議案説明要旨（平成26年第5回県議会定例会） - 平成26年11月28日 - 北陸新幹線について

◎県政の諸課題の進捗状況について

1.北陸新幹線について

次に、その他の県政の諸課題につきまして、進捗状況等をご説明申し上げます。

北陸新幹線の金沢・敦賀間につきましては、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームにおける金沢・敦賀間の工期の三年前倒しを目指す方針を受け、整備新幹線に係る政府と与党からなるワーキンググループにおいて、来年度の予算編成に向けて財源上や技術上の課題などについて議論がなされているところであり、政府・与党において、しっかりと議論を進めていただき、大幅な工期短縮を実現していただきたいと考えております。

今後とも、金沢・敦賀間のできる限り早期の完成と必要な予算の確保を国に働きかけるとともに、大阪までのフル規格による早期全線整備について、関西圏を含めた沿線地域との連携を密にし、県議会及び関係各位のご支援をいただきながら、取り組んでまいる所存であります。

並行在来線につきましては、IRいしかわ鉄道において、運賃や乗継割引の概要を発表したところであります。運賃については、先行する並行在来線の事例を大きく下回る水準に抑制したほか、利用者の約八割が他の路線への乗り継ぎ利用者であり、乗り継ぎに伴う負担が最大で二倍程度となる区間も見込まれたことから、運行支援基金を活用した乗継割引を導入し、負担を平均で一・一倍から一・二倍程度と大幅に抑制したところであります。

今後は、運賃やサービス内容等を掲載した利用の手引きを作成するなど、開業に向けた準備を着実に進めるとともに、高校や経済団体等に対する利用の呼びかけや沿線市町と連携した駅周辺での賑わいづくりなどを通じ、利活用促進や県民の皆様方のマイレール意識の醸成に、引き続き、取り組んでまいります。

先月八日に銀座にオープンした新たなアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」につきましては、これまでの一日平均の来店者数が移転前の約八倍となるなど、順調なスタートを切ったところであります。今後は、運営事業者とも連携し、魅力的なイベントを開催するほか、物産販売のみならず、首都圏における観光誘客、販路開拓、移住促進の拠点として積極的に活用し、本県の魅力を戦略的かつ継続的に発信してまいります。

北陸新幹線金沢開業に向けた戦略的なPRにつきましては、先月、「日本橋・京橋まつり」において、昨年を上回る約八万人の来場者に対し、能登キリコや加賀鳶はしご登り、山代大田楽などによる大規模なパレードを行うとともに、特色ある食や伝統的工芸品などをアピールいたしました。加えて、東京駅周辺においても、オーケストラ・アンサンブル金沢による開業PRコンサートなどを開催したところであり、首都圏をはじめとする多くの皆様方に本県の魅力を強く印象付けることができたと考えております。今後とも、集客力の大きいイベントを活用した情報発信を波状的に行うことで、新幹線開業に向け、具体の誘客につなげてまいりたいと考えております。

また、開業効果を県下全域に波及させていくためには、地域の観光素材を最大限活用し、多くの旅行商品を造成することが重要であります。このため、来年十月からの北陸デスティネーションキャンペーンに向け、先月開催された全国販売促進会議において、これまで発掘と磨き上げを行ってきた地域ならではの観光素材について、全国の旅行会社に対し提案をいたしました。この会議には、開業先行県を大きく上回る旅行会社の商品企画担当者にご参加いただいたところであり、今後は、首都圏の旅行会社を直接訪問するなど、きめ細かなフォローアップを行い、市町や観光団体と一体となって、できるだけ多くの旅行商品の造成につなげてまいりたいと考えております。

金沢城公園の整備につきましては、北陸新幹線金沢開業までの完成に向け、橋爪門の復元や玉泉院丸庭園の暫定整備などに鋭意取り組んでいるところであります。このうち玉泉院丸庭園に整備する茶室機能を有する休憩所の名称を、加賀藩二代藩主前田利長の正室「玉泉院」が晩年を過ごした地にあることから「玉泉」を冠するとともに、侘び、寂びを感じさせる「庵」の字を用いた「玉泉庵」とすることといたしました。この「玉泉庵」では、呈茶によるおもてなしを行うとともに、園内はもとより周辺観光施設も含めた総合案内機能を備え、観光客の方々へのサービス向上を図ることとしております。また、県民の皆様方の様々な文化活動にも広く活用いただきたいと考えており、使用料を定めるための関係条例の改正を今議会に提案しております。   

  

以上

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