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史跡名勝天然記念物(天然記念物)
珠洲市若山町南山テの部40番地ほか
(別表の範囲 約5,466平方メートル)
石川県、谷内栄吉ほか34名
アテは、ヒノキ科アスナロ属アスナロの変種であるヒノキアスナロの北陸地方における地方名である。北海道南部から能登半島の日本海側を天然分布域とし、能登半島は国内分布の南限となる。
能登地方のアテの由来については、在来説と、奥州からの移入説がある。在来説は、昭和47年以降、宝立山北部の4カ所の急傾斜地において、伏条更新と実生による天然林と考えられるアテ分布地が確認されたことを、有力な根拠とする。
珠洲市南山地内の天然林は、樹高13~14m、幹周100~125cmを測るアテが確認できる。
珠洲市洲巻地内の天然林は、洲巻集落の「水守り山」として、大切に守られてきたものであり、樹高20m、幹周236cmを測るアテを最大に、約25本が確認できる。
輪島市寺山地内の2カ所の天然林は、通称「猿淵」と呼ばれる鈴屋川両岸にあり、幹周約250cmを測るアテを最大に、約32本が確認できる。
これらの天然林のアテは、能登地方で植林されている品種とは、葉形、樹幹などの特徴において異なるものが多く、品種改良以前のアテの様相を示すものとして、植物学的に貴重である。
「宝立山アテ天然林」は、アテの天然分布の南限であり、植物学的に貴重であることから、文化財的価値は高く、天然記念物に指定し、その保護を図ることが必要である。
珠洲市天然記念物指定 平成11年5月19日
珠洲市天然記念物指定 追加指定 平成18年1月31日
輪島市天然記念物指定 平成18年2月1日
(旧輪島市天然記念物指定 平成17年12月26日)
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