緊急情報

閉じる

現在、情報はありません。

ホーム > 連絡先一覧 > 金沢城調査研究所 > 調査研究 > 石垣保存管理技術 > 石垣保存管理技術等の総合研究(26年度)

印刷

更新日:2022年7月1日

ここから本文です。

石垣保存管理技術等の総合研究(26年度)

事業概要

本事業は、文化財石垣の保存・管理に必要な諸技術や方法等について、金沢城跡の石垣を対象として総合的に調査研究し、本質的価値の保存継承に資することを目的としている。
平成26 年度は変形が著しい石垣の外観調査を継続すると共に、動態観測、安定解析、地盤探査、他城郭の事例研究等、多角的なアプローチで調査研究に取り組んだ。

主な成果

石垣変形の可視化

三次元レーザー計測データから壁面の凹凸や角度変化等をカラーチャートで視覚的に表現し変形の範囲や量を面的・立体的に把握するもので、平成24 年度から重点的に取り組んでいる。
平成26 年度は5箇所9面の石垣で可視化図を作成した。また、変形状態が的確に表現できるよう色彩区分を微調整するなど、データ処理方法の改善にも取り組んだ。

変形石垣の現地観察

変形の顕著な石垣について、石材破損や緩みなど測量図には表現されにくい変形・破損の細部症状を現地で確認すると共に、過去の修理(変形)の履歴(時期・回数、範囲・規模、内容等)を検討し、現在の変状との関連性を検討している。平成26 年度は計25 箇所中18箇所の調査を進めた。現在の変形が当該石垣での初発と見られる箇所、再発である箇所、再発と修理を繰り返してきた常習的な変形箇所が認められた。

石垣動態の検討

変形石垣の動態観測データや新旧の写真比較等から、変位の進行具合を検討した。変形状態にある石垣には変位が継続・累積している箇所と、変形状態のまま安定化している箇所が認められた。

その他の取組み

修築記録の整理    損傷又は修理の記録が残る石垣をリストアップし、時期・内容・要因等の整理を進めた。
変形箇所の安定解析    変形の著しい数寄屋屋敷西斜面を対象に、工学的方法(FEM 解析)で地震時の挙動や、補強効果等のシミュレーションを進めた。
石垣背面の物理探査    数寄屋屋敷西部で地中レーダー探査及び電気探査、鼠多門外で地中レーダー探査を実施し、変状調査への物理探査の適用方法等について、実践的な取り組みを進めた。
事例調査    石垣変形の発生状態、動態観測、保存管理の方法等について、他城郭の事例を調査した。
        [現地調査]弘前城跡(青森県)、盛岡城跡(岩手県)、甲府城跡(山梨県)、名古屋城跡(愛知県)ほか
        [事例研究]仙台城跡(宮城県)、小峰城跡(福島県)、村上城跡(新潟県)、島原城跡(長崎県)ほか
検討会    伝統技術(石垣)専門委員会委員による「検討会」を計4回開催し、城内石垣の現地調査及び資料分析、関連城郭の事例研究等を行った。[開催日]6月6日、8月1日、10月17日、2月23日

 

 <- 平成25年度の成果   平成27年度の成果 ->

 

お問い合わせ

所属課:教育委員会金沢城調査研究所 

石川県金沢市尾山町10-5

電話番号:076-223-9696

ファクス番号:076-223-9697

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報はお役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?