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更新日:2026年9月8日

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聖霊修道院聖堂(聖霊病院聖堂)・旧室木家住宅

 聖霊修道院聖堂(聖霊病院聖堂)(1棟)

昭和6年(1931)  
社会福祉法人聖霊病院  金沢市長町1丁目5番30号

 

 聖堂

県指定文化財  令和5年1月6日指定

 

 聖霊修道院聖堂は、ドイツ人宣教師ヨゼフ・ライネルスにより創設されたキリスト教カトリック系の医療施設である聖霊病院において、修道院の附属聖堂として、昭和6年(1931)に建設された。設計は、カトリック系教会等の建築を数多く手がけたスイス人建築家マックス・ヒンデルによる。
 聖堂の平面構成は、中央の身廊とその両側の側廊からなる本格的な三廊式バシリカの形式をとる。聖堂の軸線は南北にとられ、南を正面とし、北東端に鐘塔が付く。外観は、二層の切妻屋根に、白く塗った下見板張りの外壁とし、半円アーチや円形の窓を設ける等、全体的にロマネスク建築様式を基調としたデザインでまとめ、隅角部の付柱や窓框は焦茶色に塗って減り張りをつけている。鐘塔は、基部を角塔、上部を面取りした八角塔とし、頂部には十字架を頂き、建物全体のアクセントとなっている。
 身廊は、中央に半間幅の通路を設け、祭壇に向かって右側は畳敷、左側は椅子を配置する。身廊の正面は祭室で、円弧状の平面をなし、周囲より一段高くなっており、祭壇を設ける。祭室の左右両側には聖具室が付き、右側のものは鐘塔の直下にあたり、鐘を操作することができる。身廊の上部は吹抜空間であり、漆喰仕上げによる横断アーチを架ける。
 側廊は、葭を簾状に編んだものを下地材に使用して曲面を作り、漆喰で仕上げた交差ヴォールト風の天井とする。側廊の交差ヴォールト風の天井と身廊の横断アーチはロマネスク建築様式の諸要素を日本の伝統技術を用いて表現したものであり、それらを受ける列柱は、ブロック型柱頭で構成され、色調や質感が金箔貼りや黒漆塗りを意識させるなど、随所で和風の仕上げとなっている。
 以上のように、聖霊修道院聖堂は、西洋と日本の建築様式と伝統技術が見事に調和した独創性が高い教会堂建築として、昭和初期の姿をよく留めており、極めて価値が高いことから、有形文化財に指定し、その保存を図ることが必要である。

 

 旧室木家住宅 主屋・表納屋・米蔵・道具蔵(5棟)

主屋 明治19年(1886)
表納屋 明治23年(1890)
米蔵・道具蔵1 明治20年代前半
道具蔵2 大正12年(1923)
七尾市 七尾市中島町外ナ部13外12筆

 

旧室木家住宅

県指定文化財  令和8年3月27日指定

 

 室木家は、天領であった鹿島郡外村の旧家で、江戸時代後期には庄屋を務め、金融業・流通業・酒造業を営み、明治から大正期には大地主・実業家として活動し、明治11 年(1878)に当主となった彌八郎とその次男で明治36 年(1903)に家督を相続した彌次郎は衆議院議員にも選出され、地域の発展に貢献した。
 室木家の屋敷地は、七尾北湾の海岸近くに石垣を積み、表門・塀を構え、中心に主屋、その前面に米蔵と表納屋、奥に道具蔵2棟が位置する。主屋と米蔵の間には屋敷内を画する中門が備えられ、主屋と表納屋の間は屋根と壁がかかる通路で繋がり、主屋と道具蔵の間は渡り廊下で接続する。
 主屋は明治19 年(1886)完成と伝えられ、その他の建造物も概ね明治20 年代前半から大正12 年(1923)の間に整えられている。主屋については天井の梁に墨書があり、江戸時代から宮大工として知られる氷見の大窪大工による施工が確認されている。
 主屋は入母屋造茅葺、一部2階建てで、開口部に切妻屋根を付す。内部は4列構成で、中央にヒロマ・チャノマの列、東はニワ・ダイドコロ等内向きの列、西がブツマ列とザシキ列で上位となり、中央列と西列は拭漆で部材が塗られている。ヒロマなどはワクノウチの高い吹き抜けを設け、ブツマは折上格天井とし円弧状の特殊な仏壇収納を有する。後年には北東端が増築され、昭和6年(1931)以降に建てられた納屋と接続している。
 表納屋は土蔵造桟瓦葺切妻屋根の2階建てで、1階は土間で3室に区切られており、2階は床板張りである。建物基礎の石垣に明治23 年(1890)の建築を示す銘が刻まれる。
 米蔵は土蔵造桟瓦葺切妻屋根の2階建てで、1階・2階とも床板張りである。開口部は両脇に壁を設け、上部を波と紅葉を描いた鏝絵で飾る。壁の内部には蔵破り対策のため砂利が詰められている。
 道具蔵は隣接して建つ2棟の土蔵の屋根と下屋を共通させて一体としている。土蔵造桟瓦葺切妻屋根の2階建てで、1階・2階とも床板張りである。西側の道具蔵1は米蔵と同様に壁の内部に砂利が詰められている。東側の道具蔵2は道具蔵1より後出であり、これを建てた際に屋根等の外観を整え、渡り廊下を設けて接続したと考えられる。渡り廊下は大正12 年(1923)の工事の記録があり、道具蔵2も同時期と考えられる。
旧室木家住宅は江戸時代の豪農の民家の形式が踏襲されつつ、新しい意匠が巧みに組み合わされた主屋など、近代和風建築の好例であり、屋敷構えと景観も往時をとどめ、地域の富裕層のあり方をよく伝え、価値が高い。

 

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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