)五三桐紋金具を嵌め、他の要所の金具は金銅魚子地唐草文毛彫桐紋散とし、抽出しの引手金具は魚子地に桐紋を毛彫している。抽出しには化粧道具を、腕木には鏡を掛けるもので、桃山時代頃より見られる形式の鏡台である。平蒔絵に絵梨子地・針描を用いる技法は、桃山時代から江戸時代初期にかけて流行したもので、いわゆる高台寺蒔絵様式に属するものである。また金具の文様・技法も同時期に多く見られるものである。腕木の一方が後補であるものの保存は概ね良好で、華やかな近世初期の趣にあふれた佳品である。県内最古、全国でも数点しかない貴重なものである。
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