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令和5年7月21日(金曜日) 14時00分~
まず先週12日からの線状降水帯による大雨により、被害に遭われた皆様に対してお見舞いを申し上げます。先週土曜日には、被害のあった内灘町、河北潟、かほく市、津幡町の現場を直接確認しました。被害の詳細な把握を進めるとともに、各市町の声を踏まえて、応急復旧を進めますし、9月補正でも必要な復旧費を計上したいと考えております。今回の一連の大雨では、本県を含む北陸地方のみならず、九州地方や東北地方などの広い範囲で被害が発生していることも踏まえて、被災地の復旧を迅速に行うため、これらの一連の災害を早期に激甚災害に指定するよう国に求めたと思います。そこで、来週の全国知事会議において発言したいと思います。
また、一昨日、加賀市の観光施設にツキノワグマが侵入いたしました。侵入したクマは今のところ見つかっておりませんが、加賀市では、朝夕のパトロールや捕獲檻の増設などの対策強化を行うと聞いております。例年に比べて、今年は県内ではクマの目撃件数は多くはありませんが、近年の傾向を見ると、人里近くで出没が多くみられることから、油断することなく被害防止対策を行うことが重要と考えています。今回クマの出没があった周辺地域の方はもとより、その他の地域の皆様におかれましても十分注意を払っていただきたいと思います。 それでは、本日は、私から5点ご報告させていただきます。
まず1点目、新型コロナウイルス感染症の発生動向についてです。7月10日から16日までの直近1週間における県内48医療機関から報告される定点あたりの感染者数は13.08人となっておりまして、全国と比較すると高い水準となっています。緩やかな増加傾向が続いています。入院者の数については、最大確保病床の403床に対して十分余裕がある状況ではありますが、増加傾向にあります。403床ある分の86床となっておりまして、21.3%、こういう数字です。昨年は6月下旬から定点あたりの感染者数が増加して、8月中旬に感染状況のピークとなるなど、こうした過去の状況を踏まえると、今後、夏に一定の感染拡大が生じる可能性があります。
これから本格的な夏休みシーズンに入り、来月にはお盆も迎えることとなります。観光シーズンともなります。旅行や帰省などにより、飲食の機会が増えます。感染リスクも高まります。高齢者や基礎疾患のある方が感染すれば重症化リスクも高まります。以上のことから、高齢の方と会う場合や大人数で集まる場合は、感染予防を心がけ、体調を整えるようにしていただきたいと存じます。換気、手洗い、手指消毒は基本的感染対策として引き続き有効とされています。また、通院や高齢者施設を訪問する際は、感染予防としてマスクの着用が効果的であります。受診時や医療機関・高齢者施設などを訪問する際や、混雑した電車やバスに乗車する際などは、感染予防としてのマスクの着用を改めてお願いしたいと思います。一方、マスク着用により、熱中症のリスクがより高まることから、水分補給をするなど、十分注意をいただきたいと存じます。
6月補正で措置をした物価高騰対策の取り組み状況について報告いたします。それぞれの支援策の受付開始時期や具体の手続きなど、準備が整ってまいりましたので、今日まとめて報告をいたします。
まずは、生活者への支援についてです。LPガス利用世帯の割合が6割と全国的にも高く、LPガス利用者の負担軽減については、8月と9月の使用分からそれぞれ1件あたり1,150円を減額することとしております。昨日7月20日から、石川県エルピーガス協会が、実際に各利用世帯への減額を行う販売店に対して、事務手続きなどの説明会を始めました。この支援策につきましては、LPガスの使用分からあらかじめ減額した上で請求することとしておりまして、LPガス利用者の方々からの申請は不要であります。
中小企業・小規模事業者への支援については、「高圧」と「特別高圧」の電気料金及び「工業用LPガス」の料金について、使用量に応じて支援を行うこととしています。支援対象となる9月分までの使用量が確定する10月には速やかに交付できるよう準備を進めてまいります。
次に農林漁業者への支援についてです。畜産農家の配合飼料の購入に対する支援、あるいは、農業水利施設の維持管理に対する支援については、国の上乗せ支援となることから、国のスケジュールに合わせて、来月上旬以降に順次申請受付をスタートさせます。漁業者の水産物の鮮度保持用の氷の購入に対する支援については、今月中にも交付決定を行います。県漁協を通じて、助成を行います。いずれの制度も申請受付後、速やかに交付手続きに入ります。
次は、医療機関、福祉施設、公衆浴場への支援についてです。燃料や電力の消費抑制によるコスト削減につなげるための空調や照明、冷蔵・冷凍設備などの省エネ設備の導入支援については、7月18日から申請受付を開始しております。加えて、光熱費や食料費の負担軽減を図るため、施設の類型に応じた支援金を支給することとしておりまして、現在、申請受付開始に向けた準備を進めています。8月7日には、施設からの受付を開始し、8月下旬以降、順次交付いたします。
最後に、公共交通事業者等への支援です。公共交通事業者等に対しては、各事業者が保有する対象車両について、台数あたりの支援金を交付することとしています。今月11日に申請受付を開始しており、早ければ8月上旬にも交付を開始できるように、順次審査を進めてまいります。引き続き、物価高騰により厳しい状況に置かれている県民及び県内事業者の皆様に対し、速やかに支援をお届けできるように、迅速に準備を進めてまいります。
3点目になります。大学との包括連携協定の締結についてです。まず1つ目は、金沢美術工芸大学との包括連携協定です。
