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区域 金沢市野町1丁目、野町3丁目、弥生1丁目、寺町3丁目、寺町4丁目及び寺町5丁目の各一部
面積 約22.0ヘクタール
旧野田道沿いに寺院が並ぶ
六斗の広見(旧鶴来道)
選定年月日 平成24年12月28日
金沢市は石川県中部に位置し、市街地は小立野台の丘陵先端に築かれた金沢城を中心に広がる。金沢市は、現在の城の位置に一向宗の金沢御堂が築かれたことを起源とし、前田利家の入城後、慶長期に城下町の骨格が定められたが、寛永期の大火を契機に再編された。
城下町の建設に伴い、城下の寺院の結集が進められ、卯辰山麓、小立野台、寺町台の三つの寺町が形成された。このうち寺町台は最大の寺院数を数えた。
寺町台は金沢城の南西、犀川を越えた高台に位置する。寺町台には、前田家墓所のある野田山にむかって直線的に東に延びる旧野田道と、犀川大橋から旧野田道と交差し、南に延びる旧鶴来道が通る。寺町台は、この旧野田道、旧鶴来道の二本の街路を軸として、それぞれの道沿いに寺院が集積するとともに、旧鶴来道沿いには寺社門前地に町家が連なる。これらの地割は17世紀後半ごろには形成された。
保存地区には、52寺院が立地し、近世末からの地割をよく残し、寺院周辺の町家とともにまとまりある町並みを形成している。旧野田道沿いの旧野田寺町は、直線上に寺院の土塀が道沿いに連なり、寺町として特徴的な景観を形成する。一方、旧鶴来道沿いの旧泉寺町は、寺社門前地に形成された町家が通りに面して連なる。このように、二つの異なる景観からなることが地区の特徴となっている。寺院境内に残る本堂は、切妻造平入、又は妻入が多く、江戸時代のものが密度高く残る。寺社門前地の町家の主屋は、真壁造、切妻造平入、桟瓦葺、二階建が基本で、平屋建もある。
金沢市寺町台伝統的建造物群保存地区は、近世に形成された寺町の地割がよく旧態を保持している。旧野田道、旧鶴来道という二本の街路に沿って寺院が集積し、寺町としての特徴を示すとともに、旧鶴来道沿いには、寺社門前地に形成された町家が連なり、寺町台一帯に形成された歴史的風致を今日に良く伝え、我が国にとって価値が高い。
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