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更新日:2014年2月6日

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無限庵御殿・本願寺金沢別院本堂・経蔵・鐘楼

無限庵御殿  (1棟)

大正元年(推定)  
無限庵  江沼郡山中町下谷町ロ6番地
 

無限庵御殿

県指定文化財  平成12年8月29日指定

限庵御殿は、横山家の新御殿として金沢に建てられた書院を移築したものである。建設年代は書院正面の床の間に敷き込まれた板畳の裏に「大正元年拾弐月廿八日出来人  白山捨吉」の墨書があることから大正元年建造と推定する。鉱業で隆盛を誇った横山家13代隆平の分家である横山章が高岡町の自邸内に建造した書院であったが、経営悪化の中で大正10年、新家家へ売却され、山中町の別邸の一部として移築、更に昭和57年に所有権が移転し無限庵御殿となり、現在に至る。御殿は、大聖寺川を見おろす山腹に建ち、36畳敷の書院と20畳敷の次の間が並接し、四周に幅1.2メートルの縁側が巡る平面を持つ。書院は中央に2間の床の間、両側に1間ずつの床脇を配し、付書院は構えず、縁側に向かって全面開放し山腹の縁を眺める。床の間は、床柱を左右とも下げ束とし、右方の琵琶台は黒柿の束を立て、蹴込に蒔絵(大垣昌訓  作)を嵌め、左方は地袋と天袋を少し後退させて設けるなど、床全体を連続感のある正面としてとらえる斬新さを持つ。空間としては、10.7尺と高い天井だが、2.5間の柱スパン、1間幅の襖などの効果もあって大らかで調和のとれたプロポーションを有する。壁や襖は雲と山が一体的に連なる金泥絵の張付になっており、豪華さの中にも抑えの効いた平明さが印象的である。次の間との境の欄間には、左に雲間の満月、右に松の彫刻、中央は多くの余白で左右の彫刻をつなげる。また螺鈿を施した和風シャンデリア、釘隠しや引手などの細工、縁側の黒柿手摺の透かしなど品格ある装飾になっている。縁側の壁が成巽閣にあるような群青色になっていて、金泥とは対比的である。以上のように本書院は、格式と豪華さを示しながらも、平明さを目指した構成であり、しかも自由な数寄の意匠を通わせているなど、近代書院の傾向を示す秀作である。また木造技術としても当時最高の粋を集めた普請であった。

 

 本願寺金沢別院本堂  (1棟)
      附古図                        (13枚)

本堂  嘉永2年(1849)  
本願寺金沢別院  石川県金沢市笠市町2番47号

 

 本願寺金沢別院本堂

県指定文化財  平成17年3月25日指定

  • 創立と沿革   
    土真宗本願寺派金沢別院は、天文15年(1546)に創建された「金沢御堂」を前身とし、別名「金沢坊」や「御山」とも呼ばれ、加賀一向宗の拠点であった。その後、金沢御堂は、天正8年(1580)柴田勝家に攻略され、佐久間盛政の居城となるが、前田利家の金沢入城後、文禄年間(1592~1596)迄に、袋町に寺地を賜り本堂を再建した。慶長16年(1611)には、3代藩主前田利常より、現在の寺地を拝領して伽藍再建に着手し、元和5年(1615)に完成、寺基を移した。しかし、元禄3年(1690)以降、度々火災に遭い、本堂は嘉永2年(1849)に、経蔵は慶応2年(1866)に、鐘楼は安政3年(1856)に、それぞれ再建され現在に至っている。 
  • 本堂
    堂は境内の中央に東面して建つ、平入り、桁行9間、梁間8間の大規模な建築である。屋根は、入母屋造り、本瓦葺で、向拝は3間の間口をもち、妻部に比翼の千鳥破風を付けた特徴ある外観である。本堂の平面は、前方に畳132帖の外陣、44帖の矢来内を置き、中央後方に、二段高く床をあげた後門形式の内陣を配し、その脇に内陣より一段落として左右の余間、さらに余間の外側に三の間をとり、内陣及び余間の後方に後堂を置く。本堂の外周は前面及び両側面に広縁と落縁を付け、後堂の背に後補の倉庫が付加されている。構造的には、柱は向拝柱と縁柱を角柱とする以外はすべて円柱を使用し、入側柱を含めそれより内側の柱は、いずれも柱頭を天井裏まで延ばし、小屋梁を直接受ける「建登柱」の手法をとり、大建築にふさわしい構造的な配慮がなされている。 

 

本願寺金沢別院  経蔵  (1棟)

経蔵  慶応2年(1866)  
本願寺金沢別院  石川県金沢市笠市町2番47号

 

  本願寺金沢別院 経蔵

県指定文化財  平成17年3月25日指定

蔵は本堂正面に向かって左手前に位置し、六角の平面で吹放しの裳階をつけ、柱は、礎盤上に六角柱を建てる。主屋の屋根は、露盤付宝珠を乗せた桟瓦葺の六角方形であり、軒は二軒扇垂木となっている。裳階の屋根は、桟瓦葺で、軒は、一軒平行繁垂木である。正面上部の壁に、「仏が教えを説くこと」を意味する「轉法輪」と書かれた扁額が掲げられている。組物は平三斗組(絵様実肘木、拳鼻付)となっており、中備には蟇股を配し、裳階の組物は大斗絵様肘木組とする。経蔵内部には、経典を収める八角宝形の回転式輪蔵を備えており、県内でも数少ない輪蔵の1つとして、貴重である。この経蔵は、六角平面であるばかりでなく、細部に施された彩色や、外壁上部の漆喰壁に見られる窓の形や鏝絵など、江戸後期の多様さを持つ建築物として、貴重である。

 

本願寺金沢別院鐘楼  (1棟)

鐘楼  安政3年(1856)  
本願寺金沢別院  石川県金沢市笠市町2番47号

 

 本願寺金沢別院鐘楼

県指定文化財  平成17年3月25日指定

楼は、経蔵の東方に位置し、方一間の吹放しの入母屋造りで、屋根は桟瓦葺、軒は二軒扇垂木となっている。基壇の上に礎盤を置き、その上に粽付丸柱を建て、貫は下から、腰貫、飛貫、頭貫(虹梁形)を入れ、頭貫上には台輪をめぐらせている。 組物は二手先(実肘木、拳鼻、尾垂木、支輪付)を詰組とし、中備に蟇股を配す。装飾的な組物と放射線状の扇垂木で構成される軒廻りは、実に多彩で、江戸後期の禅宗様式を見事に見せている鐘楼として、貴重である。 

 

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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