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更新日:2010年11月25日

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珠洲秋草文壷 珠洲市正院町出土・珠洲鳥樹文壷 富山県氷見市阿尾出土

珠洲秋草文壷  珠洲市正院町出土  (1箇)

鎌倉時代
石川県立歴史博物館  金沢市出羽町3-1
現高28.2センチ  現頸径15.0センチ  
胴径26.7センチ  底径8.5センチ


珠洲秋草文壷 珠洲市正院町出土

県指定文化財  昭和61年3月22日指定

この壷は珠洲市正院町で発見された蔵骨器である。口縁部は当初から欠損し、後補復元されている。頸部からやや丸みを帯びながら大きく張り出した胴上部を経てなだらかな曲線を描いて底部に収める。器壁は多面体に仕上げられた痕跡を残し、堅く焼きしめられ、胴上部には自然乎をかぶる。胴下部は振幅の大きい珠州陶固有の櫛歯波状文帯を二、三段めぐらしている。14世紀初め、鎌倉末に珠洲市域の窯で焼かれたものである。器体は4分され、各面は黒く沈んだ鼠色の器膚に施された秋草風の線描画で飾られている。正面は萩、左回り2面には薄あるいは穂を垂れる稲かとも思われる草花の叢生する構図が繰返され、右面に櫛歯であらわした茎に「ハ」字に開く花を描き、各面の空間には細かく水草が配されている。意匠は稚拙であるが、雅趣に富み、東海地区の同系文様の流れをくむ地域窯の最優品として高く評価され、日本海域を制圧した珠洲系陶器を代表する製品として広く注目されている。

 

珠洲鳥樹文壷  富山県氷見市阿尾出土  (1箇)

室町時代
石川県立歴史博物館  金沢市出羽町3-1
高さ28.3センチ  口径9.5センチ
胴径25.0センチ  底径9.5センチ

珠洲鳥樹文壷 富山県氷見市阿尾出土
県指定文化財  昭和61年3月22日指定

富山県氷見市阿尾城西麓の国道160号線拡張工事中に出土採取された3個の珠洲陶器中の1個で、ほぼ直立する口頸部の一部を欠くが重心が低い球胴形の体部全面に線刻が描かれている。こうした珠洲刻画壷は、その出土状態から、主に蔵骨器として使用されたものと思われる。体部器面を、やや無雑作に施した櫛目弧文でうめつくし、1面の右側に曲折する1本の樹幹と枝葉を櫛歯状原体で描き、さらに下胴部に2条の平行櫛目文を引き、間隙を鋸歯状とする構図により、大地ないし露根を表現する。樹下には、羽根が不分明な図案化された鳥を描き、頸基部に花房を散らしている。その画題は瀬戸・常滑・渥美など瓷器系諸窯との交渉によって触発され展開をとげたものと考えられ、珠洲陶を代表する刻画壷であると同時に中世の各地域窯の相互交渉を示すものとして貴重である。

 

 

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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