台風に備えて
台風は、毎年、日本列島に接近し、暴風や大雨、高潮、波浪をもたらし、大きな被害を発生させます。
全国的にも近年、次のような台風で大きな被害が発生しています。
	- 平成28年の台風第10号:死者26名、行方不明者3名、負傷者14名、全壊518棟、半壊2.281棟、床上床下浸水2,031棟
 
	- 平成25年の台風第26号:死者40名、行方不明者3名、負傷者130名、全壊86棟、半壊61棟、床上床下浸水6,142棟
 
台風の接近に応じた対応や点検項目、また、これまでの被害事例を紹介しますので、日頃から台風に備えておきましょう。
|目次 | 1 日頃からの備え|2 台風が接近する前に|3 台風が接近した場合|4 避難勧告などが出た場合|5 台風が過ぎ去った後|
 1  日頃からの備え
	- 台風は、熱帯の海上で発生する「熱帯低気圧」のうち北西太平洋で発達して中心付近の最大風速がおよそ17m/秒以上になったものです。
 
	- 石川県に接近するまでには、ある程度の時間がありますので、気象庁が発表する情報に注意すれば、あわてずに準備ができます。
	こうした日頃からの備えは、地震などその他の災害への備えとしても有効です。 
日頃からの点検  6項目
(1) 新聞やテレビ、インターネットなどで台風情報を確認していますか?
(2) 災害時の非常用持ち出し袋の点検、準備はしていますか?
			
			
			
				- 小型携帯ラジオ、懐中電灯(予備電池も忘れずに)
 
				- 飲料水、非常食品(缶切りや紙皿があると便利)
 
				- 救急薬品(常備薬や予備のメガネも)
 
				- 着替、タオル
 
				- ビニール袋、ひも
 
				- ライター、マッチ
 
				- 貴重品(公衆電話に使える10円玉も)
 
				- 赤ちゃんがいる場合は、ほ乳びん、粉ミルク、紙おむつなど
 
			
			 
 
(3) 屋根や外壁のすきまの修理、補強は行ってありますか?
	- 強風が吹き込むことにより屋根が飛んだり、壁がはがれるなどの被害が発生しています。
 
(4) テレビのアンテナはしっかりと固定されていますか?
高所での作業は危険を伴います。専門の業者に依頼する方法もあります。
 
(5) 窓ガラスには、物があたっても割れないよう措置していますか?
雨戸の設置や飛散防止フィルムの貼り付けも効果があります。
 
(6) 避難場所や緊急時の連絡方法を家族で確認していますか?
市町から高齢者等避難や避難指示などが発令される場合があります。家族全員が覚えておきましょう。
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 2  台風が接近する前に
台風が接近しそうなときは、早めに準備を行ってください。
台風が接近してから、あわてて準備したため負傷する事例も発生しています。
気象庁が発表する台風情報に注意し、早めに、側溝の清掃や風に飛ばされそうな物の固定、非常食や懐中電灯の点検などの準備を行いましょう。
台風が接近する前の点検  10項目
(1) 側溝や排水口を掃除し、水はけは良くなっていますか?
	- 大雨により側溝があふれ、家屋に浸水する事例があります。
 
(2) 風に飛ばされそうな物は、固定しましたか?または、建物の中に入れましたか?
	- 暴風により飛ばされたゴミ箱、植木鉢、自転車、物干しなどが人や車にあたり負傷や損害を与える事例があります。
 
(3) 庭木への支柱の取付けや塀の補強などを行いましたか?
(4) 雨戸を閉める、カーテンやブラインドをおろすなどの対策を行いましたか?
	- 強風により飛来物が窓から飛び込み、割れたガラスで負傷する事例があります。
 
(5) 窓は、鍵をかけましたか?
(6) 飲料水や生活用水を確保しましたか?
飲料水の確保量は、1人当たり9リットルをめやすに。また風呂に水をはっておくとトイレ等にも利用できます。
(7) 懐中電灯、携帯ラジオは身近な場所に置いてありますか?
(8) ご家族の行動はわかっていますか?
自宅への電話が不通になった場合に備え、県外の親戚宅など家族の連絡拠点を設けておくと連絡がとりやすいです。
	- 列車が運休したり道路が通行止めになり、自宅へ戻れなくなる場合があります。
 
	- 暴風で電話回線が不通になる場合や、混雑のため携帯電話がつながりにくくなる場合があります。
 
(9) 登山やキャンプは、日程を変更するなど対応を検討しましたか?
	- 河川が増水し、河川敷のキャンパーが亡くなった事例があります。
 
(10) 避難場所や避難場所への経路を確認しましたか?
 3  台風が接近した場合
	- 台風が接近したら、屋根など高所での作業は、強風にあおられるなど危険です。
 
