議案説明要旨（平成26年第4回県議会定例会） - 平成26年9月9日 - 「競争力のある元気な産業づくり」について

◎9月補正予算の編成について

3.「競争力のある元気な産業づくり」について

第三は、「競争力のある元気な産業づくり」についてであります。

我が国経済につきましては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつあり、緩やかな回復基調が続いております。本県経済につきましても、鉱工業生産指数がリーマン・ショック時を超える水準で推移し、個人消費も緩やかに持ち直しているほか、有効求人倍率についても、一倍を大きく上回る状況が続いております。

こうした景気回復の動きを確かな成長軌道へとつなげていくため、先般策定した石川県産業成長戦略を拠り所として、県内企業が将来の成長に向けた一歩を踏み出すことを後押しする施策を展開してまいります。

本県産業を支える裾野の広い次世代産業として期待される炭素繊維分野の取り組みについては、先般、環境性能に優れ、低コストで多様な用途に活用できる革新的な新素材の研究開発拠点となる革新複合材料研究センターが開所したほか、炭素繊維複合材料の用途拡大を目指し、成形や加工などの川中産業が集積する北陸地方と、自動車や航空機などの川下産業が集積する東海地方の関係者が一堂に会し、それぞれの技術シーズやニーズを交換する交流会を十一月十二日及び十三日に愛知県で開催することといたしました。

こうした炭素繊維分野をはじめとする「北陸産業競争力強化戦略」に基づく取り組みが、先般、国の地域活性化モデルケースに選出されたことから、地域活性化の推進に関する関係閣僚会合において、地域が有する技術に光をあて、世界に通用する技術に育てることは、地域の活性化のみならず、我が国の国際競争力強化に資することを提案したところであります。このことにより、新たに、先に申し述べた北陸地方と東海地方の連携強化のための交流会の開催や炭素繊維複合材料の成形に活用が可能であり、県内企業の関心も高い最新の3Dプリンタの導入などについて、国の支援を受けられることとなりました。

国際展開の拡大につきましては、近年、県内企業の進出が相次ぎ、企業アンケートにおいても高い関心が寄せられている東南アジアへの展開を支援する体制を、先に申し述べたシンガポール事務所の開設により、抜本的に強化することとしております。

また、シンガポールは、東南アジアの交通や情報の中心地であり、当地においては、和食が世界無形文化遺産に登録されたことも追い風に、和食に対する関心が高まっているほか、県内企業の輸出が増加するなど市場も拡大しております。こうした中、今般、県内の食品業界が初めて現地で開催される見本市に出展する運びとなったことから、この機会に、先に訪問した際の現地経済関係者からの提案も踏まえ、石川の魅力ある食材を使った料理と伝統的工芸品の器を組み合わせるなど、本県の食文化の総合力を発信することとし、私が現地を訪問し、食やメディア関係者等のオピニオンリーダーに対し、トップセールスを行うことといたしました。

併せて、シンガポールに加え、円安などを追い風にさらなる誘客の拡大が期待できるインドネシアにおいて、直接、現地旅行会社に旅行商品の造成を働きかけるなど、経済発展の著しい東南アジア諸国との経済や観光をはじめとする様々な分野における交流拡大につなげてまいりたいと考えております。

また、国内における販路開拓の支援につきましては、技術提案型の展示商談会を七月に本田技研工業 との間で開催し、県内企業三十四社が高度な技術力を積極的にアピールしたところであります。今後さらに、技術者同士が膝を交えて商談を行う小規模型の商談会を十月二十八日及び二十九日にマツダ との間で開催するほか、大手発注企業を招へいした受注開拓懇談会を十一月二十五日に東京で開催することとしたところであり、こうした取り組みを通じて県内企業の販路や受注の開拓を積極的に推進してまいります。     

  

以上

 

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