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更新日:2010年4月7日

対談・寄稿文 - 知事インタビュー - 知事に聞く熱い胸のうち~北陸新幹線は交流基盤整備の総仕上げ~

着々と進む高速交通網、金沢港の整備などにより、石川県はかつてない飛躍の可能性を秘めた時代を迎えようとしている。昨年は東海北陸自動道の全線開通、金沢港大水深岸壁の供用開始といったビッグプロジェクトの進展があり、懸案の北陸新幹線も平成二十一年度政府予算案の裏付けを得て二十六年度末の長野-金沢間の開業が事実上確定したことになる。「学都」が産声を挙げて六年余り、この間、石川県は着々と未来への礎を築いてきたと言えそうだ。県政の舵取りを担い続ける谷本正憲県知事に、これまで県土発展のために打ってきた布石の数々、さらに郷土の将来像を見据えた熱い胸のうちをインタビューした。

五年後に現実のものとなる北陸新幹線の金沢開業は、観光をはじめ石川県の産業を発展させるうえで多大な効果が期待されています。金沢開業を見据え、ハード・ソフトの両面において、どのように対処していこうとお考えでしょうか。

大きな視点で見れば、わが国の人口減少に歯止めがかからない中で、いかにして人の流れ、モノの流れを自分たちの県に呼び込むかが県土の活力を向上させるうえで重要な課題となっています。

この観点に立ち、石川県としてもこれまで小松空港の国際化、能登空港、金沢外環状道路、東海北陸自動車道に直結する能越自動車道、金沢港大水深岸壁の整備などを積極的に推進してきました。北陸新幹線の金沢開業は、こうした一連の交流基盤整備の総仕上げと言えます。

開業すれば、東京-金沢間が二時間半で結ばれ、現在の東京-長野間の運行本数がそのまま金沢まで運行すると仮定すれば、年間一千二百万席という高速・大量輸送能力を持つ乗物が金沢に来るわけですから、「あと五年しかない」という気構えで、その受入体制の構築を本格化かつ加速させていかなければならないと考えています。

もちろん、県としても全力を傾注しますが、やはり官民挙げて受入体制を整えることが重要です。ですから、現在、県内各界の方々で構成する戦略会議において、金沢開業に向けたアクションプラン策定の議論を進めて頂いています。「STEP21」と名付けたこのアクションプランは、誘客効果を高め、その効果を県内全域に波及させるもので、今年度末には策定する予定です。

そのプランを推進するため、私が本部長、県の各部局長が本部員となって「STEP21推進本部(仮称)」、さらにこれと並行して民間の方々に参加していただく「STEP21県民推進会議(仮称)」を遅くとも平成二十二年度までには立ち上げたいと考えています。この二つの組織をコーディネートする組織として、まずは新年度に、県庁に「新幹線・交通対策監」と、この対策監の下に「新幹線・交通対策監室」を設けます。

今、言われた組織としての取り組みと合わせて、石川県の魅力をより高める手立ても必要だと思うのですが、いかがでしょうか。

その点については、わが県の優れたもてなしと食文化に磨きをかけ、特色ある歴史、伝統、景観をより際立たせることが、首都圏から来られる人々の満足感につながると考えています。県都金沢の兼六園周辺から広坂にかけては、江戸・明治・大正・昭和、そして平成とそれぞれの時代の建造物がすべて揃そろっています。石川県の歴史と伝統を象徴するこのゾーンの魅力をより高めていきたいと考えています。

旧県庁の南ブロックは現在、リニューアルを進めていますし、取り壊した旧県体育館の跡地については、埋蔵文化財調査を経て藩政期の玉泉院丸庭園のほか、鼠多門や鼠多門橋などの建造物の整備のあり方について検討を進めることになると思います。すでにリニューアルを終えた石川四高記念文化交流館、県立美術館に続き、開館から二十二年が経過した県立歴史博物館についても、整備のあり方について検討を進めていく必要があると考えています。

