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更新日:2013年8月14日

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基調講演「人とクマとの共生は可能か」

羽澄俊裕((株)野生動物保護管理事務所代表取締役社長)

獣の分布は拡大している

21世紀初頭の今日、日本の大型哺乳動物の多くは大幅に分布を拡大しています。分布拡大の大きな理由は、一言で言えば、中山間地域の過疎が究極の段階を迎えたことによります。中山間地域の人口減少と深刻な高齢化の進行、農林業の後退、それによる放棄された耕作地や林地の増加、猟師の高齢化と減少。これらの一つ一つが、いずれも大型哺乳類の分布進出を招いた要因と言えるでしょう。

人への害は獣にも害

生動物の分布拡大とは、今までいなかった地域にまで進出してくるということですが、地域的に見れば人里への進出の促進です。野生動物が頻繁に農地を荒らすようになり、市街地にまで出てきて生ゴミをあさるようになる。とくに、クマのような人身事故につながる可能性のある動物は、地域の方々の不安の種になっています。しかし、野生の動物がゴミあさりを習慣化していくということは、野生の行動習性を失っていくということでもあります。それは彼らにとっては自然界で生きる術を失うことにつながります。ですから、被害の問題というものは、地域の方々にとっても、野生動物にとっても負荷のかかるものです。

新しい時代の地域の設計

たがって、大事なことは、どこかできちんと棲み分けをするということです。その前線はどこなのか。それを決めるのは、実のところ、地域再生の方向にかかっています。あなたの地域において、これからの時代の地域再生をどのように設計していかれるのでしょうか。その設計の方向が決まれば、野生動物と対峙する方法を見いだすことができます。そのことがはっきりしないままでは、野生動物の問題に対する根本的解決の方法を見いだせません。

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所属課:生活環境部自然環境課 

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