ホーム > 連絡先一覧 > 土木部 都市計画課 生活排水対策室 > 犀川左岸浄化センター消化ガス発電設備について
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石川県は本州中央の日本海側に位置し、東は富山県及び岐阜県に、南は福井県に接し、北は能登半島となって日本海に突出しており、広大な原生林と豊富な高山植物群を誇る白山国立公園、美しく長い海岸線を持つ能登半島国定公園や越前加賀海岸国定公園、さらには数多くの温泉や兼六園に代表される名所旧跡など、豊かな自然と風土に恵まれております。
この石川県のほぼ中央には県都である金沢市があり、市街を流れる犀川は、清らかな流れで金沢平野を潤し、市民の水資源として重要な役割を果たしています。
石川県ではこの犀川左岸に位置する金沢市南部、野々市市、白山市(旧鶴来町)において、地域の生活環境の改善と犀川及び金沢沿岸海域の水質保全を目的として、昭和62年に犀川左岸流域公共事業に着手し、平成6年度の供用開始後、順次処理区域を拡大しております。現在の事業計画では、計画人口約121,400人、計画面積約2,761ha、日最大汚水量51,500立方メートルで、下水道の整備状況では、平成28年度末で普及率98.2%、水洗化率91.1%となっております。
犀川左岸浄化センターでは、汚泥消化設備で発生する消化ガスの有効利用を目的とした消化ガス発電を、平成22年度より消化ガス発電機10基で運転を開始し、平成25年度には2基増設し現在12基で運転をおこなっています。発電電力については固定価格買取制度を活用して、(株)北陸電力に売電し地球温暖化防止と下水道経営の安定化に努めています。
なお、この犀川左岸浄化センター消化ガス発電設備は、固定価格買取制度を活用した消化ガス発電において、横浜市に次いで2番目に売電を開始しました。都道府県の流域下水道の消化ガス発電に限れば、全国で初めて固定価格買取制度を活用して売電を開始したことになります。
この発電設備の機種選定にあたっては、マイクロガスタービン、燃料電池、中型ガスエンジン、小型ガスエンジンなどについて、イニシャル、ランニングコストを含めたトータルコストと発電量の安定性(定期点検期間の停止による発電量の減少が少ないこと)などを総合的に比較検討しました。
概略図(図-1)に示すように消化タンクから出たガスはガス昇圧ブロアで圧力を調整しガス中に含まれるシロキサンを活性炭により除去した後、(このシロキサンは燃焼すると機器内に堆積し故障や能力低下の原因になります。)ガスエンジンで発電機を駆動して発電します。
発電した電力はインバータ(連系用保護継電器・同期装置内蔵)及び変圧器により、(株)北陸電力への系統連系をおこない固定価格買取制度を活用し、売電しております。
また同時に、エンジン部での熱を温水の形態で回収し、熱交換器により消化タンクの循環系統に熱を伝える消化タンクの加温水として利用しています。
設備は、エンジン、発電機、インバータ、排熱回収用熱交換器、放熱用熱交換器制御機器をコンパクトにパッケージングしているため、設置スペースを大幅に削減することが出来ました。(図-2)
また、消化ガスの発生量変動に合わせて発電機の台数制御をすることで常に最適な運転を行い、運転・停止の際には設備運転時間の平準化をするためローテーション機能を搭載しており、ガスエンジンの発電効率は32%、熱回収効率は52%であり総合効率は84%となっています。
平成22年10月より設備の運転を開始し、試運転調整の後、12月から本格稼動を開始し、平成25年7月1日から売電を開始しております。現在も順調に発電しています。
〇季節変動による影響
今後季節による消化ガス発生量の変動が発電に与える影響について検証し、季節ごとの最適な運用方法などを検討していきたいと考えています。
従来、下水処理場は「終末処理施設」として扱われてきましたが、最近は「下水を浄化し再生させる施設」、「下水中の資源を取り出し有効利用する施設」として考えられるようになってきています。
本県においても下水道資源の有効利用を推進し、そのための検討を引き続き行っていきたいと考えています。
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