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更新日:2010年9月14日

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紙本墨書作庭記・紙本墨書斎宮女御集断簡(小島切)・紙本墨書 恵慶集

 紙本墨書  作庭記(2巻)

  鎌倉時代
  個人蔵  金沢市
  上巻  縦  28.5センチ  横  1114.2センチ
  下巻  縦  28.5センチ  横    950.0センチ

作庭記

重要文化財  昭和25年8月29日指定

造庭に関する思想・技術を理論的に記述した最古の秘伝書。もと無題。別称『前栽秘抄』などという。作者は橘俊綱(生没未詳)と考えられ、長久年間から寛治年間(1040~1094)にかけての成立とされる。
該本は、最古の写本で、上下2巻。奥書に「正応第二夏林鐘女七朝徒然之余披見訖、愚老(花押)/後京極殿御書重宝也可秘々々(花押)」とある。ために、長く後京極良経の著作と考えられてきたが、近年の研究で、内容上からの検討により、さらにさかのぼって俊綱の著作説が定説化された。俊綱は「水石風骨を得たる人」(『尊卑分脈』)で、造庭にふさわしい人物。延円阿闍梨の立石の秘伝などを参考として構成したようである。寝殿造りを前提として、立石・島・池・河・滝などの次第を詳述し、後半は立石の口伝・禁忌などを述べ、最後は楼閣の条でおわる。当時の四神相応観・陰陽五行説が造庭にも重視され、王朝の思想的背景を反映したものとなっている。
昭和60年「石川県の文化財」より

 

紙本墨書 斎宮女御集断簡(小島切)(1帖)

  平安時代
  個人蔵  白山市
  縦  22.1センチ  横  16.4センチ

斎宮女御集断簡(小島切)

重要文化財  昭和25年8月29日指定

前斎宮であり、村上天皇女御でもあったことから「斎宮女御」と称された徽子女王(929~985)の家集である。歴代斎王のうち、最も優れた歌人の一人で、三十六歌仙に入る。風を詠んだ歌が殊に秀逸。なかでも「琴の音に峯の松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけむ」の歌は広く人口に膾炙した。『斎宮女御集』の大半は、村上天皇との優美な贈答歌であり、その清楚、格調の高い歌風は、王朝女流歌人の中でも特異なものである。
該本は、古くは小島宗真家所蔵のもので、現在は断簡として諸家に分蔵されており、完本ではないので「小島切」と称する。原型は、現存の断簡の形態から推して、諸伝本中でも独自の形態をもつもの。繊細な筆致は、伝小野道風筆とされたが、本家集の成立時期から察してあり得ない。本断簡は、飛雲の料紙に19首を収め、その遊糸連綿の妙は古筆切の中でも屈指の名筆とされている、斎宮女御の歌風そのままの格調の高さといえよう。前田家旧蔵。
昭和60年「石川県の文化財」より

 

紙本墨書 恵慶集 下 附同書上(烏丸光広等四人筆)平目地蒔絵文様筥(1帖)

  鎌倉時代
  金沢市(金沢市立中村記念美術館保管  金沢市本多町3-2-30)
  縦  15.5センチ  横  14.7センチ

恵慶集  下  附同書上(烏丸光広等四人筆)平目地蒔絵文様筥

重要文化財  昭和25年8月29日指定

恵慶の私家集。恵慶は、平安時代前期の歌僧。『中古歌仙三十六人伝』に「先祖不覚、後拾遺集目録云、称播磨講師、寛和比人云々」とあるように、その出自・経歴・生没年などは未詳。家集によれば、交友極めて広く、元輔・好忠・兼盛らの専門歌人と交遊。事跡から、その生年は天暦3年(940)以前であって、正暦3年(992)頃までの活躍が確認される。『拾遺集』以下の勅撰集に55首入集。『百人一首』に「八重葎しげれるやどのさびしきに人こそ見えぬ秋はきにけり」がある。
『恵慶法師集』は、正暦年間(990~995)頃に成立し、自撰のものか。伝本は、古本系と流布本系(定家本系)に2大別され、該本(通称「前田家本」)は流布体系のもので、この系統のうち、下巻部分は、この前田家本のみが知られる。外題及び巻首2葉は藤原定家の筆写、他は定家の娘民部卿局の筆といわれる。諸伝本中でも、該本は稀な古写本で、伝本研究上も価値高いものである。もと前田家の所蔵。
昭和60年「石川県の文化財」より

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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