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更新日:2021年5月6日

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―上海駐在員便り 2020年9月―

鎖国下における中国入境レポ

 

  一連のコロナ騒動のなか、赴任地の上海から緊急一時帰国しておりましたが、ちょうど日本でGO TO キャンペーンが始まった頃、私はGO TO上海、7月26日に再び上海へ戻りましたので、渡航及び隔離の実情についてレポートします。

 

■入境の前提

  3月末以降、中国は原則、全外国人の入国禁止を継続している状況にあります。よって、入国するためには、中国の地方政府(私の場合は上海市政府)から招聘状を発行してもらい、それをもって日本の中国大使館(領事館ビザセンター)で特別ビザを取得する必要があります。当初は、外交官など一部の人のみに限られておりましたが、7月以降、経営層やスキル人材など、発給されるケースが増えてきております。

  また、フライトにおいては、基本的には日中間の直行便運航は各社週一便となっており(7月末以降、徐々に増便されつつありますが)、成田空港と関西空港のみに限定されておりますので、席の確保が困難な状況にあります。

  なお、中国政府は、搭乗前にPCR検査を義務付ける旨の意向を示しており、私が渡航した時点では詳細運用が未定で不要でしたが、今後、渡航に際して日本国内でのPCR検査を求められる可能性がありますので、渡航を予定されている方はご注意ください。

 

■渡航

  7月26日7時30分、成田空港国際線フロアに到着。国際線フロア自体はガラガラですが、通常は無い、スマホでの健康申告QRコード登録の案内等で、チェックインカウンターは長蛇の列。搭乗者の多くは中国人です。なお、マスクは当然のこととして、全身ナイロン製の防護カッパやゴーグルまで着用する搭乗者が散見され、移動時感染への警戒感が伝わります。チェックインが終わるまでに1時間ほどを要したものの、保安検査や出国審査はほとんど時間がかからずスムーズに通過、ほぼ定刻通りに搭乗し、9時50分離陸しました。

  11時15分上海浦東空港に降り立つと、そこからが本番です。まずはサーモグラフィーによる体温検査、健康状態や過去14日間の所在等の問診、各種承諾書等への記載の後、PCR検査へと空港内をどんどん進みながら検疫が行われます。PCR検査は、防護服の係員が鼻の奥に綿棒を突っ込みグリグリ(×2回)。空港では、かなりしっかり奥まで、じっくり突っ込むので結構痛いですが、そこは我慢。(鼻からの内視鏡検査が得意な方は大丈夫だと思います。)入国審査では、特別ビザの読み込みがうまく行かないようで(原因不明)、少々ヒヤッとしましたが無事通過。預け入れ荷物のピックアップ、税関X線検査、また新たなQRコードの登録を経て、住居地に応じて分岐した進路を進むと、当該の区カウンターに辿り着きました。カウンターでの手続きが終わった時点で空港に入ってから約1時間。関門は多いですが順調です。何度もスマホ入力、用紙への記入が求められる項目(基本的な個人情報やフライト情報、中国内での住所や携帯番号等)については中国語で事前に纏めておくとスムーズです。空港職員や検疫官、区の公安担当者は比較的、丁寧で手際も良い印象です。

  しかし、そこから集中隔離施設(ホテル)への輸送バス待ち4時間。パトカーに先導され、途中事故渋滞もありつつ、ホテルに着く頃には18時をまわってました。外に設置されたカウンターで隔離手続きを行い、階ごとに纏まって裏の非常階段を上がり、消毒液でびちゃびちゃになった荷物とともに19時00分入室。隔離生活の始まりです。

 

■隔離生活

  新たな隔離政策として、上海に自宅がある場合、集中隔離施設での隔離14日間だけではなく、たとえば集中隔離施設7日間+自宅隔離7日間が選択可能となりました。(隔離者への配慮か、はたまた渡航者が増加してきたことによる施設のキャパ不足によるものかは不明です。)ちょうど渡航するタイミングでの変更であり、あまり前例が無かったのですが、私は後者を選択しました。

  ホテル(選択不可・有料)でも自宅でも隔離ルールは概ね同じで、部屋からは一切外出禁止(ドアにセンサーを設置されるケースあり)、毎日2回防護服を着た医療スタッフがやってきて検温、自宅移行前と隔離解除前に再度PCR検査、決められた時刻にゴミを密封してドアの前に出すこと等です。閉鎖空間での完全隔離は息がつまりますが、ホテルの部屋はそんなに悪くありません。Wi-Fiもつながりますので、リモートワーク可能です。なお、食事については、ホテルでは毎日3回、定時に弁当のようなものが部屋の前に置かれますが、自宅では外に一歩も出ることなく食料を調達する必要があります。そんなときに必須となるのが、いまや中国文化の一つといっても過言ではないほど定着している「外売(ワイマイ)」です。「外売」とは、スマートフォンを利用したフードデリバリーサービスのことで、専用アプリで店と料理を選択してモバイル決済を行うと、数十分ほどで注文した料理が届きます。

  なお、長期間不在にしていた場合は、自宅隔離の選択には注意も必要です。入室以降、部屋の汚れや機器類の故障などのトラブルがあっても、部屋から出ることなく、また、業者が部屋に入ることなく対応する必要がありますので、食料問題と併せて、中国にまだ慣れていない場合等は、施設での14日隔離を選択するのも手です。海外では、どれだけ事前に不動産屋等に確認していても、実際に部屋に入るといろいろと不具合が見つかるものです。実際に私の場合は、カードキーが使えなくなっていたり、一部の家電が機能しなかったり、長雨によるカビなどへの対応等で、自宅隔離初日は大掃除や機器類の再設定に追われました。

  そんなこんなで入境から15日目、日本ではお盆真っ只中の8月9日18時30分、隔離終了通知とともに晴れて自由の身となりました。(しばらく上海から出られないという制約あり。)隔離中も多々問い合わせをいただきましたが、少しでもこの実体験が参考情報として、これから中国へ渡航されようとしている県内企業や他自治体の駐在員の方々の一助となれば幸いです。

 成田空港チェックインカウンター

(写真1:成田空港チェックインカウンター)

浦東空港での検疫 

(写真2:浦東空港での検疫)

 集中隔離ホテル

(写真3:集中隔離ホテル)

お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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