言うまでもなく、北陸新幹線金沢開業の効果は金沢だけにとどめるものではなく、能登、加賀にも波及させなければなりません。波及させる手立てのヒントとなるのが、能登半島地震の風評被害払拭の一環として昨年開催された「能登ふるさと博」と「加賀四湯博」だと思います。能登の市町や各団体が一体となった「能登ふるさと博」と、加賀の四つの温泉が連携した「加賀四湯博」の二つのイベントは、それぞれ能登全域、加賀温泉郷全体の魅力を全国に発信した点に特徴があります。

能登各地の魅力、加賀の各温泉郷の持ち味をそれぞれセットで紹介したことで、従来にはなかった相乗的なアピール効果を生むことができたと思います。金沢開業に向けて、こうした広域的な取り組みを充実させることがとても大事ですね。

北陸新幹線については、平成二十一年度政府予算案に金沢-福井間の着工調整費が盛り込まれたことで、福井県までの延伸の道筋がついたと言えます。延伸に向けた福井県、富山県との連携についてはどのようにお考えでしょうか。

北陸新幹線は東京から高崎、長野、富山を経て金沢に至りますが、石川県の知事としては、やはり東京から二時間半で着く金沢へまず来て頂きたい。そして、三泊か四泊して金沢をはじめ石川県内、さらに隣接する県を周遊する旅をしてもらいたいと考えています。

石川県単独よりも、富山県、福井県、そして岐阜県と連携した方が、より大きな誘客効果を生むのではないでしょうか。昨年、私がこの隣接する三県の知事に提案し、新年度、白山を中心として県境の概念を取り払った回遊性のある旅行商品づくりを進める取り組みを始めます。加えて、白山をテーマとしたガイドブックを四県で連携して作成し、首都圏などからの誘客に活用したいと考えています。

例えば一つのアイデアとして、白山を中心に石川の白山蕎麦、富山の利賀蕎麦、福井の越前蕎麦、岐阜の郡上蕎麦を食べ歩くツアーなども面白いと思います。金沢開業に向け、四県が協力してこうした広域回遊の商品づくりを具体的な形で進めていけば、首都圏の人々の心を強く引き付けることができるでしょう。

遠来の人々に広域回遊を楽しんでもらうには、訪れる先々の魅力、つまり地域に特有の魅力が不可欠ですが、知事は石川県に色濃く残る「里山」「里海」の文化に着目した地域振興策に力を入れておられますね。

人と自然が共生する里山・里海の文化をしっかりと残すことは、遠来の人々に石川県の良さを堪能してもらうことにもつながるわけです。従来の物見遊山の旅や駆け足で名所を巡る団体ツアーは減少の一途をたどっています。そんな時代に、にわか仕立ての観光施設をつくっても、すぐに底の浅さを見抜かれてしまいます。やはりその地域に根付いた文化の本質やありのままの人々の営みを見て体験してもらう「本物志向」の観光が、これからの主流になっていくと思います。

その意味では、首都圏の人々が接することのできない里山・里海での生活を体験してもらうことは、時流に合っていると考えます。能登は里山・里海の宝庫であり、日本の原風景が息づいていますが、そこに暮らす人々だけで旧来の里山・里海の姿を保つのが難しくなっているのも事実です。例えば、首都圏から来られる人々に、田植えや稲刈り、雑木林の手入れなどを手伝ってもらい、里山の暮らしを味わってもらう交流があってもいいのではないでしょうか。そうすることで、里山の再生を図り、遠来客の充足感を生むことができれば一挙両得です。

能登には、約四十年前までトキが生息していました。早ければ来春から「いしかわ動物園」で佐渡のトキの分散飼育を引き受けることになり、遠い将来、再び能登の空にトキが舞う日を夢見る声も聞かれるようになりました。私もそんな夢を抱いていますが、ドジョウやタニシがたくさん生息したかつてのような豊かな里山を再生しなければ、夢の実現は難しいと思います。