	- 台風の進路によって、石川県への影響は、次の3種類に区分されます。
	
		- 石川県の西側又は北側を通過する台風:暴風をもたらす台風
 
		- 石川県に接近して通過する台風:大雨と暴風をもたらす台風
 
		- 石川県の東側又は南側を通過する台風:大雨をもたらす台風
 
	
	 
	- 台風の進路予想は定期的に最新の情報に更新されますので、テレビやラジオ、インターネットなどから最新の台風情報を入手してください。
	大雨や暴風の程度は、気象台から注意報や警報、府県気象情報などが発表されますので、その内容を確認してください。 
	- 台風が接近している間は、大雨や強風による事故に巻き込まれないよう、なるべく屋外へ出ないようにしてください。特に夜間は外出を控えてください。
 
	- 台風は、大雨や強風、高波をもたらすほか、高潮、落雷、さらにはフェーン現象による高温、火災にも注意が必要な場合があります。
 
被害事例
(1)大雨
	- 雨で増水した小川や側溝、マンホールは境界が見えにくいため、転落や流される場合があります。
	危険な場所には近づかないよう注意してください。 
	- 大雨の場合は、山崩れ・がけ崩れ・土石流(鉄砲水)等の土砂災害も起こりやすくなります。
	小石が落ちる、川の水が急に濁る等、土砂災害の兆候が出たら早めに避難してください。 
			
			
			
				- がけ崩れのめやすは、総雨量100mm
 
				- がけにさけめができる。地面にひび割れができる。
 
				- 陥没や隆起が生ずる。小石がパラパラ落ちる。
 
				- 山鳴りや妙な音がする。山の木が傾いている。
 
				- 枯れたことのない湧き水が止まる。
 
				- 傾斜面を水が走り始める。
 
			
			 
 
	- 地下室では、不意な浸水のため脱出できなくなり、溺れてしまう場合があります。
	早めに地下室から退出するか、止水板を設け浸水を防ぐことが必要です。 
	- 走行中の自動車が立体交差区間の地下部分で溜まった雨水に水没する事例があります。
	土砂崩れ、突風等もありますので、自動車の運転には特に注意が必要です。 
(2)強風
	- 強風による飛来物(瓦や看板など)の直撃を受けて、死亡する事例があります。やむをえず戸外に出るときはヘルメットや安全帽をかぶりましょう。
 
	- フェーン現象により火災が多発し、また強風により大火となりやすいことから、火の取り扱いに十分注意してください。
	消防本部から火災注意報などが発表された場合、たき火等は行わないでください。 
(3)高潮
	- 台風が接近しやすい8月から9月は潮位も高いため、また、台風の風などにより、海岸の周辺では海水による浸水被害が発生する場合があります。
	事前に土のうを設置することで浸水被害を防ぐことができる場合があります。 
(4)高波
	- 強風や波浪のため、高波が港湾の中や河口に押し寄せ、予期せぬ波にさらわれることがあります。
	海岸でも、散策、魚釣、モーターボート、サーフィンなどの海洋レジャーやスポーツで波にさらわれる場合もあります。 
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 4  高齢者等非難や避難指示が出た場合
	- 市や町ではみなさんの安全確保のため、避難指示などを発令します。こうしたときは、市町からの情報に従ってすぐに避難してください。
	
		- 避難指示
		危険が明らかに高まったときに発令されます。
		速やかに避難してください。 
		- 高齢者等避難
		危険が高まったときに、避難指示に先立ち発表されます。
		お年寄りなど避難に時間がかかる人は速やかに避難し、それ以外の人も避難の準備をしてください。 
	
	 
	- 避難指示などは、防災行政無線や広報車その他の手段でお知らせします。
 
	- お年寄りや子ども、障害者などには、周囲のみなさんが協力して避難を助けましょう。
 
避難のときの点検  8項目
家を出る前に
	- 避難の前に、必ず火の始末の確認を!
 
	- 避難の前に、ガスの元栓を締める。できれば電気のブレーカーも落とす。
 
	- 避難のための持ち物は、最小限にし、背中に背負うなどして。
 
	- 頭はヘルメットや安全帽で保護する。
 
	- 靴は丈夫で底の厚いものを!長靴は水が入ると歩きにくい。
 
家を出たら
	- お隣さんやお向かいさんに避難の一声を!
 
	- 近隣のお年寄りなどには地域のみなさんで手を貸して!
 
	- 避難は原則として徒歩で!
 
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 5  台風が過ぎ去った後
	- 台風が過ぎ去った後も、しばらくの間は、吹き返しの風に注意が必要です。
 
	- 暴風が過ぎ去った後は、切断した電線や街路樹の折損、看板等の落下の危険性もあります。
	屋外へ出るときは安全を確認してください。 
	- 大雨の後は、河川の増水がしばらく続き、がけ崩れも発生しやすくなります。
	危険な箇所に近づかないよう注意が必要です。 
	- 台風が過ぎ去った後、屋根や雨どい等の補修作業中に転落する事故も多く発生しています。
	高所での作業には十分注意してください。  
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