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区域 金沢市鶯町、子来町、東山1丁目、東山2丁目及び山の上町の各一部
面積 約22.1ha
選定年月日 平成23年11月29日
金沢市は石川県中部に位置し、市街地は小立野台の丘陵先端に築かれた城を中心に広がる。卯辰山麓は金沢城下に形成された3つの寺町のうちの1つで、金沢城の北東に位置し、近世を通じて金沢城下の寺町として機能した。
卯辰山麓の寺町には、17世紀中期に至るまで段階的に寺院が配されたが、寺院は宗派ごとにまとまって配された。延宝期(1673~1681)までには、寺町の町割と起伏ある山麓地形が相まって、独特な景観を形成していたとみられる。文政3年(1820)には、南西の一画に茶屋様式の町家が軒を連ねた、ひがしの茶屋町が成立した。
寺町の街区は、北国街道沿いや浅野川大橋の北東側に広がる平地部では整形で、山麓部では地形に制約され不規則な形態を呈したが、基本的には、北国街道から東側の各寺院へ向かって延びる参道と、それらを結ぶ数条の南北街路が町割を構成した。
北国街道から寺院へ向かう参道を基本とした独特な寺町の町割は現在も残り、寺院境内に残る本堂は、切妻造平入や妻入の特徴的な外観を持つ本堂が多く、江戸時代のものが密度高く残る。屋根は、当初の石置板葺屋根の緩勾配を維持するものもある。
保存地区は、東西約690メートル、南北約840メートル、面積約22.1ヘクタールの範囲で、浅野川の北側、北国街道の東側に位置する卯辰山麓の寺町のうち、平成13年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された、東山ひがし伝統的建造物群保存地区の範囲を除いた部分である。保存地区内には、37寺2社が立地し、寺院周辺の町家とともにまとまりある町並みを形成している。
金沢市卯辰山麓伝統的建造物群保存地区は、起伏ある山麓の地形にあって、北国街道から寺院へ向かって延びる参道を基本とした独特な寺町の町割に、江戸時代の切妻造平入や妻入の特徴ある寺院本堂が密度高く残り、寺院周辺の近世から近代にかけての町家とともに、卯辰山麓一帯に形成された寺町の歴史的風致を今日に良く伝え、我が国にとって価値が高い。
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