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更新日:2016年4月27日

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―上海駐在員便り 2016年5月―

常州市開発区の企業視察

 

 

 ファースト ペングイン(ペンギン)。

 

 上海でも話題となっていた3月まで放送していたNHKの朝の連続ドラマの中で五代様が流暢な発音で語った印象的なセリフ。

 群れで行動するペンギンの中で最初に海に飛び込むペンギンを指す言葉ですが、リスクを承知で飛び込むことで得られる先行者利益についての例えとしてドラマ内で語られました。

 先日、日系の空調大手企業のショールームを視察に訪れた際、案内してくださった中国駐在歴15年のベテランの営業職の方から、上記のペンギンの例えを用いて企業の進出からこれまでの経緯を伺いました。

 90年代に中国へ進出し、10人以下の社員でスタートした中国事業も今では数千人規模のスタッフが働く規模になり、中国事業がグローバル企業としてなくてはならない存在となったこと。そこに至るまでには、先人が切り開いた市場がいくつもあるが、その中でも中国におけるマンションの空調市場No.1のシェアを誇っており、各部屋に設置する外付けのエアコンではなく、世帯別の空調のシステムとして売込むということや、これまでの目線と違った視点でキッチンやバスルームに空調システムを導入したこと、また内装のデザイナーとコラボレーションした空調システムの提案など、他社がやっていないこと、まだ真似されていないことに果敢に挑戦した結果が、今のシェア率につながっているとのことでした。今現在においても、ファーストペンギンたるべく日々企業努力を続けているというお話しを伺い、同じ中国駐在員として刺激を受けるとともに、駐在2年目を迎える今年度は、移り変わりが激しい中国においてアンテナを高く、様々な事業において果敢にチャレンジしていきたいと決意を新たにしました。

 

 さて、今月号では、3月16日(水)〜17日(木)において実施した常州市の開発区内の企業視察と常州市の企業との交流会の様子についてお伝えしたいと思います。

 上海事務所では、中国に進出されている企業の支援として様々な取り組みを実施しておりますが、その一環として昨年11月に石川県機械・電機企業商談会を実施しました。その商談会の実施にあたり、石川県の企業の方々に県に望むことや、より良い商談会にするべくアドバイスをいただいた際に、行政ならではの企業支援として、単独で企業訪問することが難しいような中国系の大企業の工場の視察や、董事長や総経理など経営に携わる方にお会いする機会を作ってもらえればビジネスチャンスにつながるので、ぜひそういった機会を検討してほしいという声をいただきました。

 そこで、石川県の友好交流地域である江蘇省内の常州市国際投資促進センターの担当者に相談を持ちかけてみました。同氏は、石川県内の大学に留学されていたご縁もあり懇意にしているのですが、愛着がある石川県のためなら是非にいうことで常州市の開発区に掛け合ってくれ、今回の企業視察が実現する運びとなりました。

 石川県の進出企業の特徴として機械系の製造業が多いということが挙げられます。そこで、今回は製造業の皆さんのビジネスチャンスとなるように、自動車の完成車工場2社(鄭州日産有限公司、衆泰汽車集団有限公司)と高速鉄道部品の開発、製造をしている企業(常州南鉄馬科技実業有限公司)の訪問を企画し、石川県企業8社10名の方にご参加いただきました。

 視察当日は、上記企業3社を訪問し、総経理等にお会いし、工場を見学させてもらうとともに、16日(水)の晩には、参加企業の皆さんと常州市の企業が交流するための交流会の場をセットいただき、名刺交換や情報交換をしました。

 常州市からは、交流会に副市長をはじめ、市の幹部も出席する力のいれようで、その様子が常州市の新聞やニュースで取り上げられるなど注目も集める取り組みとなりましたが、これも、これまで対中投資のセミナーを積極的に行ってきた中国の開発区や行政にとって、チャイナリスクに伴う日系企業をはじめとした中国への投資の減少により、最近はなかなか企業誘致が難しくなっていることが影響しているようです。

 企業誘致が減少していることの対策として、既に中国進出している外国企業と、自市の開発区内の企業との取引の成立をサポートすることによって、将来的にその開発区内の企業との取引を行うための拠点を開発区内に設置してもらいたいという、既存の進出企業をターゲットとした企業誘致のニーズがあり、今回の企業視察は、そういった取り組みを実践したい常州市側の思いと合致したことから実現しました。

 今回の取り組みは私にとっては初めての取り組みでしたが、常州市にとっても日本の自治体と組んでこのような取り組みをするのは初めてとのことで、まさにファーストペンギン。

 製造業における商談は、昨日会って今日商談成立というような短期間で成果が見えるものではないと思いますが、今回の視察を通じて、既に常州市の企業の再訪問を実施する旨、報告も受けておりますのでこの取り組みが先につながるものであることを期待したいと思います。

 

 今回8社10名の石川県企業の皆さんにご参加いただきましたが、概ね好評であり、また機会があれば参加したいとの声をいただきました。

 私も、2日間にわたって石川県企業の皆さんと行動を共にし、いろいろと話をする中で、人としての関係性を深めることもできたように感じており、勝手に親近感を抱いておりますので、同じ中国に駐在するものとして、これまで以上に支援させていただく所存です。

 また今後の取り組みのアイディアとなるお話も聞くことができたなど私自身得ることが大きく、それらのアイディアを具現化できるよう、駐在2年目も取り組んでいきたいと思っています。

 

  企業交流会の様子       参加企業の皆さんと常州市企業の皆さん

            企業交流会の様子                     参加企業の皆さんと常州市企業の皆さん

 

 

日中経済協会上海事務所石川県経済交流室
石川県駐在員  中 亮介
〒200336  上海市延安西路2201号  上海国際貿易中心1601室
TEL:86-21-6275-0088   FAX:86-21-6275-2211
Eメールアドレス:nakajc@shcei.com.cn

 

お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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