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更新日:2010年8月24日

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4.きのこ優良品種育成に関する試験(第4報)

予算区分       県単
研究期間       平成6~10年度
担当科名       生物資源科
担当者名       三浦  進・宗田  典大

I.まえがき

  近年のシイタケ栽培は、集約的な経営が可能な菌床栽培方式が増加しつつある。しかし菌床栽培は技術体系が完成されたとは言い切れず、また種菌も種菌メーカーの供給する、幾つかの品種に限られている。一方でシイタケの市場は、低価格、高品質をめぐる産地間競争が繰り広げられており、生産コストの低減と、流通段階を通しての一層の品質管理が求められている。
  本課題では、菌床栽培に適した種菌の開発を目的としているが、特に害菌抵抗性の強い品種の作出に主眼をおいた。

II.方法

  昨年度は、作出した交配株の基本特性を調査し、子実体発生量の多い3系統(DiD,DiF,DiW)と、害菌抵抗性の強い1系統(DiQ)を選抜した。
  そこで今年度は害菌抵抗性が強く、子実体発生量の多い系統の作出を目的に、両系統の交配を行い、交配株の害菌抵抗性を評価した。子実体発生量の多い、DiD,DiF,DiW,LE33の2核菌糸体と、害菌抵抗性の強いDiQの1核菌糸体を用い、ダイモン交配を行った。その結果52系統の交配株が得られた。これらの交配株の菌糸生長速度を測定し、生長速度の速い8菌株(Fq27,33q37,Dq23,Dq19,D333,D335,F3316,D3333)を選抜した。
  次にこれら8菌株の害菌抵抗性を評価した。シャーレに広葉樹木粉:コメヌカ:ふすま=8:1:1(体積比)を詰めシイタケ菌糸を蔓延させた後、トリコデルマ菌(T.viride)の胞子懸濁液(5×107個/ml)を散布、またはトリコデルマ菌糸体(直径7mm)を置床し、31℃で2週間培養した。その後シイタケ菌糸体の、トリコデルマ菌による侵害面積率を、7段階で評価した。

III.結果

  交配株から選抜した、生長速度の速い8菌株の害菌抵抗性を評価した。
評価に際しては、市販の菌床栽培用品種の結果を基準にした。トリコデルマ菌の胞子懸濁液を散布する方法では、33q37とDq19が市販品種を上回る抵抗性を示した。またトリコデルマ菌糸体を置床する方法では、33q37とD333が市販品種を上回った。特に33q37は2つの評価法で共に、市販品種を大きく上回る害菌抵抗性を示し、また親株DiQの害菌抵抗性も上回った。今後33q37を中心に子実体発生試験を行い、害菌抵抗性のシイタケ種菌として、実用化の可能性を評価していく。

 

お問い合わせ

所属課:農林水産部農林総合研究センター林業試験場

石川県白山市三宮町ホ1

電話番号:076-272-0673

ファクス番号:076-272-0812

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