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更新日:2010年4月20日

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元金沢貯蓄銀行(旧北陸銀行尾張町支店)・城南荘(旧横山邸)居宅・土蔵

 元金沢貯蓄銀行(旧北陸銀行尾張町支店)(1棟)

明治40年(1907)末  
石川県
(石川県立郷土資料館分館町民文化館  金沢市尾張町1-11-8)

元金沢貯蓄銀行(旧北陸銀行尾張町支店)
県指定文化財  昭和51年9月21日指定

観が和風で、内部意匠が洋風という、特異な建物である。外壁は塗籠土蔵造り、艶消の江戸黒仕上げとし、腰部に赤戸室石を積込み、黒と赤の対照が洒脱なたたずまいを見せる。鈍重な壁の質感に対して、入母屋造りで反りを持ち棟に1対の鯱を立てる重厚な城郭風の屋根をかけて平衡をとり、それによって増す建物の高さを、前面の庇の水平線によって安定させて破綻がない。非凡な造形力を示すものである。内部の洋風意匠は木彫で西洋古典建築のモチーフを精緻に再現している。しかし、その形態や用い方は古典の法則にこだわらず自由奔放であり、それは特に部屋中央の規矩を破った大アーチの意匠に表われている。このように、内部を洋風としながら、外観では洋風の混入を極力避けるという折衷の方法は、いわゆる擬洋風建築とは異なったものである。この和様城郭風の屋根を内部で支えている小屋組みは、純然たる洋風の構造、キングポスト・トラスで、屋根の反りをつくるために真束を伸ばすなど非凡な工夫がしてある。設計は恐らく中越銀行を設計した長岡平三と思われるが確証はない。
昭和60年「石川の文化財」より

  

城南荘(旧横山邸)居宅・土蔵(2棟)

明治27年(1894)  
石川県  金沢市広坂1-8-19


城南荘(旧横山邸)居宅・土蔵
 県指定文化財  昭和54年12月19日指定

南荘は、旧加賀藩の重臣の1つである横山家を継承した横山隆平が、明治27年(1894)に、長男隆俊の結婚準備もあって、金沢市柿木畠の旧本多主水屋敷跡の地に、新しく居宅として建てた建物の1部である。現在残っているのはすべて私的な居住部分であり、表向きに使用された部分は残されていない。旧藩の御用職人が、藩政期以来の伝統に明治の新しい感覚を加えて作事した最後の建造物といってよく、また、当時、尾小屋鉱山などを経営して、北陸の鉱山王といわれた横山家の本家の遺邸として、その歴史的・文化的価値は高い。中心になる書院の間は、当主の居間として使われていた部屋で、10畳間に床・棚と出書院を設け、1間の入側をつけて内庭に面し、軒の深い庇は土縁の役をしている。当主の居間・寝室という用途のため、控え目の穏やかな部屋に造られているが、目立たない要の部分に、横山家の富勢をしのばせる材料の選択とすぐれた技術を各所に配してある。地袋に相川松濤の彫刻があり、筆返しの木口に截り金が貼られているなどがそれである。  
昭和60年「石川の文化財」より

 

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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