本県と金沢美術工芸大学とは、これまでも、県立図書館や県立音楽堂における美大生のオリジナル椅子制作プロジェクトや、県立盲学校における「ふれてみる彫刻展」などで連携を図ってきました。こうした中、金沢美大の県立図書館真向いへの移転をきっかけに、連携の幅をさらに広げるため、同大学との包括連携協定を締結することといたしました。協定締結式は、金沢美大の山崎学長にご出席いただき、8月1日に県立図書館で行います。協定の内容は、文化芸術の振興や、アートによるまちづくり及び地域活性化などとなっています。具体的には、本年秋の「いしかわ百万石文化祭2023」での「道の駅学生アートプロジェクト」や「ISHIKAWAみらいアート展」、これは、県内障害者の作品展でありますが、この石川未来アート展への美大生の参画や、今後県立図書館や県立美術館などにおける、美大生による子供向けワークショップ、絵画教室といった普及啓発事業、こうしたことを連携して行っていきたいと考えています。
2つ目は、既に6月議会の議案説明で申し上げた日本大学との包括連携協定についてです。こちらも8月1日に、林真理子理事長に県庁にお越しいただき締結します。 今後、協定に基づいて、日大とは、「教育・文化」分野では、日大芸術学部演劇学科教員による石川県立七尾東雲高校演劇科での授業や、日本大学学生による県内でのフィールドワーク、「産業」分野では、学生の県内定着を目的とした、県内企業でのインターンシップや、日本大学内でのUIターンセミナー、「観光」分野では、大学内での観光物産イベントの開催、このほかにも、県が主催する防災分野等のイベントでの協力を行うこととしております。今回の金沢美大、日本大学のほか、今年に入って東京芸術大学や日本体育大学とも包括協定を締結しています。これらの大学との連携を一層深め、地域の活性化につなげてまいりたいと存じます。
4点目です。県立美術館VRシアターのオープンについてです。県では、8Kの高精細画像やCGなどの最先端の映像技術を活用して、県立美術館や前田育徳会が所蔵する、国宝や重要文化財等から厳選した名品を、様々な視点から分かりやすく鑑賞できるVRシアターを整備します。本県の質の高い美術・工芸文化の魅力を発信するとともに、現在、文化観光推進本部を立ち上げ、部局横断で取り組んでいる、「文化観光」をさらに推進することとします。昨年来、今秋の国民文化祭に間に合うように、鋭意整備を進めてきましたが、いち早く今月29日にオープンできる運びとなりました。県立美術館2階のコレクション展示エリア内に開設し、定員は30名、観覧料はコレクション展の観覧料に含まれます。具体の上映作品については、1「美を紡ぐ、そして文化を育む-加賀前田家から現代へ、そして未来へ-」と題して、藩政期以来、400年以上にわたる石川県の美術工芸文化の発展と継承の歴史を紹介いたします。2つ目は、「色絵雉香炉 -悠久の時を超えて-」と題して、国宝「色絵雉香炉」と重要文化財「色絵雌雉香炉」について、通常の展示では知ることができない制作工程や、作品が生まれた背景などをたどるもの、この2つのコンテンツを1日3回上映いたします。本日は、PR用に制作した、「色絵雉香炉」のショートバージョンを今からご覧いただきます。1分43秒ございます。では、映像をお願いいたします。(PR動画再生)是非、県立美術館に足を運んで、8Kプロジェクターと150インチスクリーンでご覧いただいて、石川県の質の高い美術・工芸文化の魅力に触れていただきたいと思います。なお、今ご覧頂いた動画につきましては、シアターのオープンに併せて、29日からYouTube等で放映をすることとしております。
最後5点目であります。農業人材の確保とスマート農業の普及の新たな取り組み状況について報告します。本県では、近年、平成21年のいしかわ耕稼塾の開講前と比較して、約4倍となる年平均120人程度の新規就農者を確保しております。しかし、農業者の高齢化と減少が急速に進む中で、農業分野での人手不足が深刻化しています。そのため、今年度から、新卒者、外国人などの多様な人材の確保や、省力化・効率化に資するスマート農業の普及に向けた取り組みを既に始めておりますので、紹介いたします。まず、人材確保については、農業系の高校に対する取り組みとして、生徒の就農意欲の喚起を図るため、津幡高校、七尾東雲高校、能登高校、翠星高校と連携して、6月から農業法人の見学会や講演会を開催しておりまして、合わせて約250人が参加し、参加した生徒からは、職業として農業を認識するきっかけになった等の声がありました。また、新たに県立大学と連携し、意見交換会を開催しているほか、8月から新たに農業法人でのインターンシップ体験を実施することとしており、現在参加者の募集中であります。
加えて、外国人材の確保を図るため、農業法人などに対して、受入れに必要な手続き・定着のノウハウを学ぶセミナーを、農閑期に入る10月以降に開催することとしています。また、スマート農業の普及としては、スマート農機の選定や導入の相談などを受け付ける、「いしかわスマートアグリプラットフォーム」をいしかわ農業総合支援機構(INATO)に6月末に設置をいたしました。また、積極的に現地に出向き、先月から、スマート農機の紹介や実演会等を実施しておりまして、実演会には合わせて約100人が参加をし、参加した農業者からは、導入のイメージがしやすくなったと、こういう声をいただいております。これ面白いのでちょっと具体的に報告するとですね、リモコン草刈機による除草作業、これは津幡と穴水でやりました。ドローンによる水稲の生育診断、これは能美市でやりました。農薬の自動散布車による果樹の防除、これは志賀町で7月30日にやる予定です。秋以降も、その時期の農作業に合わせたスマート農機の紹介などを行ってまいります。
私からは以上となります。
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