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更新日:2019年2月8日

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堅田館跡出土品

堅田館跡出土品 732点

鎌倉時代から室町時代 
金沢市
金沢市埋蔵文化財センター  金沢市上安原南60番地

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県指定文化財   平成31年2月1日指定

  堅田館跡は金沢市堅田町に所在し、市域の北部で、森下川流域の丘陵裾部に立地する、鎌倉時代から室町時代にかけての遺跡である。付近は加賀と越中を結ぶ古道が通る陸運と森下川と河北潟・日本海を結ぶ水運に恵まれた交通の要所であり、標高は約9mである。
  発掘調査は金沢市教育委員会により平成8年度から同11年度にかけて行われ、大規模な堀や多数の掘立柱建物跡、井戸跡等の遺構が確認された。山を背にして堀を巡らせて守りを固めた屋敷構えであり、交通の要所を掌握した有力な地方武士の居館と推定される貴重な調査事例である。
  出土品は土器・陶磁器、木製品、石製品、金属製品で構成され、堀からを主体として多量に得られている。まず特筆すべきは木製品のうち、巻数板3点である。これは般若心経を墨書した長方形の板であり、巻数板1はスギ材で全長79.5cmを測り、弘長3年(1263)の紀年がある。巻数板2は同スギ材、83.9cm、建長3年(1251)である。これらはほぼ完存しており、古文献や絵巻物に記録されている、文字板を館の門前に吊り下げて安寧を祈念する年中行事が実在したことを裏付ける重要な出土品である。
  伴出する土器・陶磁器には、青白磁梅瓶や青磁双魚文坏、天目碗といった舶載の高級品が含まれ、鎌倉時代を中心とする時期に位置付けられる。木製品には絵柄のある漆器、鳴鏑や乗馬鞍といった武具・馬具、羽子板や独楽といった遊戯具等が含まれる。こうした出土品は一般的な集落遺跡ではほとんど見られない。
  このように、堅田館跡出土品は、鎌倉時代を中心とする時期の有力な地方武士の生活様式を知ることができる全国でもきわめて希少な考古資料であり、有形文化財に指定して保存を図るものである。

 

 

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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