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更新日:2010年3月18日

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山水蒔絵机・山水蒔絵料紙筥

山水蒔絵机(1脚)

江戸時代初期
  妙成寺  羽咋市滝谷町ヨ-1
  縦  93.6センチ  横  38.3センチ  高さ  25.1センチ

山水蒔絵机

重要文化財  昭和25年8月29日指定
  

  直截で均衡のとれた形態は簡素で美しい。表面の図柄は松・橘・椿等の茂る土坡と波を描き、繁みの中には巣立ち近い5羽の雛を育む親鶴を中心にして、舞飛ぶ鶴や、亀の遊ぶ水際などの明るい山水風景で、繊細巧妙な蒔絵の技法を駆使しながらも力強い豪華さがある。

一部金貝類の剥落しているのは惜しまれるが、松・波・下草・雲霞などや唐草蒔絵等図柄も良く技量も非凡で、むしろ桃山時代の雰囲気を偲ばせる逸品である。図中に葵の紋が散らされているが、別掲の同寺蔵、料紙筥と共に浩妙院の遺愛品である。

浩妙院は3代藩主前田利常と夫人天徳院との間に生まれた長女で、2代将軍徳川秀忠の養女となり、寛永3年(1626)に美作国津山侯森忠政の嫡子忠広に嫁したが、寛永7年(1630)、18才で没している。利常が愛娘の遺品を妙成寺に寄進したものといわれている。
昭和60年「石川県の文化財」より

 山水蒔絵料紙筥(1合)

江戸時代初期
  妙成寺  羽咋市滝谷町ヨ-1
  縦  29.7センチ  横  33.2センチ  高さ  11.8センチ
山水蒔絵料紙筥

重要文化財  昭和25年8月29日指定
  

長方形で切面取、印籠蓋造りの箱であり、直線的に構成された簡素で力強い形状である。蓋表から側面にかけての菊、桔梗、萩等、秋草の咲く土坡と流水の図柄には、美しい螺鈿や金銀の切金を鏤め、肉合研出蒔絵の精緻精巧な技法を駆使している。

内部や裏面は金梨子地である。加飾全般にわたり桃山時代の俤を偲ばせる優品で、特にりんどう、笹、下草や波等には特有の意匠力と際立った技術の冴を見せ、優美で力強い。

別掲の同寺所有の重要文化財山水蒔絵机と対であり、共に浩妙院の遺愛品として妙成寺に寄進されたものと思われる。
昭和60年「石川県の文化財」より

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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