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更新日:2010年8月24日

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2.有用性腐性性キノコ栽培技術の開発(第3報)

予算区分       県単
研究期間       平成7~11年度
担当科名       生物資源科
担当者名       宗田  典大・能勢  育夫

I.目的

  本県で食用にされている野生キノコには腐性性キノコが多くある。これらのキノコの培養、発生特性を調査し、栽培技術の開発を図る。

II.本年度の試験内容及び結果

  i.スギヒラタケ

(1)回転培養試験

  スギ樹皮38gと水道水100ccをマヨネーズ瓶に封入し10分間オートクレーブをした。その後スギ樹皮を水道水で洗浄し、蒸留水、スギ樹皮抽出液、野菜ジュース上澄みをそれぞれ25ccを添加し再度30分間滅菌しスギヒラタケ菌を接種した。培養は回転培養器を利用し、スギ樹皮の間を培養液が循環するように毎分1回転で行った。培養室は23℃に設定した。90日後スギ樹皮の表面に菌糸が伸長した。しかし菌糸の著しい増殖は認められなかった。また約270日後培養室から出し室温で管理したところ野菜ジュース上澄み添加区で子実体の原基形成が観察された。その後観察を継続したが子実体形成まで至らなかった。

(2)スギ樹皮抽出液と野菜ジュース上澄み液での液体培養試験

  スギ樹皮抽出液と野菜ジュース上澄み液がスギヒラタケ菌糸生長に及ぼす効果について検討した。実験区はスギ樹皮30gに蒸留水100ccを添加し、15分間オートクレーブし、濾過して得たスギ樹皮抽出液区、市販の野菜ジュースを遠心分離し上澄みを濾過して得た野菜ジュース上澄み液区、スギ樹皮抽出液と野菜ジュース上澄み液を等量混合した混合区を設定した。培養は23℃で行った。培養開始から37日後、菌糸の絶乾重量を測定した。結果、野菜ジュース上澄み区と混合区ではほとんど差がなかったが、スギ樹皮抽出液区とは約4倍の菌糸の生長差が計測された。

(3)アカマツ腐朽材の利用

  スギヒラタケの発生していたアカマツ倒木を粉砕、滅菌し、野菜ジュース上澄み液添加区と蒸留水添加区を設定し23℃で培養を行った。90日後の野菜ジュース上澄み添加区では比較的良好な菌糸の生長が確認された。

ii.その他の有用腐生性きのこ

(1)オオイチョウタケの分離に成功した。菌床栽培を試みたが子実体の形成は見られなかった。
(2)ヌメリスギタケ(PA97)の分離に成功した。PA97は試験管内で子実体を形成し、子実体形成が容易である可能性が示唆された。

 

お問い合わせ

所属課:農林水産部農林総合研究センター林業試験場

石川県白山市三宮町ホ1

電話番号:076-272-0673

ファクス番号:076-272-0812

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