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寛永16年(1639)
大野湊神社 金沢市寺中町ハ-163
県指定文化財 昭和57年1月12日指定
当社は延喜式内社で、延宝2年(1674)の「加越能寺社来暦」に、加賀藩3代藩主前田利常のとき、寛永16年(1639)に造営があったことを記し、同年号の棟札を残している。本殿は3社からなり、南面して中央に1間社流造りの八幡社本殿、その東西両側にそれぞれ3間社切妻造りの神明社本殿(東)、佐那武社本殿(西)が並んでいる。神明社・佐那武社の両本殿は全く同形であり、彫刻の類を除くと、細部絵様などもよく類似するが、わずかに神明社が正面を桟唐戸佐那武社が蔀戸としている点が異なる。両社本殿ともに亀腹の上の地覆の上に縁を挿肘木による3手先の腰組で支え、大きな木鼻を出して手先を送り出す構造で変化をつけている。また、1間社流造りの両脇に、3間社切妻造りで腰組みを持つ建物を配するのは古式とされ、構成の上でも変化をつけているのが注目される。
昭和60年「石川の文化財」より
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