県としては、里山再生に向けた県民総参加の取り組みを目指した施策を展開していきますが、その施策が実を結び、能登の空にトキが羽ばたく日が来れば、それこそ県民はもとより大都会から訪れる人々もその光景に心を弾ませることでしょう。

石川県のモノづくりにおいては、小松市を発祥の地とする世界的な建設・産業機械メーカーのコマツを核とする機械工業の集積があり、近年は金沢港の大水深岸壁整備に伴うコマツの金沢市への進出といった新たな動きもありました。今、世界不況のただ中にあって、中小企業の多い石川県の産業界も大きな試練に遭遇していますが、県として、モノづくりを基盤とする産業の振興にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

今回の世界不況は、アメリカを震源地として発生した大津波のようなもので、その波を受けた県内の企業の方々は懸命にその対応を模索して努力しておられます。震源地のアメリカに早く適切な対処をしてもらわないと、なかなか波はおさまらないという歯がゆさはありますが、いつまでも波が続くことはないでしょうし、いずれ先が見えてくると思います。

もともと、石川県にはモノづくりの厚い基盤、技術の高度な集積があり、苦境を乗り切る底力が備わっています。わが県のモノづくりの中核であるコマツと協力企業群は、今や世界中に優れた製品を送り出しており、こうした企業の奮闘が石川県の産業界全体の発展にもつながっていくものと思います。

グローバル企業のコマツは、平成十九年に金沢港に面した金沢工場を稼働し、現在建設中の金沢第二工場も完成を間近に控えています。モノづくりは裾野の広い重要な産業です。世界を相手にモノづくりを展開するコマツには、よくぞ、金沢で二つの工場の建設を決断して頂いたと思っています。

金沢港での工場の建設に際しては、三~四万トン級の大型船が入港できる大水深岸壁が必要であるということをお聞きしました。そこで、ただちに国へ働きかけるなど、その条件をクリアするための準備に奔走し、異例とも言える短期間のうちに大水深岸壁の供用にこぎ着けることができました。

金沢にコマツが進出し、金沢港に大水深岸壁が整備され、製品の積み出し港としての機能を高めたことで、石川県のモノづくりがさらに発展するための基盤が強化されたと思います。

コマツが金沢進出を決定した当時の坂根正弘社長(現会長)、現在の野路國夫社長の言動からは、コマツと石川県との縁を大切にするお気持ちが十分に伝わってきました。私も、草創期から小松市に根を張るコマツと石川県との信頼関係、コマツを中心とするこの地の機械産業の集積は、これからも末長く大事にしていかなければならないと思っています。

今は不況のただ中にありますが、そんな状況の中でも将来を見据えた技術開発、商品開発、さらにはモノづくりの新たな分野を拓く芽を育てておかなければなりません。そのために、昨年創設した二百億円の「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(略称・活性化ファンド)」を柔軟に活用し、新たな価値の創造に挑む地元の企業を積極的に後押ししていきたいと考えています。こうした取り組みの中でモノづくり企業の足腰が強くなり、将来の発展につながる礎が出来上がっていくでしょう。

今年は、知事にとって四期目の総仕上げの年ですが、どのような心構えで県政に取り組んでいかれるのか、最後にお聞かせください。

これまで県民の皆様の負託にこたえるべく、石川県の発展に向けた礎づくりと県民の安全、安心につながる施策に懸命に取り組んできました。今年も、そうした施策の実をさらに挙げるため全力投球していきたいと考えています。

今日までの取り組みで、石川県の持ち味に磨きをかけ、さらなる発展を遂げるための基盤づくりを着実に進めることができたのではないかと思っています。当県には、豊かな食文化、歴史、伝統が息づき、この土壌の中で育まれた優れた人材にも恵まれています。その意味では極めて完成度の高い地域です。恵まれたこの地の持ち味に一層磨きをかけ、完成度をさらに高める取り組みに渾身の努力を重ねていきたいと考えています。

 

(『学都30号』2009年2月20日発行)

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